「男性ホルモンを増やすサプリ」は効く?:診療の手引きは、健康食品の効果は根拠が低いものが多いとしている。マカ・シトルリン・アルギニン単独ではテストステロンは変わらなかった。肥満の人の減量は改善が期待できる
日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会の「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年)の「食品機能因子の効果」の章によると、健康食品によるテストステロン(男性ホルモン)への効果は有効性の根拠が低いものが多く、大規模な研究が必要とされています。健康な男性ではマカでテストステロンは変わらず、シトルリンやアルギニン単独でも変化はみられませんでした。ビタミンDやEも、テストステロンを上げる目的でとることはすすめられていません。亜鉛などのミネラルは不足すると下がる一方、とりすぎでも下がることがあります。肥満の人のカロリー制限による食事療法には、改善が期待できるとしています。

プレ男ネットの広告で「男性ホルモンがみなぎる!マカ・亜鉛・シトルリン配合」ってサプリを見たんだ。飲んでみようかな。

メル美ほんとうに効くのかな。研究ではどうなってるんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 「メンズメディカル」から、男性ホルモンを増やすとうたうサプリの話です。日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス医学会の「LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き」(2022年)の「食品機能因子の効果」の章をもとにまとめました。
手引きの結論:「根拠が低いものが多い」
- 手引きは、健康食品によるテストステロンへの効果は、有効性の根拠が低いものが多く、大規模な調査研究が必要だとしています
成分ごとの研究
| 成分 | 人での研究の結果(手引きより) |
|---|---|
| マカ | マカエキス入りの飲み物で、男性更年期の症状の点数(AMSスコア)が改善した報告がある一方、健康な男性ではテストステロンは変わらなかった |
| シトルリン | レスベラトロールとの併用でEDの改善が示されたが、テストステロンは変わらなかった |
| アルギニン | 単独ではテストステロンは変わらなかった(ED治療薬との併用で上がった報告はある) |
| レスベラトロール | シトルリンとの併用でEDの改善が示されたが、テストステロンは変わらなかった |
| コエンザイムQ10 | 上がる傾向の報告と、変わらなかった報告がある |
| ニンニク | 人での報告が不足。生のニンニクを多量にとると、逆にテストステロンが下がることが報告されている(動物での研究など) |
- 動物実験で上がったという報告はいくつもありますが、人で同じ効果があるかは別です

プレ男マカもシトルリンも、健康な人ではテストステロンは変わらなかったんだ…。
ビタミン・ミネラル
- ビタミンDが足りない肥満の人では、ビタミンDをとってテストステロンが上がった報告があります。ただし、健康な男性ではビタミンDやEをとっても変わらなかったため、テストステロンを上げる目的でビタミン類をとることはすすめられていません
- 亜鉛などのミネラルは、不足するとテストステロンが下がります。食事制限などで足りないときは、サプリでとることが必要な場合もあります。ただし、とりすぎでも下がることがあるため、適正な量が大切です
期待できるのは「減量」
- 肥満の人では、カロリーを制限する食事療法で、テストステロンの値の改善が期待できるとされています(減量の目標)
- 運動の効果は運動で男性ホルモンは増える?の記事にまとめています

診療の手引きは、健康食品によるテストステロンへの効果は根拠が低いものが多いとしています。肥満の人の減量や、運動のほうが改善が期待できます。
- だるさ・性欲の低下・気分の落ちこみなどが続くときは、男性更年期(LOH症候群)のこともあります。テストステロン補充療法の記事もどうぞ

メル美サプリにお金をかけるより、まずは歩く習慣とお腹まわりの減量だね。
まとめ
- 健康食品の効果は根拠が低いものが多い(診療の手引き)
- マカ・シトルリン・アルギニン単独では、健康な男性のテストステロンは変わらなかった
- ビタミンD・Eをテストステロンを上げる目的でとることはすすめられない
- 亜鉛などは不足しても、とりすぎても下がることがある
- 期待できるのは肥満の人の減量と運動
参考文献
- 日本泌尿器科学会, 日本メンズヘルス医学会. LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き(2022年).「19 食品機能因子の効果」. https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/44_loh.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。