
プレ男がんの治療中や治療のあと、セックスってしていいのかな。聞きにくいよね。

メル美本人もパートナーも、どうしたらいいか迷いそう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、がんの治療と性生活の話です。国立がん研究センターのがん情報サービス「がんやがんの治療による性生活への影響」(がんと診断された男性へ・女性へ・パートナーの方へ、2021年4月)をもとにまとめました。
性生活への影響は、がんの種類、治療の種類、薬の量、治療の期間、治療を受けたときの年齢、治療が終わってからの期間などによってちがい、一時的な場合も、長く続く場合もあります。
手術
がん情報サービスによると、
- 男性:陰茎がん、前立腺がん、精巣腫瘍などの生殖器のがんや、直腸がん・膀胱がんなどの骨盤の中の臓器のがんの手術では、勃起や射精にかかわる神経が傷つき、勃起や射精がむずかしくなることがあります。両側の精巣をとると、男性ホルモンがへり、性欲や勃起などに影響することがあります
- 女性:子宮がん・卵巣がんなどの生殖器のがんや、骨盤の中の臓器のがんの手術では、子宮や腟の一部をとったり、性の働きにかかわる神経が傷ついたりして、性生活に影響することがあります。閉経前に両側の卵巣をとると、女性ホルモンがへって腟のうるおいが下がり、セックスのときに痛みを感じることがあります
- ストーマ(人工肛門など)、乳房の切除、顔のがんの治療など、体の働きや見た目の変化が性生活に影響することもあります
- 手術のあとのセックスは、手術した部分の出血や感染の危険を高めることがあるので、再開の時期は担当医に相談します
放射線治療
- 男性:前立腺・膀胱・直腸など骨盤の中に放射線をあてると、勃起を保つことがむずかしくなったり、男性ホルモンがへって性生活に気持ちが向かなくなったりすることがあります
- 女性:骨盤の中に放射線をあてると、女性ホルモンがへって腟の粘膜が乾燥したり、弾力が下がったり、腟がせまくなったりして、セックスのときに不快感や痛みを感じることが多くなります
- 放射線があたった皮膚が、かたくなったり、乾燥したり、ふれたときの感じが変わったりすることもあります
抗がん剤などの薬物療法
- 一部の薬は、精巣や卵巣の働きに影響し、性生活に気持ちが向かなくなったり、腟が乾燥して痛みが出たりすることがあります
- 薬物療法中やそのあとは、精液や腟分泌物に薬の成分がふくまれることがあります。しばらくのあいだは、パートナーが薬の影響を受けないよう、コンドームを使うなどの対応が必要なことがあります
- 白血球や血小板がへる時期は、感染や出血が起こりやすいのでセックスを避けます。数が回復したら、再開できます

抗がん剤の治療中やそのあとしばらくは、精液や腟分泌物に薬の成分がふくまれることがあり、コンドームを使うなどの対応が必要なことがあります。再開の時期は担当医に確かめましょう。
痛みがあるとき(女性)
がん情報サービスによると、
- セックスに痛みがあるときは、がまんせずにパートナーに伝え、痛くないふれ方も伝えてみます
- 前戯の時間を長くする、水溶性の潤滑ゼリーを使う、体位をくふうする、腟に力を入れずリラックスすることで、痛みが軽くなることがあります
- 痛みがある、挿入できないときは担当医に相談します。がんの種類や治療によっては、ホルモン補充療法や、腟の癒着を防ぐ器具(腟ダイレーター)を使えることもあります
- セックスで出血したとき、少量ですぐ止まれば様子を見てよいですが、量が多い・止まらないときは担当医に相談します
勃起がむずかしいとき(男性)
がん情報サービスによると、勃起障害を治療したいときも、担当医や看護師に相談できます。勃起は心理的な影響を大きく受けるといわれ、「うまくできないのでは」というこわさが影響している場合は、心のケアでよくなることもあります。
パートナーとして
がん情報サービスは、パートナーに向けて、
- 相手への思いや今の気持ちを、すなおに伝えあってみること。手紙やメールで伝えるのもよいとしています
- 手をつなぐ、やさしく抱き合う、背中や手足をマッサージするなどでも、愛情を感じられることがあります
- 手術の傷あとなど体の変化を受け入れるまでには、本人もパートナーも時間がかかることがあり、無理せず、あせらないことも大切です

プレ男あせらずに、気持ちを伝えあうことから始めればいいんだね。
相談先
がん情報サービスによると、治療中や治療の直後にセックスをしてもよいか、いつ再開してよいかは、体の状態をよく知る担当医に確かめます。直接聞きにくいときは、看護師を通じて聞いてもかまいません。全国のがん診療連携拠点病院などにあるがん相談支援センターは、本人もパートナーも利用でき、必要に応じて専門職を紹介してもらったり、患者会などの情報をもらえたりします。
子宮頸がんの治療のあとは子宮頸がんの治療のあと、性交の痛みはセックスのときに痛い(性交痛)、治療前の妊孕性温存はがん治療の前に知っておきたい「妊孕性温存」を見てください。
まとめ
- 手術・放射線・薬物療法で、勃起や射精、腟の乾燥や痛みなどが起こることがある
- 抗がん剤の治療中やそのあとしばらくは、コンドームなどの対応が必要なことも
- 白血球や血小板が少ない時期はセックスを避ける
- 再開の時期は担当医に。悩みはがん相談支援センターにも
- パートナーとは、あせらず気持ちを伝えあう
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス. がんやがんの治療による性生活への影響 がんと診断された男性へ(2021年4月21日更新). https://ganjoho.jp/public/dia_tre/sexual_health_issues/sexual_health_issues_02.html (閲覧日:2026年10月12日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. がんやがんの治療による性生活への影響 がんと診断された女性へ(2021年4月21日更新). https://ganjoho.jp/public/dia_tre/sexual_health_issues/sexual_health_issues_03.html (閲覧日:2026年10月12日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. がんやがんの治療による性生活への影響 パートナーの方へ(2021年4月28日更新). https://ganjoho.jp/public/dia_tre/sexual_health_issues/sexual_health_issues_04.html (閲覧日:2026年10月12日)
- 国立がん研究センター がん情報サービス. 胚細胞腫瘍〈成人〉「2.相談先・病院を探す」(がん相談支援センターの案内、2026年3月13日更新). https://ganjoho.jp/public/cancer/germ_cell_tumor/index.html (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。