
メル美友だちが最近ほとんど寝てないのに元気で、ずっとしゃべってて、高い買い物を次々してるの。前はうつで休んでた時期もあったのに…。

プレ男元気になったならいいんじゃない?…って思ったけど、ちょっと極端すぎるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 気分の波は誰にでもあります。でも、ハイテンションで活動的な時期と、憂うつで無気力な時期を極端にくり返しているなら、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)の「こころの情報サイト」をもとにまとめました。
双極性障害とは
- 双極性障害は、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態をくり返す病気です
- 「うつ病だと思っていたけれど、極端に調子がよくなって活発になる時期がある」場合は、双極性障害かもしれません
- NCNP によると、日本での頻度は、重症・軽症をあわせて0.4〜0.7%(1,000人に4〜7人弱)といわれています
ふつうの「気分の波」との違い
- 嫌なことがあって落ちこんだり、楽しいことがあってウキウキしたりするのは、ごく自然なことで、病気ではありません
- 周りの人が「いつものあの人と違う」と気づくほど気分が行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり、社会的な信用を失ったりするほどであれば、双極性障害かもしれない、と NCNP は説明しています
躁状態のサイン
NCNP は、躁状態のサインとして次のようなものをあげています。
- 睡眠時間が2時間以上少なくても平気になる
- 寝なくても元気で活動を続けられる
- 人の意見に耳を貸さない
- 話し続ける
- 次々にアイデアが出てくるが、組み立てて最後までやりとげることができない
- 根拠のない自信に満ちあふれる
- 買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎこむ
- 初対面の人にやたらと声をかける
- 性的に奔放になる
うつ状態のサインは、うつ病と同じです(うつ病のサイン)。

メル美「寝なくても元気」「お金を使いすぎる」…友だちに当てはまるかも。本人はたぶん、いまが絶好調だと思ってるよね。
本人は気づきにくい。周りの人の気づきが大切
- 躁状態ではとても気分がよいので、本人には病気の自覚がありません
- そのため、うつ状態では病院に行くけれど、躁状態のときは治療を受けないことがよくあります
- 本人だけでなく周りの人も、ふだんの様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切です(NCNP)
双極性障害で困ること
NCNP は、次のようなことをあげています。
- 躁状態では現実離れした行動をとりがちで、本人は気分がいいものの、周りの人を傷つけたり、無謀な買い物や計画を実行してしまったりします
- 再発しやすい病気で、躁状態をくり返すうちに、家庭崩壊や失業、破産などの社会的な損失が大きくなっていきます
- うつ状態では、うつ病と同じように死にたいほどの重苦しい気分におしつぶされそうになり、躁状態のときの自分への自己嫌悪も加わって、ますますつらくなります
- 治療せずに放っておくと、再発の周期がだんだん短くなっていきます
- 一般に、躁状態の期間よりも、うつ状態の期間のほうが長く続く傾向があります
うつ病とは別の病気、治療も違う
- 双極性障害は、かつて「躁うつ病」と呼ばれていたこともあって、うつ病の一種と誤解されがちでしたが、うつ病とは異なる病気で、治療も異なります(NCNP)
- うつ病だけの治療では、双極性障害を悪化させてしまうことがあります
- 軽い躁状態に気づかず、うつ病と診断されている人も少なくありません。うつ病の治療をしてもなかなか治らない人が、実は双極性障害だったということはしばしばあります
- 逆に、うつ病が良くなってふつうの元気さを取り戻したのを、軽い躁状態と間違えられることもあります
- 躁とうつが現れる間隔は、数か月のことも数年のこともあります。病気とは思えないようなごく軽い躁状態を何度も経験していた、という場合も双極性障害に含まれます
NCNP は「これまでに躁状態を経験したことはありますか?」と問いかけています。躁状態では本人は気分がよく、周りの人が気づいて早めに治療を始めることが望まれる、としています。
治療
NCNP によると、双極性障害の治療には、薬による治療と心理社会的な治療があります。
薬物療法が基本
- 双極性障害は、カウンセリングだけで回復が期待できるものではなく、薬物療法を基本に治療を組み立てます
- 主に使う薬は、気分安定薬や非定型抗精神病薬です。症状が多様なため薬の使い分けが難しく、主治医によく相談して治療を受ける必要があります
- 中には、血液中の濃度を測りながら慎重に量を決める必要がある薬もあります。処方された量と回数をきちんと守ることが大切です
- 双極性障害のうつ状態に使う薬は、うつ病のときに使う薬とは違います
心理教育
- 薬物療法とあわせて行う心理社会的な治療は、いわゆるカウンセリングではなく、本人が自分の病気を知り、受け入れ、自分で病気をコントロールするのを助ける「心理教育」です
- 再発のきざしにすぐ気づいて対応できるようになれば、再発したときに早く治療を始められます。再発を放っておくと病気が悪くなるので、これはとても重要です(NCNP)

プレ男責めるんじゃなくて、「最近ちょっと心配なんだ」って伝えて、受診をすすめてみるのがいいのかな。
相談先
- 受診のしかたや、受診先に迷ったときの保健所・精神保健福祉センターについては、心療内科・精神科のかかり方にまとめています
- 通院を続けるときの医療費は、自立支援医療(精神通院医療)で軽くなることがあります(躁うつ病も対象)
- ギャンブルでの散財が続いているときは、ギャンブル依存の記事も参考にしてください
うつ状態で「死にたい」「消えてしまいたい」と感じるときは、ひとりで抱えずに話してください。厚生労働省「まもろうよ こころ」によると、#いのちSOS(0120-061-338、24時間365日、無料)、よりそいホットライン(0120-279-338、24時間、無料)などがあります(こころの相談先)。
まとめ
- 双極性障害は、躁状態とうつ状態をくり返す病気。日本では0.4〜0.7%といわれる(NCNP)
- 躁状態のサインは、睡眠が2時間以上短くても平気、話し続ける、根拠のない自信、買い物やギャンブルで散財など
- 躁状態では本人が気づきにくい。周りの人の気づきが大切
- うつ病とは別の病気で、うつ病だけの治療では悪化することも。軽い躁状態を見のがさない
- 治療は薬物療法が基本。心理教育で再発のきざしに早く気づく
参考文献
- 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所. こころの情報サイト:双極性障害(躁うつ病). https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=RM3UirqngPV6bFW0 (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. 精神疾患で通院による精神医療を続ける必要がある病状の方に、通院のための医療費の自己負担を軽減する制度があります(自立支援医療(精神通院医療)について). https://www.mhlw.go.jp/content/001507767.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. まもろうよ こころ:電話相談. https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/tel/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。