
プレ男鳳凰って、1万円札のうらにいる鳥だよね! フェニックスと同じ?

メル美中国の古い本では、ちょっとちがう鳥みたい。体に5つの文字のもようがあるんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 幻獣の解説、今回は中国の鳳凰(ほうおう)です。『山海経(せんがいきょう)』南山経、『論語』子罕篇・微子篇、『礼記』礼運篇の原文(ウィキソース)を読みました。中国神話の全体は中国神話の入門へ。

「竜と鳳凰とボタンの壁かけ」16世紀、中国・明。絹と金属糸のつづれ織り(緙絲)。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
プロフィール
| 名前 | 鳳皇(『山海経』)、鳳鳥(『論語』)、鳳(『礼記』) |
| すみか | 丹穴(たんけつ)の山。金や玉が多く、丹水が流れる(『山海経』) |
| すがた | ニワトリに似て、五色のもようがある |
| もよう | 頭に「徳」、翼に「義」、背に「礼」、胸に「仁」、腹に「信」 |
| あらわれると | 「天下が安らかになる」 |
| なかま | 麟・鳳・亀・竜の「四霊」(『礼記』) |
1. 丹穴の山の五色の鳥
『山海経』南山経(南次三経)です。
- 「さらに東へ500里、丹穴の山という。山の上には金と玉が多い。丹水がここから出て、南へ流れて渤海にそそぐ」
- 「ここに鳥がいる。すがたはニワトリのようで、五色のもようがある。名を鳳皇という」
- 「頭のもようは『徳』、翼のもようは『義』、背のもようは『礼』、胸のもようは『仁』、腹のもようは『信』という文字になっている」
- 「この鳥は、自然のままに飲み食いし、みずから歌い、みずから舞う。この鳥があらわれると、天下は安らかになる」
- 郭璞の注は、「漢の時代には鳳鳥がたびたびあらわれ、高さは5〜6尺、五色だった」と書きそえています

メル美「みずから歌い、みずから舞う」って、すてきな鳥だね。
2. 四霊のひとつ
- 『礼記』礼運篇は、「麟・鳳・亀・竜を四霊という」と書き、「鳳をやしなえば、鳥たちはおどろかない」と説明しています(くわしくは麒麟)
3. 「鳳鳥が来ない」
『論語』子罕篇です。
- 孔子は言いました。「鳳鳥は来ず、黄河から図も出てこない。わたしは、もうおしまいだ」
- 鳳凰があらわれるのは、天下がおさまるしるし。それが来ないことを、孔子は、自分の理想がかなわないことにかさねてなげいたのです

プレ男麒麟のときも、鳳凰のときも、孔子はなげいているんだね…。
4. 「鳳よ、鳳よ」
『論語』微子篇です。
- 楚の国の「狂人」とよばれた接輿(せつよ)が、歌いながら孔子のそばを通りすぎました
- 「鳳よ、鳳よ。なんと徳のおとろえたことか。すぎたことは、いさめようがない。これからのことは、まだまにあう。やめなさい、やめなさい。いま政治にたずさわる者は、あぶないぞ」
- 接輿は、孔子を「鳳」にたとえて、乱れた世で政治にかかわろうとする孔子に、身を引くようすすめたのです。孔子は車をおりて話しかけようとしましたが、接輿は足早にさってしまいました

『山海経』の鳳凰は、自然のままに飲み食いし、みずから歌い、みずから舞う鳥で、この鳥があらわれると天下は安らかになるといわれます。
まとめ
- 鳳凰は、ニワトリに似た五色の、めでたい鳥
- 体には「徳・義・礼・仁・信」の文字のもようがある
- 自然のままに飲み食いし、みずから歌い、みずから舞う
- あらわれると、天下が安らかになる
- 孔子は「鳳鳥が来ない」となげき、接輿は孔子を「鳳」にたとえた
- めでたい鳥と反対に、むさぼる者の名になった饕餮、同じ四霊の麒麟、西洋の不死鳥フェニックス、『荘子』の大きな鳥鯤と鵬、中国神話の入門もどうぞ
参考文献
- 『山海經』南山經(南次三經、丹穴之山)と郭璞注. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/山海經/南山經 (閲覧日:2026年10月10日)
- 『論語』子罕第九; 微子第十八. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/論語/子罕第九 , https://zh.wikisource.org/wiki/論語/微子第十八 (閲覧日:2026年10月10日)
- 『禮記』禮運. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/禮記/禮運 (閲覧日:2026年10月10日)
- メトロポリタン美術館. Panel with dragon, phoenix, and peonies, China, Ming dynasty, 16th century(32.111.1、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/62892 (閲覧日:2026年10月10日)
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