幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

YōkaiNo.090

遠野物語の「猿の経立」と「御犬の経立」松脂と砂で毛皮を固め、鉄砲の弾も通らない猿。岩の上で首を押しあげるように吠える、馬の子ほどの狼。子どもをおどす「六角牛の猿の経立が来るぞ」——柳田國男『遠野物語』36〜47話を原文で読む

柳田國男の『遠野物語』(1910年)は、「猿の経立、御犬の経立は恐ろしきものなり」と語ります。御犬とは狼のこと。雨の日、二ツ石山の岩の上で吠えた御犬は、正面から見ると生まれたての馬の子ほどに見えたといいます。猿の経立は人によく似て、松脂を毛にぬって砂をつけているので、毛皮は鎧のようで鉄砲の弾も通らない。鹿笛を吹けば、鹿とまちがえて大きな口をあけて山を下りてくる。数百の狼の群れ、馬屋の下を掘って入った狼、子を殺された狼の仕返し——遠野の山のおそろしい獣の話を、青空文庫の『遠野物語』本文で1話ずつ紹介します。

2026年10月12日

目次
  1. 「恐ろしきものなり」(36話)
  2. 遠野の狼の話(37〜42話)
  3. 猿の経立(44〜47話)
  4. 山の暮らしと、おそろしい獣
  5. まとめ

プレ男「経立」って、なんて読むの?妖怪の名前?

メル美『遠野物語』に出てくる、山のおそろしい獣のことだよ。「ふったち」と読まれるの。原文を読んでみよう。

この記事は、柳田國男『遠野物語』(1910年)を、青空文庫の本文(底本:岩波文庫『遠野物語・山の人生』)で読んで紹介するものです。本文中の「」の言葉と話の番号は、青空文庫の本文によります。「経立」の読み「ふったち」は、青空文庫の本文のふりがなによります。

「恐ろしきものなり」(36話)

猿の経立、御犬の経立は恐ろしきものなり。御犬とは狼のことなり。

遠野の狼の話(37〜42話)

プレ男子どもを殺された村の馬だけをねらうなんて…。狼にも、わかってたんだ。

猿の経立(44〜47話)

松脂を毛に塗り砂をその上につけておる故、毛皮は鎧のごとく鉄砲の弾も通らず。

メル美「鉄砲の弾も通らない」って、山の人たちにとって、ほんとうにこわい存在だったんだね。

山の暮らしと、おそろしい獣

柳田國男の『遠野物語』45話は、猿の経立について、松脂を毛にぬって砂をつけているので、毛皮は鎧のようで鉄砲の弾も通らない、と語っています。

まとめ


参考文献

  1. 柳田國男. 遠野物語(底本:『遠野物語・山の人生』岩波文庫). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/card52504.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Further Reading次に読む

  1. 妖怪遠野の河童は「顔が赤い」柳田国男『遠野物語』(1910年)に残る河童の話。川岸の足あと、馬を引きこもうとして失敗した河童、くるみの木のあいだからのぞく赤い顔
  2. 妖怪山男・山女山の奥に住む、背の高い人たち。岩の上で長い黒髪をすく白い顔の女、竹やぶでいびきをかく大男と3尺の草履。笛吹峠は「必ず山男山女に出会う」とおそれられ、道が変えられた
  3. 妖怪オシラサマ娘と馬の悲しい恋から生まれた神。『遠野物語』69話では、馬の首に乗ったまま娘は天へ。桑の木で作った神像は「姉神・妹神」の3体だった