
プレ男『遠野物語』って、河童や座敷わらしのほかにも、こわい話がたくさんあるの?

メル美「山男」「山女」っていう、山の奥に住む人たちの話がいっぱいあるんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、柳田国男『遠野物語』(1910年)に出てくる山男・山女です。青空文庫の原文で読みました。『遠野物語』の目次では、山男は5・6・7・9・28・30・31・92話、山女は3・4・34・35・75話に分けられています。
3話:岩の上で黒髪をすく女
- 原文は、「山々の奥には山人住めり」と始まります
- 栃内村の、いまも70歳あまりの老人が、若いころ猟で山奥に入ると、はるかな岩の上に美しい女がひとり、長い黒髪をくしけずっていました。顔の色はきわめて白い
- 大胆な男だったので、すぐに鉄砲をうつと、女はたおれました。かけよってみると、背のとても高い女で、ほどいた黒髪は背たけよりもさらに長かったのです
- のちの証拠にと、髪を少し切って丸め、ふところに入れて帰る途中、たえがたい眠気におそわれ、物かげでうとうとします。夢とうつつのさかいのようなとき、これも背の高い男が近より、ふところに手を入れて、黒髪をとりかえして去っていきました
- 「山男なるべしといへり」

プレ男寝ているあいだに、ふところから髪を取りかえされた…こわい!
4話:笹原の上を歩く女
- 山口村のある家の主人が、山で笹を刈って束にし、かついで立ちあがろうとしたとき、笹原の上を風がふきわたるのに気づきます
- 見ると、奥の林から、赤んぼうを背おった若い女が、笹原の上をこちらへ歩いてくるのです。とてもあでやかな女で、長い黒髪をたらしていました
- 赤んぼうをむすびつけたひもは藤のつる。着物はふつうのしま模様でしたが、すそはぼろぼろにやぶれ、いろいろな木の葉でつづってありました。足は地についているとも思えません
- 女は何ごともないように近より、男のすぐ前を通って、どこかへ行ってしまいました
5話:人が通らなくなった笛吹峠
- 遠野から海岸の田ノ浜、吉利吉里へ山をこえるには、むかしから笛吹峠という山道がありました
- ところが近ごろ、この峠をこえる者は、山の中で必ず山男山女に出会うというので、みんなこわがって通る人が少なくなりました
- そこで、境木峠のほうに別の道をひらき、いまはこちらばかりを通るようになった、といいます。2里以上の遠まわりでした

メル美こわすぎて、ほんとうに道を変えちゃったんだ!
30話:竹やぶの大男と、3尺の草履
- 小国村の男が、早池峰へ竹を切りに行くと、地竹が深くしげった中に、大きな男がひとり寝ていました
- 地竹で編んだ、3尺(約90cm)ばかりの草履がぬいでありました。男はあおむけにねて、大きないびきをかいていた、と書かれています
さらわれた人たち
- 『遠野物語』には、山に入った娘が山男にさらわれ、何年もたって猟師に出会う話(6話・7話)もあります
- 7話で、さらわれた娘は、その相手のことを「自分にはふつうの人間に見えるけれど、背がとても高く、目の色が少しおそろしい」と話しています
- 31話は、「遠野郷の民家の子女にして、異人にさらはれて行く者年々多くあり。ことに女に多しとなり」と書いています

『遠野物語』5話によると、笛吹峠では山の中で必ず山男山女に出会うといわれ、人々は境木峠に別の道をひらきました。
まとめ
- 『遠野物語』は「山々の奥には山人住めり」と、山男・山女の話を伝えている
- 3話:岩の上で背たけより長い黒髪をすく白い顔の女。切りとった髪は、背の高い男に取りかえされた
- 4話:赤んぼうを背おった女が、足が地につかないように笹原を歩いてきた
- 5話:笛吹峠は「必ず山男山女に出会う」とおそれられ、境木峠に道が変えられた
- 30話:早池峰の竹やぶで、3尺の草履をぬいでいびきをかく大男
- 遠野の話はマヨイガ、天狗、オシラサマもどうぞ
参考文献
- 柳田国男. 遠野物語(初出:1910年6月14日。底本:新版 遠野物語 付・遠野物語拾遺、角川文庫、1955年). 3・4・5・6・7・30・31話、目次. 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/card52454.html (閲覧日:2026年10月5日)
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