幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

YōkaiNo.143

日本の妖怪狸(たぬき)とムジナは同じ?ちがう?人を化かす2つの獣の名前をめぐって、柳田國男は「中部のタヌキは関東のムジナ」。ムジナには穴熊も入っていた——柳田國男「狸とムジナ」を原文で読む

人を化かす妖怪としておなじみの狸(たぬき)と、ムジナ。同じ動物なのか、ちがう動物なのか。民俗学者の柳田國男は、1948年の短い文章「狸とムジナ」で、各地の呼び名を比べました。上州では「ササムジ」と「本ムジ」、越後では「ヤチムジ」と「マミムジ」。背中に八の字・十の字の模様があるのが本物の狸で、木に登り穴を掘るのが穴熊。結論は「中部のタヌキは関東のムジナ」。青空文庫の本文で、順に読みます。

2026年10月22日

絹に墨で描かれた掛け軸。宙に浮かんだ毛のふさふさした狸が、下の水面に映る小さな影をのぞきこんでいる
河鍋暁斎「水に映る自分の姿を見る狸」19世紀後半。掛軸、絹本墨画。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
目次
  1. プロフィール(柳田國男「狸とムジナ」より)
  2. 船の上の「狸とムジナはどこがちがう?」
  3. 「ムジナならいいだろう」の裁判
  4. 関東には「タヌキ」という言葉がなかった
  5. 越後の「ヤチムジ」と「マミムジ」
  6. 「狸」の字も、じつはあやしい
  7. 化かすのは、どっち?
  8. 柳田の結論:「中部のタヌキは関東のムジナ」
  9. まとめ

プレ男のっぺらぼうの話で、正体は「ムジナ」だったよね。ムジナって、狸のこと?

メル美同じだって聞いたこともあるし、ちがうって聞いたこともある…。どっちなんだろう。

こんにちは、Dr. Taro です。 日本の妖怪、今回は人を化かす獣、狸(たぬき)とムジナです。民俗学者の柳田國男が、昭和23年(1948年)に『上毛の民俗』に書いた短い文章「狸とムジナ」(青空文庫)を、順に読んでいきます。

プロフィール(柳田國男「狸とムジナ」より)

名前 タヌキ(狸)、ムジナ、ムジ、マミなど。土地によって呼び名がちがう
本物の狸のしるし 頭から背にかけての毛の模様が、頭で「八」の字、背で「十」の字に見える(越後の話)
ムジナに入っていたもの 本物の狸と、穴熊(アナグマ)。土地によってどちらも「ムジナ」
化かす話 柳田の郷里の播州では、狸は「よく人を騙し」、ムジナも「油断のならぬ夜の獣」
柳田の結論 「中部のタヌキは関東のムジナ」

船の上の「狸とムジナはどこがちがう?」

メル美柳田先生は「ちがう」、平岩さんは「同じ」。まっぷたつだね。

「ムジナならいいだろう」の裁判

関東には「タヌキ」という言葉がなかった

越後の「ヤチムジ」と「マミムジ」

絹に墨で描かれた掛け軸。宙に浮かんだ毛のふさふさした狸が、下の水面に映る小さな影をのぞきこんでいる

河鍋暁斎「水に映る自分の姿を見る狸」19世紀後半。掛軸、絹本墨画。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)

「狸」の字も、じつはあやしい

プレ男麻布の狸穴(まみあな)って、そういうことだったのか!

化かすのは、どっち?

柳田の結論:「中部のタヌキは関東のムジナ」

柳田國男は「狸とムジナ」で、ムジナという名が土地によって狸を指したり穴熊を指したりすることを各地の例で示し、「中部のタヌキは関東のムジナ」とまとめました。

まとめ


参考文献

  1. 柳田国男. 狸とムジナ(底本:柳田國男全集 24、ちくま文庫、筑摩書房、1990年。初出:上毛の民俗、煥乎堂、1948年8月1日). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/card58036.html (閲覧日:2026年10月22日)
  2. The Metropolitan Museum of Art. Kawanabe Kyōsai, Tanuki (Racoon Dog) Viewing Its Reflection in Water, late 19th century(36.100.44、Open Access/パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/55378 (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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  1. 妖怪のっぺらぼう目も鼻も口もない顔。小泉八雲「貉(むじな)」の舞台は、東京・赤坂の紀国坂。逃げこんだ先のそば屋も「こんな顔だったかい?」——正体はムジナ
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  3. 怪談田中貢太郎「狐と狸」千年を生きた狐と狸が、少年の書生に化けて、物知りで知られる張華に議論をいどむ。「やめてくれ」と止めた墓の鳥居の神。猟犬を見ても平気な二人の正体をあばいたのは、千年の神木の火だった