
メル美電車でつり革につかまっていると、腕がだんだんしびれてくるの。洗濯物を干すときもそう。わたし、なで肩なんだよね。

プレ男腕を上げるとしびれるって、肩の病気なのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、腕を上げるとしびれる「胸郭出口症候群」の話です。日本整形外科学会の「症状・病気をしらべる 胸郭出口症候群」をもとにまとめました。
症状
- つり革につかまる、洗濯物を干すなど、腕を上げる動作で、腕のしびれや肩・腕・肩甲骨のまわりの痛みが出ます
- 前腕から手の小指側に沿って、うずくような、ときに刺すような痛みと、しびれ、ビリビリ感が出ることがあります
- 握力が落ちる、細かい動作がしにくいこともあります。進むと手の筋肉がやせることもあります
- 腕の動脈が圧迫されると、血のめぐりが悪くなって腕が白っぽくなり、痛みが出ます。静脈が圧迫されると、手や腕が青紫色になります
なぜ起こる?
- 首から腕へ向かう神経の束(腕神経叢)と鎖骨の下の動脈は、首の筋肉のあいだ、鎖骨と第1肋骨のあいだ、胸の筋肉(小胸筋)の付け根のうしろを通ります
- これらの場所で、神経や血管が締めつけられたり圧迫されたりして起こり、まとめて胸郭出口症候群と呼びます。生まれつきの余分な肋骨(頚肋)が原因のこともあります

プレ男首から腕への神経や血管の通り道がせまくなって起こるんだ。肩そのものの病気とはちがうんだね。
どんな人に多い?
- なで肩の女性や、重い物を持ち運ぶ仕事の人で、上のような症状があれば、胸郭出口症候群の可能性があります
- 診察では、首の向きや腕の位置を変えたときに、手首の脈が弱くなるか、しびれが出るかなどを調べ、X線(レントゲン)検査で頚肋や鎖骨・肋骨の形を確かめます
- 似た症状が出る首の椎間板ヘルニアや頚椎症、肘部管症候群などとの区別も必要です(手や腕のしびれ)
予防と治療
予防と、手術をしない治療(保存療法)が大切です。
- 症状を悪くする腕を上げた姿勢での仕事、重い物を持ち上げる運動や作業、リュックで重い物を背負うことをさけます
- 症状が軽いときは、腕や肩を吊り上げている肩の筋肉(僧帽筋など)をきたえる運動を行い、休むときも肩を少しすくめた姿勢をとります。肩が下がる姿勢の人には、肩を持ち上げる装具を使うこともあります
- 痛み止めや血のめぐりをよくする薬なども使われます。頚肋がある場合や、締めつけられている場所によっては、手術を行うこともあります

胸郭出口症候群は、腕を上げる動作で腕のしびれや肩のまわりの痛みが出ます。予防と手術をしない治療が大切で、腕を上げた姿勢での作業や重い荷物をさけましょう。
- 肩の痛みは肩の痛み、五十肩とはかぎらない、ひじの外側の痛みはテニス肘の記事もどうぞ

メル美重いリュックをやめて、つり革はこまめに持ちかえてみる。それでも続くなら整形外科で相談するね。
まとめ
- 腕を上げると、腕のしびれや肩・肩甲骨のまわりの痛み
- 前腕〜小指側のしびれ、握力低下、腕が白っぽい・青紫色になることも
- 首から腕への神経と血管の通り道で締めつけられて起こる
- なで肩の女性、重い物を運ぶ人に多い
- 腕を上げた作業・重い荷物をさけ、肩の筋肉をきたえる
参考文献
- 日本整形外科学会. 症状・病気をしらべる「胸郭出口症候群」. https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_outlet_syndrome.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。