
メル美来月から職場に戻る先輩が、「母乳は続けたいけど、仕事しながらできるのかな」って悩んでるの。

プレ男授乳のための時間って、法律で決まってたりするのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、仕事に戻っても授乳を続けたいときの話です。労働基準法(e-Gov法令検索)と、英国の公的医療機関NHSのウェールズ版「NHS 111 Wales」の「Going back to work」(2023年6月更新)をもとにまとめました。仕事に戻っても、授乳をやめなければいけないわけではありません。
法律で決まっていること(日本)
育児時間(労働基準法第67条)
生後満一年に達しない生児を育てる女性は、第三十四条の休憩時間のほか、一日二回各々少なくとも三十分、その生児を育てるための時間を請求することができる。
- 1歳未満の子どもを育てる女性は、休憩時間とは別に、1日2回、それぞれ少なくとも30分の「育児時間」を請求できます
- 会社は、育児時間中は働かせてはいけないことになっています
- 授乳のために保育先に行く、職場で搾乳するなどに使うことが考えられます
(更新)厚生労働省の「働く女性の心とからだの応援サイト」(育児中の女性労働者への配慮)で確認しました。育児時間の「生児」には実子のほか養子もふくまれ、育児時間をいつ与えるかは当事者間(本人と会社)にまかされているとされています。また、変形労働時間制で1日の所定労働時間が8時間を超える場合は、状況に応じて法定以上の育児時間を与えることが望ましいとされています。まとめて1回にする運用や、有給か無給かの扱いは、このページでは確認できませんでした
残業・休日出勤・深夜業(労働基準法第66条)
- 妊娠中の女性と、産後1年を経過しない女性(妊産婦)が請求した場合、会社は、
- 1日・1週間の法定労働時間をこえて働かせてはいけない
- 時間外労働・休日労働をさせてはいけない
- 深夜業をさせてはいけない ことになっています
体に負担のかかる仕事(労働基準法第64条の3)
- 会社は、妊産婦を、重いものを扱う仕事や、有害なガスが出る場所での仕事など、妊娠・出産・哺育(授乳など)に有害な仕事につかせてはいけないことになっています

授乳を続けるか、どのくらい続けるかは、あなたが決めてよいことです。職場に戻る前に、上司や人事と相談しておくと、搾乳の場所や時間を準備してもらいやすくなります。
妊娠中の働き方については、妊娠中の働き方と法律の記事も見てください。
仕事と授乳を両立する方法
NHS 111 Walesは、次のような方法を紹介しています。
- 職場や学校の近くの保育先を選んで、休憩中や仕事の前後に授乳する。仕事のあとの夕方の授乳は、赤ちゃんとゆっくり過ごす時間にもなります
- 母乳をしぼって(搾乳して)、仕事の間はほかの人に飲ませてもらう(母乳のしぼり方と保存)
- 授乳に合わせた勤務時間を職場に相談する
- 母乳とミルクを組み合わせて、勤務時間に合わせる

プレ男全部母乳か、全部ミルクか、じゃなくて、組み合わせてもいいんだね。
準備しておくこと
NHS 111 Walesによると、
- 早めに考えておく。職場に戻る前に、授乳を続けていることを職場に伝えておくと、搾乳や授乳ができる個室を探すなどの準備をしてもらいやすくなります
- しぼった母乳には、ラベルと日付をつけて冷蔵庫や冷凍庫に入れる(どれから使えばいいか、保育する人にもわかるように)
- 仕事に戻る前に、保育先でためしに預けてみる
- しぼってから5日以内に使う母乳なら、冷凍より冷蔵のほうがよいとされています
職場ができること
NHS 111 Walesは、職場ができることとして、次のようなことを挙げています。
- 搾乳のための休憩を認める
- 清潔で、暖かく、人に見られない部屋を用意する(トイレは搾乳する場所に向きません)
- しぼった母乳を保存できる、清潔な冷蔵庫
- 授乳中の人のための柔軟な勤務時間
まとめ
- 1歳未満の子を育てる人は、1日2回・各30分以上の育児時間を請求できる(労働基準法第67条)
- 産後1年までは、請求すれば残業・休日出勤・深夜業をしなくてよい(第66条)
- 職場の近くで授乳、搾乳、勤務時間の調整、ミルクとの組み合わせなど、方法はいろいろ
- 戻る前に職場と相談。搾乳の場所や冷蔵庫を
- トイレは搾乳する場所に向かない
参考文献
- 労働基準法(昭和22年法律第49号)第64条の3、第66条、第67条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 (閲覧日:2026年10月10日)
- NHS 111 Wales. Going back to work(Last Updated: 27/06/2023、nhs.ukの内容をNHS Walesが改変). https://111.wales.nhs.uk/livewell/pregnancy/breastfeedingbacktowork/ (閲覧日:2026年10月10日)
- 厚生労働省. 働く女性の心とからだの応援サイト:育児中の女性労働者への配慮. https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/gimu/hairyo.html (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。