幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

YōkaiNo.157

日本の妖怪鮫人(さめびと)墨のように黒い体、鬼のような顔、エメラルドのような緑の目。竜宮を追われ、近江の瀬田の長橋にうずくまっていた「鮫人」は、海の者は本当に悲しいときしか泣けない、と言った。その涙は、紅い宝石になる——小泉八雲「鮫人の恩返し」

小泉八雲『Shadowings』(1900年)の「THE GRATITUDE OF THE SAMEBITO」に出てくる鮫人(さめびと)。近江の琵琶湖のほとりに住む男が、瀬田の長橋で見つけたのは、竜宮の八大竜王に仕えていたのに、小さなあやまちで海を追われた「鮫人」でした。男は庭の池に住まわせて世話をします。やがて男が恋の病で死にかけたとき、鮫人が流した血の涙は——。英語の原文(Project Gutenberg)から、鮫人の姿と、八雲の注を紹介します。

2026年10月22日

目次
  1. プロフィール(八雲「THE GRATITUDE OF THE SAMEBITO」より)
  2. 人魚とはちがう「鮫人」
  3. 瀬田の長橋にうずくまるもの
  4. 庭の池で
  5. 恋の病と、血の涙
  6. 「本当に悲しいときしか、泣けない」
  7. 橋の上の別れ
  8. この妖怪の読みどころ
  9. まとめ

プレ男鮫人って、人魚のこと?

メル美八雲は「西洋の人魚とはほとんど共通点がない」って書いてるよ。しかも男の人なんだって。

日本の妖怪、今回は鮫人(さめびと)です。小泉八雲の『Shadowings』(1900年)に入っている「THE GRATITUDE OF THE SAMEBITO」に出てきます。英語の原文を Project Gutenberg で読みました。題名の「鮫人の恩返し」と、本文中の「」の言葉は、英語の原文から Claude が訳したものです。

プロフィール(八雲「THE GRATITUDE OF THE SAMEBITO」より)

名前 鮫人(Samebito)。八雲の注では、同じ字は「Kojin」と読むのがふつう
姿 体は人に似ているが墨のように黒い。顔は鬼のよう、目はエメラルドのような緑、ひげは竜のよう
もとの身分 海の八大竜王(Hachi-Dai-Ryu-O)に仕え、竜宮(Ryugu)で下役をしていた
ふしぎな力 海の者が流す涙は、宝石になる
出典 八雲の注では『Kibun-Anbaiyoshi』という本

人魚とはちがう「鮫人」

瀬田の長橋にうずくまるもの

メル美見た目はこわいのに、目がやさしいから話しかけた、っていうのがいいね。

庭の池で

恋の病と、血の涙

「本当に悲しいときしか、泣けない」

鮫人は「海の者は、本当の悲しみを感じなければ泣けない」と言いました。トウタロウが死ぬと思ったときには血の涙を流しましたが、病気がなおったと聞いたあとは、泣くことができませんでした。

橋の上の別れ

この妖怪の読みどころ

まとめ


参考文献

  1. Lafcadio Hearn. Shadowings(Boston: Little, Brown, and Company. Copyright 1900). “The Gratitude of the Samebito”. Project Gutenberg. https://www.gutenberg.org/ebooks/34215 (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

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  1. 日本神話浦島子(浦島太郎のもと)『日本書紀』では、釣りあげた大きなカメが女性になり、ともに海の蓬莱山へ。『万葉集』の長歌では、海の神の娘と常世の宮で「老いもせず死にもせず」くらしたのに、「開けないで」と言われた箱を開けると白い雲がたなびき、若い肌はしわに、黒い髪は白くなった
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