副業・事業と税金2026年10月3日

「医師優遇税制」とは:保険診療の収入5,000万円以下なら、実際の経費にかかわらず72〜57%を経費にできる特例(租税特別措置法第26条)。1954年に「暫定措置」として始まり、事業税でも保険診療の収入は課税されない

「医師優遇税制」と呼ばれるものの中心は、租税特別措置法第26条の「社会保険診療報酬の所得計算の特例」です。保険診療の収入が5,000万円以下で、医業の収入の合計が7,000万円以下の開業医は、実際にかかった経費ではなく、保険診療の収入の72〜57%を経費として計算できます。会計検査院によると、1954年に暫定措置として作られ、税制調査会からは1956年以来たびたび是正を求められてきました。また地方税法では、保険診療の収入は事業税の対象に入れません。

メル美「医者は税金で優遇されてる」って聞いたことがあるけど、どういうこと?

プレ男法律にそう書いてあるの?ちゃんと条文で見てみよう。

「医師優遇税制」という言葉は法律の名前ではありませんが、よく話題になるのは開業医の保険診療の収入にかかわる税金の特例です。今回は、租税特別措置法と地方税法の条文(e-Gov法令検索)、会計検査院の報告(2011年)で確認した内容をまとめました。よい・悪いを決めるのではなく、しくみと、これまで指摘されてきたことを紹介します。

1. 「概算経費率」の特例(租税特別措置法第26条)

正式には「社会保険診療報酬の所得計算の特例」といいます。

使える人

しくみ

ふつうの事業は、実際にかかった経費を収入から引いて所得を計算します。この特例を使うと、保険診療の分の経費は、実際の経費にかかわらず、保険診療の収入を次の段階に分けて決まった率をかけた金額にできます。

保険診療の収入のうち 経費にできる率
2,500万円以下の部分 72%
2,500万円超〜3,000万円以下の部分 70%
3,000万円超〜4,000万円以下の部分 62%
4,000万円超〜5,000万円以下の部分 57%

メル美実際の経費じゃなくて、決まった率で経費を計算できるんだ!

作られた理由と、これまでの指摘

会計検査院の「平成22年度決算検査報告」(2011年10月28日に財務大臣・厚生労働大臣へ意見表示)によると:

プレ男1954年の「暫定措置」が、いまも続いているのか。

2. 事業税でも、保険診療の収入は課税しない(地方税法)

まとめ


参考文献

  1. 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第26条、第67条(e-Gov法令検索). https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026 (閲覧日:2026年10月3日)
  2. 地方税法(昭和25年法律第226号)第72条の23、第72条の49の12(e-Gov法令検索). https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226 (閲覧日:2026年10月3日)
  3. 会計検査院. 平成22年度決算検査報告「社会保険診療報酬の所得計算の特例に係る租税特別措置が有効かつ公平に機能しているかの検証を行い、当該特例について、その目的に沿ったより適切なものとするための検討を行うなどの措置を講ずるよう意見を表示したもの」(2011年10月28日). https://report.jbaudit.go.jp/org/h22/2010-h22-0136-0.htm (閲覧日:2026年10月3日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。