プレイヤーの法律THE RULEBOOK

RULE 03.05Age 18

賃貸の退去で「敷金が戻らない」「壁紙を全部張りかえ代」と言われたらふつうに住んでできた傷みと年月による劣化は、借りた人が直さなくていい(民法621条)。敷金は、未払いの家賃などを差し引いた残りを返すのが原則(622条の2)

2026年10月12日 時点

賃貸の部屋を出るとき、借りた人は、借りたあとに生じた損傷を元にもどす「原状回復」の義務を負います。ただし民法621条は、「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化」をのぞくと明記しています。借りた人に責任のない損傷も対象外です。敷金(名目を問わず、家賃などの支払いを担保するために預けるお金)は、賃貸借が終わって部屋を返したとき、未払いの家賃などを差し引いた残りを返さなければならない、と622条の2が定めています。修繕の義務は原則として貸す人(606条)。条文で解説します。

目次
  1. 原状回復のルール(民法621条)
  2. 敷金は「差し引いた残り」を返す(民法622条の2)
  3. 修繕は、原則として貸す人(民法606条)
  4. 契約書の「特約」は?
  5. まとめ

メル美引っ越しで部屋を出るとき、「壁紙が日焼けしてるから張りかえ代を敷金から引く」って言われたの。ふつうに住んでただけなのに…。

プレ男民法に、退去のときのルールが書いてあるらしいよ。

今回は、賃貸の退去と敷金・原状回復です。民法(明治29年法律第89号)の条文をe-Gov法令検索で確認しました。この記事は一般的な情報です。契約書に特約があることもあるので、実際のトラブルは、消費生活センター(消費者ホットライン188)や弁護士などに相談してください。

原状回復のルール(民法621条)

条文はこうです。

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

かみくだくと、こうなります。

部屋の傷み 借りた人が直す?
借りたあとに生じた損傷 原則として直す(原状回復)
通常の使用でできた損耗(ふつうに住んでいてできる傷み) 直さなくてよい
経年変化(年月がたつことによる劣化) 直さなくてよい
借りた人の責任ではない理由による損傷 直さなくてよい

プレ男「通常の使用」と「経年変化」は、借りた人の負担じゃないって、はっきり書いてあるんだ。

敷金は「差し引いた残り」を返す(民法622条の2)

修繕は、原則として貸す人(民法606条)

契約書の「特約」は?

メル美明細をもらって、条文と照らしあわせてみる。納得できなければ、188に相談してみよう。

民法621条によると、借りた人の原状回復の義務からは、通常の使用でできた損耗と経年変化がのぞかれています。敷金は、未払いの家賃などを差し引いた残りを返すのが原則です(622条の2)。

まとめ


参考文献

  1. 民法(明治29年法律第89号)第606条・第608条・第621条・第622条の2. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 消費者庁. 消費者ホットライン. https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/ (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。