幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

Ghost StoriesNo.136

泉鏡花「夜釣」殺生をきらう女房にかくれて、鰻釣りの名人・岩さんは生暖かい風の夜に出かけたきり、帰らなかった。「父さんは帰らないけれどね、鰻が居るんだよ」——台所の手桶に、子どもたちが沢庵石で蓋をしたものは

泉鏡花の短編「夜釣」(初出は1911年『新小説』、初出時の題は「鰻」)。牛込の大工の棟梁のうちに出入りする岩次は、酒も博打もやらないけれど、鰻釣りがなによりの名人。若い女房は、その殺生をひどく気にしていました。霜月の末、妙に生暖かい風の吹く晩、岩さんはそわそわと家を出たまま、夜が明けても帰りません。一日探しまわった女房が長屋へもどると、4つと5つの子どもが待っていて——。青空文庫の本文で紹介します。

2026年10月22日

目次
  1. 鰻釣りの名人・岩さん
  2. 生暖かい風の晩
  3. 帰らない夫
  4. 「鰻が居るんだよ」
  5. 手桶の中
  6. 読みどころ
  7. まとめ

プレ男夜釣りの怪談?釣りの最中におばけが出るのかな。

メル美それが、釣りの場面はひとつも出てこないの。帰りを待つ家族の話なんだよ。

今回は、泉鏡花の短編「夜釣」です。青空文庫の本文(底本:岩波書店『鏡花全集 巻十四』)で読みました。初出は『新小説』1911年(明治44年)で、初出時の題は「鰻」です。本文は旧字・旧仮名なので、「」の引用は読みやすいように新字・新仮名に改めました。

鰻釣りの名人・岩さん

生暖かい風の晩

帰らない夫

プレ男夜中にひとりで、なにかに呼ばれるみたいに…。いやな予感しかしないよ。

「鰻が居るんだよ」

手桶の中

子どもたちが「いっぱいになってのたくっている」と言った手桶の中にいたのは、たった一匹の鰻でした。鰻は頭をあげて、女房の顔をじっと見た、と物語は結ばれます。

読みどころ

まとめ


参考文献

  1. 泉鏡花. 夜釣(底本:『鏡花全集 巻十四』岩波書店). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/000050/card4575.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Further Reading次に読む

  1. 怪談岡本綺堂「鰻に呪われた男」温泉場の川で、釣りあげた鰻を生きたまま食べた男。その人と結婚した19歳の娘が、新婚旅行の宿で「生きたままで……」と口をすべらせた夜、夫は消えた。2年半後、千住の鰻屋で見つかった片眼の職人
  2. 怪談田中貢太郎「岩魚の怪」毒流しで魚をとろうとする村の男たちの前に、白い法衣の僧があらわれて「殺生はやめるが好い」。黍団子をひと息にのみくだし、谷川に口をひたして水を飲んだ僧。その夜、さばいた大岩魚の腹から出てきたものは
  3. 怪談田中貢太郎「おいてけ堀」本所七不思議のひとつ。鮒がたくさん釣れる池で、帰ろうとすると「おいてけ、おいてけ」と声がする。「狸か、狐か、口惜けりゃ出て来やがれ」と笑いとばした釣り好きの若者・金太が、逃げこんだ茶店で見たもの