
プレ男京都の「島原」って、九州の島原と関係あるの?

メル美江戸時代の宴会場の建物が、重要文化財として残ってるらしいよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 「色街の歴史」、今回は京都の島原です。江戸時代から続いた京都の花街で、いまは「角屋(すみや)」の建物が国の重要文化財として残っています。角屋を守る公益財団法人 角屋保存会(角屋もてなしの文化美術館)の公式サイトの解説をもとにまとめました。
※この記事は歴史の紹介です。お店の案内や、利用をすすめるものではありません。
名前の由来は「島原の乱のような騒ぎ」
- 島原の正式な地名は「西新屋敷」です
- 角屋保存会によると、寛永18年(1641年)、官命により、前身の「六条三筋町」からいまの朱雀野の地に移されました。移転の命令は寛永17年(1640年)で、実際に移ったのが翌年です
- その移転の騒ぎが、4〜5年前に九州で起きた島原の乱を思わせたことから、「島原」と呼ばれるようになりました

プレ男九州の島原そのものじゃなくて、「乱みたいな大騒ぎ」が名前の由来なんだ!
「揚屋」と「置屋」の分業
島原の営業のしかたは、2種類の店に分かれていました。
| 店 | 役わり |
|---|---|
| 揚屋(あげや) | 太夫や芸妓を抱えず、置屋から来てもらって、客に宴席でもてなす店。料理も作っていたので、いまの料亭にあたる。江戸時代だけのしくみで、明治以降は「お茶屋」に入った |
| 置屋(おきや) | 太夫や芸妓を抱えて、揚屋に送り出す店 |
- 角屋保存会は、この分業を「送り込み制」と呼び、いまの祇園などの花街の「お茶屋(宴席)」と「屋形(芸妓・舞妓を抱える店)」に受けつがれていると説明しています
- これに対し、江戸の吉原のような「遊廓」は、店が自分で女性を抱えて営業する「居稼ぎ制」だったとしています(吉原の歴史)
- 角屋保存会は、こうした点から、島原は「いわゆる遊郭」ではなく「花街」と呼ぶべき町だという立場をとっています
太夫と、俳句の会
- 「太夫」は、官許により宴席で客をもてなす女性(傾城)の最高位です。角屋保存会によると、舞のうまい傾城を「舞太夫」と呼んだのが始まりとされます
- 太夫は、歌や舞、楽器だけでなく、茶・花・和歌・俳諧などの教養も身につけていました
- 見た目のちがいとして、太夫は帯を前で「心」の字の形に結ぶと紹介されています
- 島原では和歌や俳諧(俳句)などの文芸がさかんで、江戸中期には「島原俳壇」ができるほどでした
- 幕末には、女性の歌人・蓮月尼(れんげつに)が島原をほめる歌を残しています

メル美宴会の場で、俳句の会まで開かれていたんだね。
塀のない町、火事は1回だけ
- 島原の入り口は、はじめは東の1か所でしたが、のちに西口もでき、町の中に劇場も開かれて、一般の女性も入ることができたといいます
- 天保13年(1842年)以降は土塀や堀もなくなり、だれでも出入りできる町になりました
- 角屋保存会によると、そのため島原では放火による火事は一度もなく、嘉永7年(1854年)に一度だけ、失火で東半分が焼けたといいます
明治から昭和52年まで
- 明治6年(1873年)には「歌舞練場」が開かれ、「青柳踊」や「温習会」が上演されました
- いっぽうで、町の場所の不便さから、しだいにさびれていきました
- それでも花街としての営業は昭和52年(1977年)まで続き、京都の六花街の1つに数えられていました
いまも残る「角屋」
- 角屋は、江戸時代の揚屋の建物で、国の重要文化財です。いまは「角屋もてなしの文化美術館」として、期間を決めて公開されています
- 角屋保存会によると、角屋は江戸時代、京都で最大規模の宴会場でした。いまも440件の陶磁器が伝わり、そのうち89件は中国から輸入された器です。文政5年(1822年)に買い求めたことが箱書きでわかる器もあります

京都の島原は、1641年に六条三筋町から移され、その騒ぎが島原の乱のようだと言われて名前が付きました。宴席の揚屋と、太夫を抱える置屋に分かれていたのが特徴です。
まとめ
- 正式な地名は「西新屋敷」。1641年の移転騒ぎが「島原の乱のよう」と言われて「島原」に
- 宴席の揚屋と、太夫・芸妓を抱える置屋の分業(送り込み制)。いまの祇園の「お茶屋」と「屋形」に受けつがれる
- 太夫は茶・花・和歌・俳諧の教養も。江戸中期には島原俳壇
- 1842年以降は塀も堀もない町に。花街の営業は1977年まで
- 揚屋の角屋は国の重要文化財。「角屋もてなしの文化美術館」として公開
参考文献
- 公益財団法人 角屋保存会(角屋もてなしの文化美術館). 島原の文化史. https://sumiyaho.sakura.ne.jp/page/history.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 公益財団法人 角屋保存会(角屋もてなしの文化美術館). 角屋もてなしの文化美術館(令和8年企画展「角屋蔵 宴にみる清朝陶磁」展). https://sumiyaho.sakura.ne.jp/page/art_museum.html (閲覧日:2026年10月22日)
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