幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

Ghost StoriesNo.091

遠野物語の神隠し梨の木の下に草履をぬいだまま消えた娘が、30年あまりのち、老いさらぼえて帰ってきた——「人々に逢いたかりし故帰りしなり」。風のさわがしい日には「きょうはサムトの婆が帰って来そうな日」(8話)。白望の山の不思議、淵の底の機織りまで、柳田國男『遠野物語』を原文で読む

柳田國男『遠野物語』(1910年)の8話は、こう語ります。黄昏に家の外に出ている女や子どもが神隠しにあうことは、ほかの国々と同じ。松崎村の寒戸の家の若い娘が、梨の木の下に草履をぬいだまま行くえ知れずになり、30年あまりがすぎたある日、親類が集まっているところへ、ひどく年老いたその女が帰ってきた。人々に会いたかったから帰ってきたのだ、と言い、また行こうと、ふたたびすがたを消した。その日は風のはげしく吹く日だった——。夜中に山があかるくなる白望の山、谷の向こうを走る女、淵の底で機を織る娘の話まで、青空文庫の本文で紹介します。

2026年10月12日

目次
  1. 寒戸の婆(8話)
  2. 年々さらわれる(31話)
  3. 白望の山の不思議(33〜35話)
  4. 淵の底の機織り(54話)
  5. まとめ

メル美「神隠し」って、人がふっと消えてしまうことだよね。『遠野物語』にも出てくるの?

プレ男消えた人が、何十年もたって帰ってくる話があるんだって…。

この記事は、柳田國男『遠野物語』(1910年)を、青空文庫の本文(底本:岩波文庫『遠野物語・山の人生』)で読んで紹介するものです。本文中の「」の言葉と話の番号は、青空文庫の本文によります。「寒戸」の読み「さむと」は、本文のふりがなによります。

寒戸の婆(8話)

黄昏に女や子供の家の外に出ている者はよく神隠しにあうことは他の国々と同じ。

されば遠野郷の人は、今でも風の騒がしき日には、きょうはサムトの婆が帰って来そうな日なりという。

プレ男「人々に逢いたかったから帰ってきた」…。こわいより、せつないね。風の強い日に思いだされるっていうのも。

年々さらわれる(31話)

白望の山の不思議(33〜35話)

淵の底の機織り(54話)

メル美亡くなったはずの娘が、淵の底で機を織っていた…。「人に言うな」って約束、昔話によく出てくるね。

柳田國男の『遠野物語』8話で、30年あまりのちに帰ってきた寒戸の娘は「人々に逢いたかりし故帰りしなり」と言い、ふたたびすがたを消しました。遠野郷の人は、風のさわがしい日には「サムトの婆が帰って来そうな日」と言う、と記されています。

まとめ


参考文献

  1. 柳田國男. 遠野物語(底本:『遠野物語・山の人生』岩波文庫). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/card52504.html (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Further Reading次に読む

  1. 怪談遠野物語の幽霊亡くなった曾祖母が通夜の炉ばたを通ると、裾にふれた丸い炭取がくるくるとまわった(22話)。大津波で亡くした妻と、霧の渚で再会した夫(99話)——柳田國男『遠野物語』を原文で読む
  2. 妖怪遠野物語の狐友だちの姿で相撲をいどみ、懐の餅を持っていった狐(94話)。鉄砲の筒にいつのまにか土をつめた狐(60話)。毎日油揚をそなえて、首をおさえられるほど狐と仲よくなった学者(21話)——柳田國男『遠野物語』を原文で読む
  3. 妖怪マヨイガ(迷い家)山奥でふと出会う、だれもいないりっぱな家。湯がわく鉄瓶、ならんだお膳。「何か持ち帰れば幸せになれる」——でも欲ばって探しに行った人たちは、門さえ見つけられなかった