
プレ男20代の同僚が、右腕だけずっとしびれていて、このあいだ熱いなべにさわってやけどしたのに、熱さをほとんど感じなかったんだって。

メル美やけどしても熱く感じないって、すごく危ないね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、脊髄空洞症の話です。難病情報センターの「脊髄空洞症」(令和7年12月更新、神経変性疾患領域の研究班)をもとにまとめました。
どんな病気?
- 脳や脊髄は、脳脊髄液という液体の中に浮かんで守られています
- 脊髄空洞症は、脊髄の中に脳脊髄液がたまった大きな空洞ができ、脊髄を内側から圧迫することで、さまざまな神経の症状や全身の症状が出る病気です
どんな人に多い?
- 2008〜2009年の調査で、推定患者数は2,500人前後でした(実際はもっと多いと予想されています)
- 男女差なく、20〜30歳代の発症が多いものの、あらゆる年齢でみられます。子どもでは、学校の健診で側弯症をきっかけに見つかることがあります
原因
- 脊髄に空洞ができる原因は、炎症、腫瘍、脊髄の梗塞や出血、けが、生まれつきの形の異常など、たくさんあります
- 代表的なのは、生まれつき小脳の一部が脊髄の通り道に落ちこんでいる「キアリ奇形」です。原因が特定できないものもあります
- 多くの場合、遺伝はしません
症状
- 片側の腕の感覚の障害や力の低下で始まることが多く、重苦しさ、痛み、不快なしびれで始まることもあります
- 特徴的なのは、温度や痛みがわからなくなる障害です。たとえば、腕を強くつねられても、触られた感じはあるのに痛みを感じない、やけどをしても熱さを感じない、といったことです
- 空洞が大きくなると、しびれ、筋肉のやせ、手足の力の低下、つっぱりが出てきます。症状が出る場所は、空洞の場所と広がりによってちがい、首の高さに空洞があると手や腕に出ます
- そのほか、関節の障害、汗の異常(初めは多く、進むと出なくなる)、爪の伸びが遅い、立ちくらみなどがみられることもあります

プレ男片腕のしびれと、やけどしても熱さを感じない…同僚の症状は、脊髄空洞症の特徴に当てはまるんだ。
治療と経過
- しびれなどの症状に合わせた薬のほか、症状の進行を防いだりよくしたりするための手術が行われます
- まれに症状が止まったりよくなったりすることもありますが、適切な治療をしないと、多くの場合、空洞が大きくなるにつれて症状が少しずつ進みます
- 診断を受けたあとは、専門医を定期的に受診することが大切です

脊髄空洞症は、片側の腕のしびれや力の低下で始まることが多く、強くつねられても痛みを感じない、やけどをしても熱さを感じないといった、温度や痛みがわからなくなる障害が特徴です。
- 手や腕のしびれのほかの原因は手や腕のしびれ、背骨の神経の通り道が狭くなる病気は黄色靱帯骨化症と広範脊柱管狭窄症の記事もどうぞ

メル美熱さを感じにくいなら、料理やお風呂のときは特に気をつけてね。早めに病院で相談しよう。
まとめ
- 脊髄の中に液体の空洞ができ、内側から圧迫する病気
- 20〜30歳代に多い。子どもは側弯症から見つかることも
- 代表的な原因はキアリ奇形(小脳の一部が下がっている)
- 片腕のしびれ・力の低下、痛みや熱さを感じない(やけどに気づかない)
- 薬と手術で治療。専門医を定期的に受診
参考文献
- 難病情報センター. 脊髄空洞症(指定難病117)(情報更新日:令和7年12月、神経変性疾患領域における医療水準と患者QOLの向上を目指した基盤研究班). https://www.nanbyou.or.jp/entry/133 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。