
プレ男饕餮って、むずかしい漢字! 読めない…。

メル美「とうてつ」って読むんだって。もとは、なんでもむさぼる悪い人のよび名なの。
こんにちは、Dr. Taro です。 幻獣の解説、今回は中国の饕餮(とうてつ)です。『春秋左氏伝』文公18年と、『呂氏春秋』先識覧の原文(ウィキソース)を読みました。中国神話の全体は中国神話の入門へ。

「方鼎(四角い鼎)」紀元前12〜11世紀、中国・殷(商)。青銅。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
プロフィール
| よび名 | 饕餮 |
| もとは | 縉雲氏(しんうんし)の不才の子(『春秋左氏伝』) |
| 性質 | 飲み食いをむさぼり、財宝をむさぼり、いくらあつめても満足しない |
| なかま | 渾敦・窮奇・檮杌とあわせて「四凶」 |
| すがた(『呂氏春秋』) | 周の鼎にほられた、頭だけで体のない姿 |
1. むさぼりつづける者
『春秋左氏伝』文公18年です。魯の大夫が、むかしの帝王たちの話をしています。
- 「縉雲氏に、不才の子がいた。飲み食いをむさぼり、財宝をむさぼった。欲しいままにふけり、ぜいたくをこのみ、いくらあつめても満足することがなかった」
- 「かき集めてたくわえても、きりがない。みなしごや、やもめのことも気にかけず、まずしい人をあわれまなかった」
- 「天下の人びとは、これを3つの悪い一族にならべて、饕餮とよんだ」

メル美こまっている人を気にかけないで、ひとりじめする…。それが「饕餮」なんだ。
2. 四凶
- 同じ『春秋左氏伝』は、ほかの3つの悪い一族の名もあげています
- 渾敦(こんとん):帝鴻氏の不才の子。正しいことをかくし、悪いおこないをこのんだ
- 窮奇(きゅうき):少皞氏の不才の子。まことをこわし、悪い言葉をかざった
- 檮杌(とうこつ):顓頊の不才の子。教えても聞かず、言葉をわからなかった
- 舜は、堯に仕えると、この「四凶族」を国の四方のはてへ追いはらい、「山や川の魔物をふせがせた」と書かれています。そのため、堯がなくなると、天下はひとつになって、舜を天子にいただいた、といいます
3. 周の鼎の饕餮
『呂氏春秋』先識覧(先識)です。
- 「周の鼎には、饕餮がほられている。頭があって、体がない」
- 「人を食べて、まだのみこまないうちに、その害が自分の身におよぶ。むくいがかえってくることを言っているのだ。悪いことをすれば、同じようになる」

プレ男体がないから、食べても飲みこめない…。「むさぼると、自分にかえってくるよ」っていう教えなんだね。

『呂氏春秋』では、周の鼎の饕餮は頭だけで体がなく、人を食べてのみこまないうちに害が自分の身におよぶ、むくいのしるしだと説明されています。
まとめ
- 饕餮は、飲み食いと財宝をむさぼって満足しない者のよび名
- 『春秋左氏伝』では、縉雲氏の不才の子で、渾敦・窮奇・檮杌とともに「四凶」
- 舜は四凶を国の四方のはてへ追いはらった
- 『呂氏春秋』では、周の鼎に頭だけで体のない饕餮がほられ、むさぼればむくいがかえってくるしるしとされた
- 同じ四凶の名をもつ獣窮奇、顔のない帝渾沌と帝江、魔をはらう鍾馗、めでたい獣麒麟と鳥鳳凰、中国神話の入門もどうぞ
参考文献
- 『春秋左氏傳』文公十八年. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/春秋左氏傳/文公 (閲覧日:2026年10月10日)
- 『呂氏春秋』卷十六 先識覽「先識」. ウィキソース. https://zh.wikisource.org/wiki/呂氏春秋/卷十六 (閲覧日:2026年10月10日)
- メトロポリタン美術館. Rectangular cauldron (fangding), China, Shang dynasty, 12th–11th century BCE(49.135.2、パブリックドメイン). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/60594 (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



