幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

YōkaiNo.155

日本の妖怪鬼(おに)のうわさ応長のころ、「伊勢の国から、鬼になった女を連れて都へ来た」。昨日は西園寺、今日は院の御所の門へ——京じゅうが20日ばかり鬼見物に走りまわったのに、たしかに見た人はだれもいなかった。『徒然草』第50段

兼好法師の『徒然草』第50段には、応長(1311〜12年)のころ、京の都をゆるがした「鬼」のうわさが書かれています。伊勢の国から鬼になった女を連れて都へ来たという話に、人びとは毎日あてもなく鬼見物に出歩き、ついにはけんかでけが人まで出ました。けれど、たしかに鬼を見たという人はいません。兼好自身もその騒ぎに出くわしています。あわせて、「鬼神も道理のないことはしない」と言って蛇の塚をこわさせた大臣の話(第207段)も。佐藤春夫の現代語訳(青空文庫)で読みます。

2026年10月22日

目次
  1. プロフィール(『徒然草』第50段より)
  2. 「鬼見物」に走る都の人びと
  3. 兼好も、その騒ぎの中に
  4. 「疫病の前兆だった」
  5. もうひとつの段:「鬼神も道理のないことはしない」(第207段)
  6. この段の読みどころ
  7. まとめ

プレ男都に鬼が来た!?それ、大事件じゃない?

メル美みんな見に行ったのに、だれも見ていないんだって。いまのSNSのうわさみたい。

日本の妖怪、今回は鬼(おに)です。といっても、姿を見せる鬼ではありません。兼好法師の『徒然草』第50段に書かれた、京都の人びとが追いかけた「鬼のうわさ」です。青空文庫で読める佐藤春夫の現代語訳(初出は1937年)で、段の流れを順に見ていきます。

プロフィール(『徒然草』第50段より)

名前 鬼
いつ 応長(1311〜12年)のころ
うわさの中身 伊勢の国から、女が鬼になったのを引き連れて都へ来た
うわさの期間 およそ20日ばかり
たしかに見た人 いない

「鬼見物」に走る都の人びと

メル美「見た人はいないけど、嘘だと言う人もいない」って、うわさが広がるときの空気そのものだね。

兼好も、その騒ぎの中に

「疫病の前兆だった」

プレ男鬼はいなかったのに、あとから「やっぱり何かの前ぶれだった」って意味をつけちゃうんだ。

もうひとつの段:「鬼神も道理のないことはしない」(第207段)

『徒然草』第50段で、都の人びとは20日ばかり鬼見物に出歩きましたが、たしかに鬼を見たという人はいませんでした。騒ぎのはてにけんかでけが人が出て、あとから「疫病の前兆だった」と言う人もあらわれます。

この段の読みどころ

まとめ


参考文献

  1. 兼好法師(佐藤春夫訳). 現代語訳 徒然草 第五十段・第二百七段(底本:現代語訳 徒然草、河出文庫、河出書房新社、2004年。初出:現代語譯國文學全集 第十九卷 徒然草・方丈記、非凡閣、1937年). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/002238/card61411.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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