幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

YōkaiNo.156

日本の妖怪オサキ(尾裂・管狐)二十日鼠くらいの小さな狐で、尾の先が二つに裂けている。飼い主の目にしか見えず、夜のうちに蚕を盗む——上州・武州・信州で語られた「オサキ」を、明治の妖怪学者・井上円了の本で読む。円了が「弊害が最もはなはだしい」と書いた理由も

オサキ(管狐)は、群馬・埼玉・栃木や長野などで語られた、尾の先が裂けた小さな狐です。竹の管に入って問いに答え、飼い主にしか見えず、養蚕の時期には蚕を盗むといわれました。明治から大正にかけて妖怪を研究した井上円了は、『迷信解』(明治37年)と『おばけの正体』(大正3年)でこの言い伝えを取りあげ、蚕が消えたのは鼠のしわざだろうと説明し、こうした迷信が特定の家への偏見を生んだことを「弊害」と呼びました。青空文庫の本文で紹介します。

2026年10月22日

目次
  1. プロフィール(井上円了『迷信解』『おばけの正体』より)
  2. 竹の管の中の狐
  3. 消える蚕
  4. 「オサキの実物」
  5. 円了が「弊害」と呼んだもの
  6. この妖怪の読みどころ
  7. まとめ

メル美オサキって、聞いたことのない妖怪。狐の仲間なの?

プレ男竹の管に入る小さな狐なんだって。なんだかかわいい気もするけど…。

日本の妖怪、今回はオサキです。明治から大正にかけて妖怪を研究した井上円了の『迷信解』(明治37年)と『おばけの正体』(緒言は大正3年)で、青空文庫の本文を読みました。円了は、妖怪を信じさせるためではなく、迷信を解くためにこれらの本を書いています。

プロフィール(井上円了『迷信解』『おばけの正体』より)

名前 オサキ。管狐(くだぎつね)、白狐とも。尾の先が裂けているので「オサキ」
姿 二十日鼠くらいの、とても小さな狐。狐に似て色が白く、尾の先が裂けている
言い伝えのある地方 群馬・埼玉・栃木にとくに多く、長野・静岡などでも
すると言われたこと 竹の管に入って問いに答え、過去を言いあて未来を告げる。飼い主の目にしか見えない。蚕を盗む
同じ仲間とされたもの 出雲の人狐、四国の犬神、芸州などのトウビョウ

竹の管の中の狐

消える蚕

プレ男正体は鼠かあ。それならわかる。

「オサキの実物」

円了が「弊害」と呼んだもの

井上円了は、蚕が消えたのは鼠のしわざだろうと説明し、オサキのような迷信が、特定の家を結婚やつきあいで避ける偏見を生んだことを「弊害は最もはなはだしい」と書きました。

この妖怪の読みどころ

まとめ


参考文献

  1. 井上円了. 迷信解「第一段 緒論」「第二段 狐狸のこと 付人狐、犬神のこと」「第三段 狐惑、狐憑きのこと」. 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001021/card49373.html (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 井上円了. おばけの正体「第一一九項 白狐、蚕児を盗む」「第一二〇項 オサキの実物」. 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001021/card49355.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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