幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

YōkaiNo.138

日本の妖怪稲生物怪録(いのうもののけろく)寛延2年(1749年)7月の1か月、備後の三次(みよし)の武家の家に、毎晩ちがう怪異。最後の晩にあらわれた裃(かみしも)の男は「三千世界の魔王」を名のり、木の槌を置いて雲の中へ——『三次実録物語』を原文で読む

広島県三次市を舞台にした妖怪物語《稲生物怪録》。青空文庫の『三次実録物語』(稲生武太夫の名で伝わる記録)によると、寛延2年(1749年)7月1日の夜から晦日まで、毎晩のように怪異が起こります。燃えあがる行燈の火、凍った瓶の水、目と指のある大きな石、ひとりでに座敷をはく棕櫚箒。最後の晩、浅黄小紋の裃を着た男が「三千世界の魔王」「仮名 山本太郎左衛門」と名のり、木の槌を残して去りました。三次市の資料とあわせて紹介します。

2026年10月22日

目次
  1. プロフィール(『三次実録物語』より)
  2. はじまりは、比熊山の百物語
  3. 7月1日:障子がまっ赤に、黒い大きなもの
  4. 毎晩ちがう怪異(2日〜29日のいくつか)
  5. 晦日:裃の男は「三千世界の魔王」
  6. 魔王が残した「木の槌」
  7. 三次市と《稲生物怪録》
  8. まとめ

プレ男「稲生物怪録」って聞いたことある。1か月ずっと妖怪が出つづけた家の話なんでしょ?

メル美舞台は広島県の三次なんだって。三次市には妖怪の博物館もあるみたい。

こんにちは、Dr. Taro です。 日本の妖怪、今回は稲生物怪録(いのうもののけろく)です。いくつもの本や絵巻で伝わっている物語ですが、ここでは青空文庫で読める『三次実録物語』(作者名は稲生武太夫)を原文で読みます。青空文庫の底本は『平田篤胤が解く 稲生物怪録』(角川書店、2003年)、その親本は三次市教育委員会の『妖怪 いま甦る 「稲生武太夫 妖怪絵巻」の研究』(1996年)です。

プロフィール(『三次実録物語』より)

舞台 備後の三次(いまの広島県三次市)の武家の家
いつ 寛延2年(1749年)7月1日の夜から7月晦日(みそか)まで
語り手 「われ」。この記録は稲生武太夫の名で伝わる
最後にあらわれたもの 浅黄小紋の裃(かみしも)を着て刀をさした四角四面の男。「三千世界の魔王」「仮名 山本太郎左衛門」と名のる
残していったもの 木の槌(つち)

はじまりは、比熊山の百物語

メル美「化け物はいない」って確かめて帰ってきたのに…。それが始まりなんだ。

7月1日:障子がまっ赤に、黒い大きなもの

毎晩ちがう怪異(2日〜29日のいくつか)

記録は「扨、二日夜」「扨、三日の夜」……と、一日ずつ書かれています。その中からいくつかを紹介します。

プレ男毎日こんなのが来て、ずっと家にいたの!?ぼくなら初日に逃げる…。

晦日:裃の男は「三千世界の魔王」

メル美1か月の怪異は、魔王どうしの勝負のためだったんだ。それで、最後まで怖がらなかったから魔王の負け、と。

魔王が残した「木の槌」

三次市と《稲生物怪録》

『三次実録物語』では、寛延2年(1749年)7月1日から晦日まで毎晩怪異が続き、最後の晩に裃の男が「三千世界の魔王」「仮名 山本太郎左衛門」と名のって、木の槌を残して去ります。《稲生物怪録》には本や絵巻がいくつもあり、中身はそれぞれちがいます。

まとめ


参考文献

  1. 稲生武太夫. 三次実録物語(底本:平田篤胤が解く 稲生物怪録、角川書店、2003年。底本の親本:妖怪 いま甦る 「稲生武太夫 妖怪絵巻」の研究、三次市教育委員会、1996年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/002176/card60788.html (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 三次市. 三次市重要文化財『稲生物怪録絵巻(堀田家本)』の寄附受納と特別展示について(令和6年8月22日). https://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/uploaded/attachment/23228.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 三次市. ニュースリリース 三次もののけミュージアム春の企画展と関連イベントの開催について(令和5年2月9日). https://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/uploaded/attachment/15096.pdf (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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