
メル美母が、何年か前から歩くとき少しふらついて、最近は字を書くのも、しゃべるときのろれつも、なんだかぎこちないの。お酒は飲まないんだけど。

プレ男力が弱くなったわけじゃないのに、うまく動かせないって感じなのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、脊髄小脳変性症の話です。難病情報センターの「脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)」(令和7年12月更新、運動失調症の医療水準の向上や患者のQOL向上に資する研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 歩くときのふらつき、手のふるえ、ろれつが回らないなどを症状とする神経の病気です
- 動かすことはできるのに、上手に動かせないという症状で、これを運動失調といいます。主に、後頭部の下にある小脳の病気で起こります
- 腫瘍、脳梗塞や脳出血、炎症、栄養障害などが原因ではないものを、まとめて「変性症」と呼びます。病気が脊髄に広がることもあるので、脊髄小脳変性症といいます
- 1つの病気ではなく、運動失調を起こす病気の総称です
どのくらいの人に?
- 多系統萎縮症を含めると、全国で3万人を超えています
- 約3分の2は遺伝性ではなく(孤発性)、約3分の1が遺伝性です。日本で多い遺伝性のものには、SCA3(マチャド・ジョセフ病)、SCA6、SCA31などがあります
うつる病気ではない
- 接触などでほかの人にうつる病気ではありません
- 孤発性の場合、生活習慣や食習慣との明らかな関係は知られていません。進行を左右するような食習慣もありません
- 遺伝性のものには、親から子に伝わることがあるタイプと、きょうだいだけに出て子に伝わることはまずないタイプがあります。遺伝子検査の一部は、認定された施設で保険で受けられます
症状
- 立つ・歩くときにふらつく
- 手がうまく使えない
- しゃべるときに口や舌がもつれる
- これらの症状は、たいへんゆっくり進みます
- 病気の種類によって、運動失調以外にもさまざまな症状をともないます

メル美ゆっくり進むふらつきや、ろれつのもつれ…母の様子に当てはまるところがあるんだ。
治療
- 多くの病気で原因が判明し、それにもとづいて研究が進んでいます。動物では症状の進行をさまたげる薬も多数報告されています
- しかし、現時点では、それらの薬が人で有効であることは確かめられていません

脊髄小脳変性症は、動かすことはできるのに上手に動かせない「運動失調」が、たいへんゆっくり進む病気の総称です。約3分の2は遺伝性ではなく、人にうつる病気でもありません。

プレ男ゆっくり進む病気だからこそ、早めに脳神経内科で原因を調べてもらうといいね。
まとめ
- ふらつき・手がうまく使えない・ろれつが回らないなどの運動失調の病気の総称
- 主に小脳の病気で起こる。全国に3万人以上
- 約3分の2は遺伝性ではない。人にうつる病気ではない
- 症状はたいへんゆっくり進む
- 原因の解明が進み研究中だが、人で効果が確かめられた進行を止める薬はまだない
参考文献
- 難病情報センター. 脊髄小脳変性症(多系統萎縮症を除く)(指定難病18)(情報更新日:令和7年12月、運動失調症の医療水準の向上や患者のQOL向上に資する研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/4879 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。