
メル美知り合いが腎臓の病気で通院していて、「妊娠しても大丈夫かな」って悩んでるの。

プレ男腎臓の病気があると、妊娠にどんな影響があるんだろう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、腎臓の病気(慢性腎臓病、CKD)があって妊娠を考えたときの話です。日本産婦人科医会の研修ノート「No111 合併症妊娠」の「慢性腎臓病(CKD)」(医師向け、日本腎臓学会のガイドラインなどをもとにした解説)をもとにまとめました。
慢性腎臓病(CKD)とは
研修ノートによると、CKDは、尿の異常や画像・血液などの検査で腎臓の障害がある(たんぱく尿など)、または腎臓の働き(GFR)が60未満のどちらか、または両方が3か月以上続くものとされています。慢性腎炎、ネフローゼ症候群、SLE(全身性エリテマトーデス)、糖尿病による腎臓病、透析中、腎移植後などがふくまれます。
健診で腎臓の値を指摘されたときのことは、健診で「尿たんぱく陽性」「eGFRが低い」と言われたらを見てください。
腎臓の働きが下がっているほどリスクが高い
研修ノートによると、
- 妊娠中のリスクは、CKDの重症度をもとに評価します。腎臓の働きが下がっているほど、妊娠の合併症のリスクが高く、腎臓の働きがさらに下がったり、透析が必要になったりする可能性があります
- CKDのある妊婦さんは、ない妊婦さんにくらべて、帝王切開が3倍、早産が9倍、NICU(新生児集中治療室)への入院が16倍多かったという報告があります

腎臓の病気があるときは、腎臓の働きの程度で妊娠のリスクが変わります。妊娠を考えはじめたら、腎臓の主治医と産婦人科の両方に相談してください。
透析を受けている人
研修ノートによると、
- 透析を受けている人の妊娠・出産が成功する例はふえる傾向にありますが、見通しはよいとはいえないとされています
- 血液透析を受けている妊婦さん205人の報告では、赤ちゃんが元気に生まれた割合は69%でした
腎移植を受けた人
研修ノートによると、
- 腎移植を受けた人の妊娠の報告(3,570人・4,706回の妊娠)では、赤ちゃんの生存率は74%、早産が46%、帝王切開が57%でした
- 腎臓の働きが安定している人では、移植から1年以上たてば、妊娠は比較的安全といえるとされています
- 妊娠中は、血圧を厳しく管理し、免疫をおさえる薬の血液中の濃度をこまめに調べます

プレ男腎移植のあとでも、腎臓が安定して1年以上たてば、妊娠は比較的安全なんだね。
もともと高血圧がある人の妊娠についてはもともと高血圧の人の妊娠、膠原病がある人は膠原病があって妊娠を考えたらを見てください。
まとめ
- CKDは、腎臓の障害や働きの低下が3か月以上続くもの
- 腎臓の働きが下がっているほど、妊娠の合併症や腎臓の悪化のリスクが高い
- CKDのある妊婦さんは、早産9倍、NICU入院16倍という報告
- 透析中の妊娠は、見通しがよいとはいえない
- 腎移植のあとは、安定して1年以上たてば比較的安全。妊娠前に主治医と産婦人科に相談
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 研修ノート No111 合併症妊娠「4.慢性腎臓病(CKD)」((1)慢性腎臓病(CKD)、(2)CKD重症度分類と妊娠中合併症リスク、(9)腎透析患者、(10)腎移植患者). https://www.jaog.or.jp/notes/note20015/ (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。