
プレ男モアイって何トンもある石像でしょ?クレーンもトラックもない島で、あれを運ぶなんて無理だよ。宇宙人が運んだんじゃない?

メル美島の人たちが運んだなら、どうやったのか知りたいな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回の都市伝説は、「イースター島のモアイは宇宙人が運んだ」説です。米ビンガムトン大学の考古学者カール・リポとアリゾナ大学のテリー・ハントらの研究について、学術誌『PLOS One』の2025年の論文と、ビンガムトン大学の2025年10月7日の発表をもとにまとめました。
結論から
- リポらは、島の人たちがモアイを立てたまま、ロープで左右にゆらして「歩かせた」と考えている
- 2025年の発表では、4.35トンの複製を18人で、100メートルを40分で動かした
- 歩かせて運ぶなら、いちばん大きなモアイでも15〜50人ほどの作業の組で足りた、と研究チームは書いている
- 石切り場を3Dで調べると、作りかけのモアイが426体、作業場が30か所。いくつもの家族の集まりが、別々に作っていたと考えられる
モアイの基本
- 『PLOS One』の論文によると、イースター島(ラパ・ヌイ、チリ)には1,000体をこえるモアイがあります
- ポリネシアの人たちがこの島に住みはじめたのは13世紀。モアイは、13〜17世紀に島の人たちが彫り、島のあちこちへ運び、「アフ」と呼ばれる石の台の上に立てました
- モアイの95%以上は、火山のラノ・ララク(伝統的な名前はマウンガ・エオ)の石切り場で、火山の凝灰岩から彫られました。そこには、いまも作りかけのモアイが何百体も残っています
「歩かせた」とは?
- ビンガムトン大学の発表によると、リポらは以前から、モアイを横にねかせて木の道具で引くのではなく、立てたまま、ゆらすように動かして石切り場から台まで「歩かせた」ことを、実験で示してきました
- 2025年の研究では、1,000体近いモアイを調べ、3Dモデルを作りました。モアイの形からは、幅の広いD字形の底と前のめりの形という特徴が見つかり、ゆらして歩かせるのに向いていた、といいます
- 発表の図の説明では、モアイを前に5〜15度かたむけたまま、左右からかわるがわるロープを引いて、ジグザグに進ませます
- この形をまねた4.35トンの複製を作って試すと、18人で100メートルを40分で動かせました
- 「いったん動きだせば、まったく大変じゃない。片手で引いているくらいだ。いちばん大変なのは、最初にゆらしはじめるところ」とリポは話しています

プレ男4トン以上の石像を、18人で!しかも歩かせるなんて、すごい発想だね。
- 島に残るモアイの道も手がかりです。道の幅は4.5メートルで、まん中がくぼんだ形。歩かせるときにモアイを安定させるのにちょうどよい、と発表は説明しています
- リポによると、道は何本も重なったり、平行に走ったりしている。モアイを運ぶたびに、道を作りながら進んだのではないか、と考えています
石切り場の3D地図からわかったこと
- 2025年の『PLOS One』の論文で、リポらはドローンで撮った1万1千枚以上の写真から、ラノ・ララクの石切り場のはじめての全体の3Dモデルを作りました
- 見つかったのは、作りかけのモアイ426体、彫るためのみぞ341か所、モアイを切り出したあと133か所、そして斜面でモアイを下ろすときのロープをかけたとみられる柱のような岩5か所など
- 作業場は、30か所に分かれていました。それぞれに同じような作業のあとがあり、彫り方も少しずつちがう
- 論文は、モアイ作りは島全体を支配する王が命じて行ったというより、家族のつながりをもとにした小さな集まりが、別々に、同じ時期に作っていた、と結論しています。1体を彫るのは4〜6人、道具やロープ作り、食事などで支える人が10〜20人ほどだったのではないか、と見積もっています
- モアイの頭にのせる赤い石の「プカオ(帽子)」も、いちばん大きなものでも15人ほどで据えられた、という研究が論文に引用されています

メル美宇宙人じゃなくて、島のいくつもの家族が、それぞれ知恵を出しあって作ってたんだね。
マジレス:「宇宙人説」より、島の人たちの知恵
- リポは、ラパ・ヌイは「証拠のまったくない、とっぴな説で知られる島」だと話し、この研究は説を実際にためした例だと述べています
- そして、この研究は、限られた資源で大きな土木の仕事をなしとげたラパ・ヌイの人たちをたたえるものでもある、と話しています
- 「宇宙人が運んだ」と言うと、実際に石を彫り、道を作り、ロープで歩かせた人たちの知恵と工夫が見えなくなってしまいます

モアイは、立てたままロープで左右にゆらして「歩かせた」と考えられています。4.35トンの複製は18人で100メートルを40分で動きました。石切り場には30か所の作業場があり、島の人たちがそれぞれ作っていたと考えられています。
まとめ
- イースター島(ラパ・ヌイ)には1,000体をこえるモアイ。95%以上がラノ・ララクの石切り場で彫られた
- リポとハントらは、モアイを立てたままロープでゆらして歩かせたと考え、4.35トンの複製を18人で100メートル、40分で動かした
- D字形の底・前のめりの形・くぼんだ道が、歩かせる運び方と合っている
- 石切り場には作りかけのモアイ426体、30か所の作業場。小さな家族の集まりが、別々に作っていたと考えられる
- 古代の遺跡の宇宙人説はピラミッドは宇宙人が作った?、オーパーツは水晶どくろ、「顔」に見える岩は火星の人面岩もどうぞ
参考文献
- Lipo CP, Hunt TL, Pakarati G, et al. Megalithic statue (moai) production on Rapa Nui (Easter Island, Chile). PLOS One. 2025;20(11):e0336251. doi:10.1371/journal.pone.0336251. https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0336251 (閲覧日:2026年10月22日)
- Brhel J. Easter Island’s statues actually ‘walked’ – and physics backs it up. Binghamton University News. 2025年10月7日. https://www.binghamton.edu/news/story/5830/easter-islands-statues-actually-walked-and-physics-backs-it-up (閲覧日:2026年10月22日)
- Lipo CP, Hunt TL. The walking moai hypothesis: Archaeological evidence, experimental validation, and response to critics. Journal of Archaeological Science. 2025;183:106383. doi:10.1016/j.jas.2025.106383. https://doi.org/10.1016/j.jas.2025.106383 (閲覧日:2026年10月22日。本文は読めていないため、内容は文献2による)
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