
プレ男魚が鳥になるって、どういうこと!?

メル美中国の『荘子』の、いちばん最初に出てくる話なんだって。大きさが何千里もある魚と鳥よ。
こんにちは、Dr. Taro です。 幻獣の解説、今回は中国の鯤(こん)と鵬(ほう)です。思想書『荘子』の最初の篇「逍遥遊(しょうようゆう)」の原文(ウィキソース)を読みました。中国の空の鳥としては鳳凰もどうぞ。中国神話の全体は中国神話の入門へ。
プロフィール
| 鯤 | 北の暗い海(北冥)にすむ魚。大きさは何千里あるかわからない |
| 鵬 | 鯤が鳥に変わったもの。背中も何千里あるかわからない |
| つばさ | 「空にたれこめる雲のよう」 |
| のぼる高さ | つむじ風にのって9万里 |
| 行き先 | 南の暗い海(南冥)。「天の池」 |
| 笑った者 | セミと小バト、ウズラのなかま(斥鴳) |
1. 北の海の魚、空の鳥
- 「北冥(ほくめい)に魚あり、その名を鯤という。鯤の大きさは、何千里あるかわからない」
- 「変わって鳥となり、その名を鵬という。鵬の背中は、何千里あるかわからない。ふるいたって飛べば、そのつばさは空にたれこめる雲のようだ」
- この鳥は、「海運(かいうん)」のとき、南冥(なんめい)へうつろうとします。南冥とは、「天の池」のことです

メル美つばさが雲みたいに空をおおうって…。下から見たら、空がまっくらになりそう!
2. 9万里の空へ
- 『荘子』は、ふしぎなことを記した『斉諧(せいかい)』という本のことばを引いています。「鵬が南冥へうつるとき、水を打つこと3千里、つむじ風にのってのぼること9万里。六月の息(そく)をもって去る者なり」
- 荘子は、そのわけを説明します。「水が深くなければ、大きな船をうかべる力がない。床のくぼみに杯の水をこぼせば、草の葉は船になるが、杯をおけば底についてしまう。水が浅くて船が大きいからだ」
- 「風が厚くつもっていなければ、大きなつばさをささえる力がない。だから9万里の高さまでのぼれば、風は下にある。そうしてはじめて、風にのり、青い空をせおって、さまたげるものもなく、南をめざせるのだ」
3. 笑ったセミと小バト
- それを見たセミと小バトは笑いました。「わたしたちは、いきおいよく飛びたっても、ニレやマユミの木にとまるのがせいぜい。とどかなければ地面に落ちるだけだ。どうして9万里ものぼって南へ行く必要があるのか」
- 荘子は言います。「近くの野原へ行く人は、3度の食事で帰ってきても、おなかはまだいっぱいだ。百里の旅には、前の晩に米をつき、千里の旅には、3か月かけて食料を集める。この2匹の虫に、何がわかろう」
- 「小さな知恵は大きな知恵におよばず、短い命は長い命におよばない」。朝に生えて夜にかれるキノコは、ひと月を知らず、夏のセミは、春と秋を知らない、とも語ります

プレ男自分が知らないことを、すぐ笑っちゃいけないってことかな。ちょっとドキッとする…。
4. もうひとつの語り
- 同じ篇には、殷の湯王が棘(きょく)にたずねた話として、もう一度、鯤と鵬が出てきます。「草木の生えない北の果てに、冥海という天の池がある。そこに、はばが何千里もあり、長さを知る者のない魚がいて、その名を鯤という。鳥がいて、その名を鵬という。背中は泰山のようで、つばさは空にたれこめる雲のようだ」
- 鵬は、つむじ風にのって9万里のぼり、雲をつきぬけて青い空をせおい、南冥へむかいます。それを見た斥鴳(せきあん)という小さな鳥は笑いました。「わたしは、とびあがっても数仞(じん)ほどで下におり、ヨモギのしげみを飛びまわる。これも飛ぶことのきわみだ。あれは、いったいどこへ行くのか」
- 荘子は、これを「小と大のちがい」とよんでいます

『荘子』では、鵬はつむじ風にのって9万里のぼり、南冥へむかいます。笑ったセミと小バトについて、荘子は「小さな知恵は大きな知恵におよばない」と語っています。
まとめ
- 鯤は、北の暗い海にすむ、大きさが何千里あるかわからない魚
- 鯤が鳥になると鵬。つばさは空にたれこめる雲のよう
- 鵬は、つむじ風にのって9万里の高さまでのぼり、南の海(天の池)へうつる
- 笑ったセミや小さな鳥について、荘子は「小さな知恵は大きな知恵におよばない」と語った
- 『列子』にも鯤と鵬が出てくる五つの神山と巨大なカメ、中国の聖なる鳥鳳凰、1本足の幻獣夔、中国神話の入門もどうぞ
参考文献
- 『莊子』逍遙遊第一. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/莊子/逍遙遊 (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



