
プレ男筋トレも勉強もデートの準備もしたいのに、気づくと1日が終わってる…。時間管理って、本当に意味あるのかな。

メル美手帳術の本はたくさんあるけど、研究ではどうなんだろうね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は時間管理の習慣です。Aeon、Faber、Panaccio が2021年に発表したメタ分析「時間管理は役に立つのか?」(PLOS ONE)をもとにまとめました。2019年までに発表された時間管理の研究から、条件に合う158の研究(のべ5万3,957人、490の効果量)を集めて分析したものです。
「時間管理」とは、3つのこと
この論文では、時間管理を「時間を組み立て、守り、変化に合わせて調整するための、個人の意思決定」と定義しています。
| 要素 | 意味 | 研究で使われる質問の例 |
|---|---|---|
| 組み立てる | スケジュールや手帳などで、やることを時間に割りふる | 「毎日決まった流れがありますか」「1日のおもな活動が、うまく組み立てられていますか」 |
| 守る | 自分の時間に境界線を引き、じゃまをふせぐ | 「人に『いいえ』と言うのがいやで、やるべきことのじゃまになることをしていませんか」 |
| 調整する | 状況の変化に合わせて、柔軟に組み立てなおす | 「待ち時間を使う」「1日の予定をふり返る」 |
「守る」の例として、論文は同僚や友だちの時間のかかる頼みを断ることや、家族との夕食のあいだは仕事用の電話を切ることをあげています。

プレ男予定を詰めこむだけじゃなくて、「断る」も時間管理なんだ。
結果:成果・幸福感と「中くらい」の関係
数字は、時間管理の得点との相関係数 r(0なら関係なし、1に近いほど強い関係。マイナスは逆向きの関係)です。
| 研究の数 | 人数 | r | |
|---|---|---|---|
| 仕事の成果(全体) | 21 | 3,990 | 0.26 |
| 学業の成果(全体) | 76 | 30,605 | 0.26 |
| 幸福感(全体) | 30 | 9,905 | 0.31 |
| ・仕事の満足度 | 11 | 2,856 | 0.25 |
| ・人生の満足度 | 9 | 2,855 | 0.43 |
| 苦痛(全体) | 58 | 15,387 | -0.22 |
| ・ストレス | 17 | 3,367 | -0.29 |
| ・不安 | 16 | 6,648 | -0.18 |
| ・仕事と生活の両立の難しさ | 9 | 2,812 | -0.16 |
- 時間管理は、仕事の成果・学業の成果・幸福感と中くらいの関係があり、ストレスなどの苦痛とはマイナスの関係がありました
- 学業では、先延ばしの少なさとの関係が強く(r=0.49)、成績(GPA)とは r=0.21。一方、標準テストの点数とはほぼ関係がありませんでした(r=0.01)
- 仕事の成果との関係は、年を追うごとに強くなっていました。いまのほうが、1990年代はじめより、時間管理が職場の評価につながりやすくなっているようです
いちばん効いていたのは「人生の満足度」
- 研究者がとくに注目したのは、時間管理が仕事の成果より、幸福感、とくに人生の満足度と強く関係していたことです
- 「時間管理はまず仕事の成果を上げるためのもので、幸福感はそのおまけ」という一般的なイメージとは、逆の結果でした
- 研究者は、成果が上がらなくても、時間管理の取り組みで幸福感が高まったという実験もあると紹介しています

メル美時間管理は、仕事のためだけじゃなくて、自分の生活のためでもあるんだね。
年齢とはほぼ関係なし、男女差もわずか
- 年齢とは、ほぼ関係がありませんでした(r=0.03)
- 男女差はごくわずかで、女性のほうがやや時間管理が得意という向きでした(r=-0.087)。研究者は「予想外に弱い」と書いています
- 性格では、誠実性(きちんとしている・計画的)と強い関係がありました(r=0.45)。ただし研究者は、これを「時間管理は生まれつきで変えられない」という意味にとらないように、と書いています。そうした見方は逆効果で、時間管理の研修で時間管理の力が高まるという研究もあるからです(研修を受けたこととの関係は r=0.17、3研究)
読むときの注意
- 集めた研究の多くは、ある時点での調査(横断研究)です。「時間管理をしている人ほど満足度が高い」という関係はわかりますが、「時間管理をしたから満足度が上がった」とまでは言い切れません
- 研究どうしの結果のばらつきも、とくに幸福感では大きくなっていました
- 研修でどんな内容を教えたのかがはっきり書かれていない研究も多い、と研究者は指摘しています

158の研究をまとめた分析では、時間管理は仕事の成果や幸福感と中くらいの関係があり、いちばん強かったのは人生の満足度でした。時間を「組み立てる」「守る」「調整する」の3つで考えてみましょう。
3つの要素で、できることから
論文の定義にそって、ふだんの生活に置きかえると、たとえばこんな形になります。
- 組み立てる:朝や寝る前に、その日のおもな予定をざっと書き出す
- 守る:時間のかかる頼まれごとを、ときには断る。大事な人と過ごす時間は、仕事の通知を切る
- 調整する:待ち時間を使う。1日の終わりに予定をふり返り、次の日に組みなおす
先延ばしについては「あとでやろう」の先延ばしぐせ、行動に移すコツは「もし〜なら、〜する」と決めておく、作業の合間の休み方は仕事の合間の10分以内の「小休憩」へ。

プレ男まずは寝る前に、明日の予定を3つだけ書いてみる。デートの日は通知オフ!

メル美夜にその日をふり返るのも、「調整する」なんだね。
まとめ
- 時間管理は「時間を組み立てる・守る・調整する」こと
- 158研究(5万3,957人)のメタ分析で、仕事の成果(r=0.26)・学業(r=0.26)・幸福感(r=0.31)と中くらいの関係、苦痛とはマイナス(r=-0.22)
- もっとも強かったのは人生の満足度(r=0.43)
- 年齢とはほぼ無関係、男女差もごくわずか。研修で身につけられる、という研究も
- 多くは横断研究で、因果関係までは言い切れない
参考文献
- Aeon B, Faber A, Panaccio A. Does time management work? A meta-analysis. PLoS One. 2021;16(1):e0245066. doi:10.1371/journal.pone.0245066. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0245066 (閲覧日:2026年10月22日)
- 同上(PubMed). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33428644/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。