世界の神話Mythos

Bestiary

饕餮(とうてつ)食べものと財宝をむさぼり、いくらあつめても満足しない「四凶」のひとり。舜は四凶を国のはてへ追いはらった。周の鼎(かなえ)には、頭だけで体のない饕餮がほられていた。人を食べてのみこむ前に、その害が自分の身にかえってくる、というしるしだった

2026年10月10日

緑色にさびた四角い青銅のなべ。4本の太い脚と2つの取っ手があり、側面に大きな目のある顔のようなもようがほられている
「方鼎(四角い鼎)」紀元前12〜11世紀、中国・殷(商)。青銅。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
目次
  1. プロフィール
  2. 1. むさぼりつづける者
  3. 2. 四凶
  4. 3. 周の鼎の饕餮
  5. まとめ

プレ男饕餮って、むずかしい漢字! 読めない…。

メル美「とうてつ」って読むんだって。もとは、なんでもむさぼる悪い人のよび名なの。

こんにちは、Dr. Taro です。 幻獣の解説、今回は中国の饕餮(とうてつ)です。『春秋左氏伝』文公18年と、『呂氏春秋』先識覧の原文(ウィキソース)を読みました。中国神話の全体は中国神話の入門へ。

緑色にさびた四角い青銅のなべ。4本の太い脚と2つの取っ手があり、側面に大きな目のある顔のようなもようがほられている

「方鼎(四角い鼎)」紀元前12〜11世紀、中国・殷(商)。青銅。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)

プロフィール

よび名 饕餮
もとは 縉雲氏(しんうんし)の不才の子(『春秋左氏伝』)
性質 飲み食いをむさぼり、財宝をむさぼり、いくらあつめても満足しない
なかま 渾敦・窮奇・檮杌とあわせて「四凶」
すがた(『呂氏春秋』) 周の鼎にほられた、頭だけで体のない姿

1. むさぼりつづける者

『春秋左氏伝』文公18年です。魯の大夫が、むかしの帝王たちの話をしています。

メル美こまっている人を気にかけないで、ひとりじめする…。それが「饕餮」なんだ。

2. 四凶

3. 周の鼎の饕餮

『呂氏春秋』先識覧(先識)です。

プレ男体がないから、食べても飲みこめない…。「むさぼると、自分にかえってくるよ」っていう教えなんだね。

『呂氏春秋』では、周の鼎の饕餮は頭だけで体がなく、人を食べてのみこまないうちに害が自分の身におよぶ、むくいのしるしだと説明されています。

まとめ


参考文献

  1. 『春秋左氏傳』文公十八年. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/春秋左氏傳/文公 (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 『呂氏春秋』卷十六 先識覽「先識」. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/呂氏春秋/卷十六 (閲覧日:2026年10月10日)
  3. メトロポリタン美術館. Rectangular cauldron (fangding), China, Shang dynasty, 12th–11th century BCE(49.135.2、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/60594 (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

Next Stars次に読む

  1. IX世界の幻獣麒麟りっぱな王がいる世にだけあらわれる「仁の獣」。孔子の国で、薪とりの男が「角のあるノロジカのような獣」をつかまえたと聞いて、孔子は「だれのために来たのだ」と2度言い、そでで顔をぬぐって泣いた。そして「わたしの道はきわまった」
  2. IX世界の幻獣鳳凰ニワトリに似た五色の鳥。頭には「徳」、翼には「義」、背には「礼」、胸には「仁」、腹には「信」の文字のもようがあり、自然のままに飲み食いし、みずから歌い、みずから舞う。この鳥があらわれると、天下は平和になるという
  3. VII中国神話成り立ちと大まかなあらすじまとまった神話の本はなく、話は古い本のあちこちに。たまごのような混沌から生まれた盤古は1日に1丈ずつのび、死んで体が山や川に。女媧は5色の石で天の穴をふさぎ、羿は10の太陽を射た