幽々奇譚A Nocturnal Field Guide

YōkaiNo.183

日本の妖怪ガゴとモウコおばけは何と鳴く?東京の子は「オーバーケー」、東北や北陸では牛のように「モー」、九州や四国では「ガゴ」「ガンゴ」。柳田國男は、もとは「かもう(噛もう)」と名のって出てきたのでは、と考えた

日本各地で、子どもをおどかす「おばけ」は、地方ごとにちがう名前で呼ばれてきました。柳田國男は随筆「おばけの声」(昭和6年)で、仲間の青年たちと「ばけ物は何と鳴くか」を比べ、東北・北陸などではモウ・モッコ・モモッコ、九州・四国・近畿ではガゴ・ガンゴ・ガゴジ、その両方がまじったガモ・ガガモがあることを示しました。そして、おばけはもともと「かもう」と名のって現れたのではないか、と考えています。青空文庫の本文で紹介します。

2026年10月22日

目次
  1. プロフィール(柳田國男「おばけの声」より)
  2. 「ばけ物は何と鳴くか」
  3. 「モー」の系統:モッコ、モモッコ、モンモ
  4. 「ガゴ」の系統:ガンゴ、ガゴジ
  5. 3つめの系統と、柳田の答え:「かもう」
  6. この妖怪の読みどころ
  7. まとめ

プレ男子どもをおどかすとき、両手をこうやって「おばけだぞ〜」って言うよね。

メル美地方によっては「モー」とか「ガゴ」って言ったんだって。柳田國男が調べてるよ。

日本の妖怪、今回は、名前そのものが妖怪になったガゴとモウコです。民俗学者・柳田國男の随筆「おばけの声」(初出は昭和6年『家庭朝日』)を、青空文庫の本文(底本は講談社学術文庫『妖怪談義』)で読みました。

プロフィール(柳田國男「おばけの声」より)

名前 おばけの地方名。モー・モッコの系統、ガゴ・ガンゴの系統、両方がまじったガモ・ガガモの系統
姿 決まった姿はない。子どもをこわがらせる「ばけ物」そのもの
鳴き声 東京の子は「オーバーケー」、関東の近県から奥羽・北陸では牛のように「モー」
柳田の見立て もとは「かもう」と名のって現れたのが、名前のようになったのでは

「ばけ物は何と鳴くか」

プレ男おばけが「モー」!?牛じゃん!

「モー」の系統:モッコ、モモッコ、モンモ

「ガゴ」の系統:ガンゴ、ガゴジ

3つめの系統と、柳田の答え:「かもう」

柳田國男は、各地の「おばけ」の呼び名を比べ、モーの系統、ガゴの系統、その両方がまじったガモの系統に分けました。そして、ガモのような形が古く、おばけはもともと「かもう」と名のって現れたのではないか、と考えています。

この妖怪の読みどころ

まとめ


参考文献

  1. 柳田國男. おばけの声(初出『家庭朝日』第1巻第6号、昭和6年8月。底本は『妖怪談義』講談社学術文庫). 青空文庫. https://www.aozora.gr.jp/cards/001566/card60320.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Further Reading次に読む

  1. 妖怪狸(たぬき)とムジナは同じ?ちがう?人を化かす2つの獣の名前をめぐって、柳田國男は「中部のタヌキは関東のムジナ」。ムジナには穴熊も入っていた——柳田國男「狸とムジナ」を原文で読む
  2. 妖怪座敷わらし住む家は栄え、出ていくと家がかたむく。『遠野物語』では「12、3歳くらいの子どもの姿をした神」。紙のがさがさ、鼻を鳴らす音
  3. 妖怪ヤマハハ(山姥)留守番の娘の家に「開けろ、開けないなら蹴やぶるぞ」。柴の束、萱の束、沼にうつった影、そして木の唐櫃——逃げる娘と追うヤマハハの昔話。柳田國男は『山の人生』で「山姥を妖怪なりとも考えがたきこと」と書いた