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プレ男時代劇やドラマで「吉原」ってよく出てくるけど、実際どんな場所だったの?

メル美華やかなイメージだけど、働いていた女性たちは大変だったって聞いたことがある。
こんにちは、Dr. Taro です。 「大人の教養」の新しいシリーズ「色街の歴史」です。第1回は、江戸の吉原。台東区の史跡の案内などをもとにまとめました。
江戸でただ一つの「公許」の遊廓
- 吉原は、江戸でただ一つ、幕府に認められた遊廓でした
- 始まりは元和3年(1617年)。江戸の市中に散らばっていた遊女屋を、いまの日本橋人形町のあたりに集めたのが最初です
- この最初の吉原を「元吉原」といいます
明暦の大火で浅草の北へ:「新吉原」
- 明暦3年(1657年)の大火をきっかけに、幕府の命令で郊外への移転が実行され、同じ年の8月に浅草千束村(いまの台東区千束のあたり)へ移りました
- 移ったあとの吉原を「新吉原」と呼びます
- もともと湿地帯だった場所を一部埋め立てて、遊廓がつくられました

プレ男いまの人形町にあったんだ。移転してから、300年も続いたのか。
「見返り柳」と大門
吉原のあとには、いまも当時をしのぶ名所が残っています。
- 見返り柳:遊び帰りの客が、名残を惜しんでこのあたりで吉原を振り返ったことから、この名があります
- 大門(おおもん):吉原の玄関で、夜10時から翌朝までは大戸を閉め、くぐり門を通らせたとされます
華やかさの裏側:「苦界十年」
吉原は、江戸で有数の遊興地として栄え、江戸の文化の一翼をにないました。一方で、そこで働く遊女たちの境遇は厳しいものでした。
- 楼主(店の主人)と遊女の関係は年季奉公の形で、期間は満9年(足かけ10年)
- 俗に「苦界十年」と呼ばれました

メル美「苦界」って言葉に、当時の女性たちのつらさが出てるね…。
明治の「解放令」と、その後
1872年、芸娼妓解放令
- 明治5年(1872年)10月、政府は人身売買を禁止し、芸妓・娼妓などの年季奉公を制限し、前借金(まえがりきん)を無効とする布告を出しました。いわゆる「芸娼妓解放令」です
- きっかけは、同じ年のマリア・ルス号事件でした。横浜港に停泊したペルー船から逃げた中国人の労働者をめぐる裁判で、日本は「奴隷のような扱いは許されない」と主張しました。ところがペルー側から「日本にも、遊女の年季証文(身売りの契約書)があるではないか」と反撃され、政府はあわてて解放令を出したのです
- ただ、布告の理由は「娼妓・芸妓は人身の権利を失った者で、牛馬と変わらない。牛馬に借金の返済は迫れない」というもので、女性の人権を認めたものではありませんでした
解放は「骨抜き」に
- 解放された女性たちには、その後の生活の支えがありませんでした
- 翌1873年には、「本人の希望による営業」なら認めるという貸座敷(かしざしき)の制度ができ、遊女屋は「貸座敷」、遊女は「娼妓」として、実質的に営業が続きました。解放令は有名無実になったのです
「自由廃業」を求めた女性たち
- 1900年(明治33年)、函館の娼妓の裁判で、大審院(いまの最高裁判所)は、店と娼妓の間のお金の契約は有効でも、体を縛る契約は無効だと判断しました
- これをきっかけに、娼妓が自分の意思で店をやめる「自由廃業」の運動が広がりました

プレ男借金があっても、体まで縛ることはできない。当たり前のことが、裁判で認められるまで時間がかかったんだね。
『たけくらべ』の舞台
- 樋口一葉の代表作『たけくらべ』は、吉原のすぐそば、下谷龍泉寺町(いまの台東区竜泉)を舞台にした小説です
- いずれ吉原の遊女になる少女・美登利と、僧侶になる信如の、すれ違う思いが描かれています
- 竜泉には、台東区立一葉記念館があります
1958年、約340年の歴史が終わる
- 吉原は、昭和33年(1958年)、売春防止法によって廃止されました
- 元吉原から数えると、およそ340年の歴史でした
- 戦後の「赤線」と売春防止法については、赤線と売春防止法でくわしく紹介しています
まとめ
- 吉原は、江戸でただ一つ幕府が認めた遊廓。1617年に日本橋の近くで始まった(元吉原)
- 1657年の明暦の大火のあと、浅草千束村へ移った(新吉原)
- 江戸文化の一翼をになう一方、遊女は「苦界十年」と呼ばれる年季奉公に縛られていた
- 樋口一葉の『たけくらべ』の舞台は、吉原のそばの龍泉寺町
- 1872年の芸娼妓解放令は、翌年の貸座敷制度で骨抜きに。1900年の裁判から「自由廃業」の運動へ
- 1958年、売春防止法によって廃止
- あわせて読みたい:ポンペイの売春宿ルパナーレ、飛田新地の歴史、すすきのの始まり、オランダの「飾り窓」
参考文献
- 台東区. 台東文化探訪アーカイブス 台東区の史跡・名所案内(見返り柳、新吉原花園池(弁天池)跡、花吉原名残碑). https://www.culture.city.taito.lg.jp/bunkatanbou/landscape/japanese/negishi_02.html (閲覧日:2026年9月27日)
- 台東区公式観光情報サイト. 見返り柳. https://t-navi.city.taito.lg.jp/spot/1175 (閲覧日:2026年9月27日)
- コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ)ほか). 吉原. https://kotobank.jp/word/%E5%90%89%E5%8E%9F-146437 (閲覧日:2026年9月27日)
- 台東区. 一葉記念館 企画展「たけくらべ」入門. https://www.city.taito.lg.jp/event/kanko/takekurabe.html (閲覧日:2026年9月27日)
- たいとう文化マルシェ(台東区). 【一葉記念館】特別展「一葉が暮らした下谷龍泉寺町」取材レポート. https://www.culture.city.taito.lg.jp/ja/reports/40508 (閲覧日:2026年9月27日)
- コトバンク(日本大百科全書(ニッポニカ)、改訂新版 世界大百科事典). 娼妓解放令. https://kotobank.jp/word/%E5%A8%BC%E5%A6%93%E8%A7%A3%E6%94%BE%E4%BB%A4-78983 (閲覧日:2026年9月28日)
- 国立国会図書館. 第84回常設展示 廃娼運動の歴史(1997年). https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_999364_po_84.pdf?contentNo=1 (閲覧日:2026年9月28日)
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