
プレ男最近スロットで負けが続いてて…。負けたら次で取り返せばいいって思っちゃうんだよね。給料日前はカードでつないでる。

メル美それ、ちょっと心配かも。ギャンブルの「依存」って、どこからなんだろう?
こんにちは、Dr. Taro です。 ギャンブルでやめたくてもやめられない、ほどほどにできない状態になっていたら、それはギャンブル等依存症かもしれません。 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)、厚生労働省、久里浜医療センターの全国調査をもとにまとめました。
依存が疑われる人は1.7%(令和5年度)
久里浜医療センターが、全国の18歳以上75歳未満の住民18,000人を無作為に選んで行った令和5年度「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」(有効回答8,898人)の結果です。
- 過去1年間にギャンブルをした人:男性の44.9%、女性の26.5%
- 過去1年でギャンブル等依存が疑われる人(PGSI という質問票で8点以上)の割合(年齢調整後):1.7%。男性2.8%、女性0.5%
- 令和2年度調査の1.6%とくらべて、統計的に意味のある差はありませんでした
- 依存が疑われる人が1か月にギャンブルに使った金額は、中央値で6万円(ギャンブルをした人全体では9,000円)
- 依存が疑われる人がいちばんお金を使ったギャンブルは、男性ではパチンコ(43.4%)、パチスロ(24.5%)、競馬(11.3%)の順でした
- 依存が疑われる人のうち、新型コロナの流行前とくらべてインターネットを使ったギャンブルが増えたと答えた人は19.9%(疑われない人では3.6%)

メル美男性だと、だいたい35〜36人に1人くらいなんだね。思ったより身近かも。
依存症は「こころの弱さ」ではない
NCNP の「こころの情報サイト」は、依存症を次のように説明しています。
- 生活や健康、大切な人間関係や仕事に悪い影響が出ているのに、特定の物質や行動をやめたくてもやめられない(コントロールできない)状態
- アルコールや薬物などの「物質」の依存と、ギャンブルなどの「行動」の依存があります
- 特定の物質や行動を続けることで脳に変化が起き、症状が引き起こされる病気で、本人のこころの弱さのために起きているものではありません
厚生労働省も、依存症は、脳の中に報酬(ごほうび)を求める回路ができあがり、ほどほどにできなくなる脳の病気といわれており、意志や気持ちで解決しようとしてもうまくいかないと説明しています。
ギャンブル依存のサイン
NCNP は、ギャンブル依存症のサインとして次の4つをあげています。
- ギャンブルをするときに予算や時間の制限を決めない、決めても守れない
- ギャンブルに勝ったときに、「次のギャンブルに使おう」と考える
- ギャンブルをしたことを誰かに隠す
- ギャンブルに負けたときに、すぐに取り返したいと思う
依存症に共通する特徴として、NCNP は次のことも書いています。
- 「今日だけはやめよう」「これで最後」と誓っても、ついやってしまう
- 放っておくとどんどん進行する
- 家族・仕事・将来設計など、生活の全てに優先してのめりこむ
- 借金や家庭の問題などの現実を見ない、問題を認めない
- 家族が借金の肩代わりなどに追われ、家族も疲れきってしまう
厚生労働省は、依存症が進むと、仕事を休んだり、借金をしたりするようになることもあるとしています。

プレ男「負けたらすぐ取り返したい」「隠す」…どっちも当てはまってる。
相談先
NCNP は、「(家族や知人、自分が)依存症かもしれない」と思ったら、保健所や精神保健福祉センターに相談するようすすめています。
- 精神保健福祉センター:各都道府県・政令指定都市にあり、依存症の相談も受けています(全国精神保健福祉センター長会のサイトに一覧があります)
- 保健所:こころの健康や依存症の家族相談など、幅広い相談を受けています
- 専門の医療機関:地域の依存症の相談窓口や専門医療機関は、依存症対策全国センターのホームページ「全国の相談窓口・医療機関を探す」で検索できます(NCNP)
- 自助グループ:同じ問題を抱えた人どうしがつながり、体験を分かちあうグループです。近くの自助グループは、市区町村、保健所、精神保健福祉センターに問い合わせると教えてもらえます(NCNP)
受診のしかたは心療内科・精神科のかかり方にまとめています。
治療と回復
NCNP によると、
- 依存症の治療には、個別の精神療法や、認知行動療法の考え方にもとづく集団精神療法、自助グループへの参加などがあります
- 治療の途中で、ささいなきっかけでまたやってしまうことがありますが、それも依存症という病気の特徴で、こころの弱さによるものではありません。あきらめずに、また治療を始めることがとても重要です
厚生労働省は、依存症は糖尿病や高血圧のような慢性疾患ともいわれ、さまざまな助けを借りながらやめ続けることで、ギャンブルなどに頼らない生き方をしていくことは可能だとしています。やめ続けるには、したくなったときにどうさけるか、ほかのことをする時間をどう増やすかが大切だとしています。
家族・パートナーにできること
厚生労働省は、家族の関わり方について次のように書いています。
- 本人を追いつめずに、自分の気持ちを伝えることが有効といわれています
- 借金を肩代わりする、本人の代わりに会社へ休みの連絡をするなど、本人が起こした問題の尻ぬぐいをするのは逆効果です。本人が問題に向き合わないまま、ギャンブルを続けられてしまうためです
- 家族だけで抱えこまず、家族も保健所や精神保健福祉センターに相談できます(NCNP)
気分の波とギャンブル
NCNP は、双極性障害の躁状態では、大きな買い物やギャンブルなどで散財することがあるとしています。気分が高ぶる時期と落ちこむ時期をくり返している場合は、双極性障害の記事も参考にしてください。
オンラインカジノは犯罪
警察庁によると、海外で合法的に運営されているオンラインカジノであっても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。くわしくはオンラインカジノの記事にまとめています。
借金や家族関係で追いつめられて「消えてしまいたい」と感じるときは、#いのちSOS(0120-061-338、24時間365日、無料)など、厚生労働省「まもろうよ こころ」で紹介されている窓口に話してください(こころの相談先)。
まとめ
- ギャンブル等依存が疑われる人は1.7%、男性は2.8%(令和5年度の全国調査)
- サインは「予算・時間を守れない」「勝ったら次に使おう」「隠す」「負けたらすぐ取り返したい」
- 依存症は脳の病気で、こころの弱さではない。意志だけで解決しようとしない
- 相談は保健所・精神保健福祉センターへ。治療や自助グループで回復をめざせる
- 家族は借金の肩代わりなどの尻ぬぐいをしない。家族も相談できる
参考文献
- 久里浜医療センター. 令和5年度 依存症に関する調査研究事業「ギャンブル障害およびギャンブル関連問題の実態調査」報告書 概要(1枚). 依存症対策全国センター. https://www.ncasa-japan.jp/pdf/document98.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所. こころの情報サイト:依存症. https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=819yAWLAzXBx5XZ5 (閲覧日:2026年10月22日)
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所. こころの情報サイト:相談しあう・支えあう. https://kokoro.ncnp.go.jp/support_consult.php (閲覧日:2026年10月22日)
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所. こころの情報サイト:双極性障害(躁うつ病). https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=RM3UirqngPV6bFW0 (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. 依存症についてもっと知りたい方へ. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000149274.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 依存症対策全国センター. 全国の相談窓口・医療機関を探す. https://www.ncasa-japan.jp/you-do/treatment/treatment-map/ (閲覧日:2026年10月22日)
- 全国精神保健福祉センター長会. 全国精神保健福祉センター一覧. https://www.zmhwc.jp/centerlist.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 警察庁. オンラインカジノを利用した賭博は犯罪です!. https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. まもろうよ こころ:電話相談. https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。