
メル美友だちが2回続けて流産して、「私の体がおかしいのかな」ってすごく落ちこんでるの。何か調べられることはあるのかな。

プレ男パートナーの人も、どう支えたらいいか悩んでるだろうね…。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、不育症(ふいくしょう)の話です。日本産婦人科医会、厚生労働省の事業による女性の健康サイト、こども家庭庁の情報をもとにまとめました。まず伝えたいのは、流産はだれのせいでもないということです。
不育症とは
- 2回以上の流産(妊娠22週未満)・死産(妊娠22週以降)の経験がある場合を、不育症といいます
- すでに子どもがいる人でも、そのあとに2回以上の流産・死産があれば不育症に含まれます(連続していなくても含みます)
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)、胞状奇胎、生化学的妊娠(妊娠反応は出たが、子宮の中に赤ちゃんの袋が見えないまま生理になる)は、流産の回数に含めません
決してめずらしくない
- 妊娠の10〜15%は、流産になるとされています(流産)
- 日本では、2回以上の流産の経験は4.2%、3回以上は0.88%と報告されています
- 日本産婦人科医会は、国内に約3万人の不育症の人がいると推定し、「決して珍しくはありません」としています

メル美流産って、そんなに多いんだ。友だちだけじゃないんだね。
流産の多くは「受精卵の偶然の異常」
- 妊娠初期の流産のほとんどは、受精卵の染色体の異常などによって起こります
- これは夫婦のどちらかに異常があるという意味ではなく、卵子や精子ができる過程や受精のあとに、偶然起こるものがほとんどです
- お母さんの年齢が上がると流産率が上がるのも、卵子の染色体の異常によると考えられています
検査
- 不育症のリスクがあるかを調べるのが不育症の検査です
- まず問診で、年齢、これまでの流産の回数、身長・体重・BMI、喫煙・お酒・カフェインなどを確認します
- 役に立つことがわかっている主な検査は、
| 検査 | 調べること |
|---|---|
| 子宮の形の検査 | 子宮の形に異常がないか(超音波など) |
| 抗リン脂質抗体検査 | 血のかたまり(血栓)や流産・死産を起こす自己抗体がないか |
| 夫婦の染色体検査 | 夫婦のどちらかに転座などの染色体の変化がないか |
| 甲状腺の検査 | 流産と関係がある甲状腺の働きの異常がないか |
| 流産した組織の染色体検査 | 流産の原因が受精卵の染色体の異常だったか |
- 不育症の検査は夫婦2人に関わるものもあります。男性も一緒に検査・説明を受けましょう
原因が見つかるのは約35%
- 検査でリスクが見つかるのは約35%。約65%は、はっきりしたリスクが見つからない「リスク不明不育症」です
- リスクが見つかった場合は、それに応じて治療します
- 子宮の形の異常:子宮奇形では中隔子宮のみが手術の対象
- 抗リン脂質抗体症候群:低用量アスピリンの内服とヘパリンの自己注射
- リスクに応じた治療をすると、次の妊娠で出産できる可能性が確実に上がることがわかってきました
- 原因が見つからない場合は、偶然に受精卵の染色体異常による流産をくり返していることが多く、治療をしなくても、その後の妊娠で出産できる可能性が高いといわれています

プレ男原因がわからなくても、次は出産できる可能性が高いんだ。それを知るだけでも少し気持ちが軽くなりそう。
保険と相談先
- 不育症も、有効性や安全性が確立している検査・治療は保険適用の対象です。たとえば、抗リン脂質抗体症候群の検査や、治療のヘパリンの自己注射が保険適用されています(不妊治療の保険)
- 各自治体には、不妊専門相談センターや、流産・死産などの相談窓口があります。自治体によっては不育症の検査の費用の助成もあります。住んでいる市区町村のホームページを確認しましょう
心のこと、パートナーのこと
- 流産をくり返すと、だれでも気持ちが落ちこんだり、不安になったりします。それは自然な反応です
- 日本産婦人科医会は、医療的な情報を含むサポートが、次の妊娠につながる可能性があるとし、早めに産婦人科を受診して相談することを勧めています
- パートナーは、「次はきっと大丈夫」と急がせたり、どちらかのせいにしたりしないこと。一緒に説明を聞き、気持ちを話せる時間をつくりましょう

流産をくり返すことは決してめずらしくなく、原因が見つからない場合も、次の妊娠で出産できる可能性が高いとされています。ひとりで抱えずに、早めに産婦人科や自治体の相談窓口に相談してください。

メル美「あなたのせいじゃないよ」って伝えて、相談できる場所があることも教えてあげる。
まとめ
- 2回以上の流産・死産の経験があれば不育症。すでに子どもがいても含まれる
- 2回以上の流産は4.2%、3回以上は0.88%。決してめずらしくない
- 流産の多くは受精卵の偶然の染色体異常。だれのせいでもない
- 検査でリスクが見つかるのは約35%。見つかれば治療で出産の可能性が上がる。見つからなくても次の妊娠で出産できる可能性は高い
- 一部の検査・治療は保険適用。自治体の相談窓口も
参考文献
- 公益社団法人日本産婦人科医会. 不育症について教えて下さい(女性の健康Q&A). https://www.jaog.or.jp/qa/confinement/jyosei191127/ (閲覧日:2026年9月29日)
- 女性の健康推進室 ヘルスケアラボ(厚生労働省事業). 不育症(2021年10月25日更新). https://w-health.jp/fetation/rpl/ (閲覧日:2026年9月29日)
- こども家庭庁. 不妊症・不育症へ向き合いやすく 保険診療の基礎知識(みんなで知ろう、不妊症不育症のこと). https://funin-fuiku.cfa.go.jp/expert/17.html (閲覧日:2026年9月29日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。