
メル美HBOCで、まだ卵巣をとる手術を受けない場合、定期的に検査をすれば安心なのかな。

プレ男卵巣がんって、早く見つけるのがむずかしいって聞いたことがあるよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の人の、卵巣がんの定期検査の話です。日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)の患者・市民向けガイドブック「遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!」(2022年版)のQ42・Q46をもとにまとめました。
卵巣がんは、早く見つけるのがむずかしい
ガイドブックによると、
- 卵巣がんは「サイレントキラー」とよばれ、おなかの張りや違和感などの症状が出ても気づきにくく、短い期間に進むことが多いため、定期的に診察しても早く見つけるのがむずかしいがんです
- そのため、自治体の検診(対策型検診)では、卵巣がんの検診はすすめられていません
- HBOCの人の卵巣がんの定期検査(サーベイランス)の効果は十分ではありません。予防と、命をのばす効果がはっきりしているリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)が最も効果的な対策で、RRSOを選ばない場合に限り、定期検査を考えます
定期検査の方法と時期
ガイドブックによると、
- 経腟超音波検査(腟から超音波の器具を入れて、子宮・卵巣・卵管などを見る)と、血液の腫瘍マーカーCA125の検査を行います。性交の経験がない人や痛みが強い人は、肛門から行う方法で代わりにできることがあります
- CA125は、子宮内膜症や子宮腺筋症、月経中など、がん以外でも高くなることがあります
- 始める年齢や間隔に決まった方法はありませんが、30〜35歳ごろ、または家族で卵巣がんになった人の年齢より5〜10歳早くから、3〜12か月ごとを目安に、担当医と相談して決めます
- 卵巣がんの定期検査は、保険の適用外です
- 定期検査では、卵巣がんを防ぐことはできません。定期的に受診することは、症状に早く気づくことや、結婚・妊娠・出産などにあわせた相談の機会にもなります

卵巣がんは早く見つけるのがむずかしく、定期検査では卵巣がんを防ぐことはできません。最も効果的な対策は、リスク低減卵管卵巣摘出術とされています。
低用量ピルと卵巣がん
ガイドブックによると、
- 一般に、低用量ピルを飲むと卵巣がんのリスクが下がることが知られていて、HBOCの人でも40〜50%程度下がると考えられています
- 一方で、HBOCの人では乳がんのリスクが上がる可能性も指摘されていて(上がらないという報告もあり、結論は出ていません)、乳がんの定期検査はしっかり受けることがすすめられています。乳がんの治療中の人は飲めません
- 卵巣がんの予防の目的で保険が使える薬はありません。どのピルをどのくらいの期間飲むのがよいかの研究データもはっきりせず、低用量ピルはリスク低減卵管卵巣摘出術の代わりにはならないとしています
- 飲むかどうかは、メリット・デメリット、乳がんの定期検査、手術の時期などを、主治医と十分に話し合って決めるよう書かれています

プレ男定期検査で安心しすぎずに、手術のことも含めて主治医とよく相談するのが大事なんだね。
リスク低減卵管卵巣摘出術はHBOCの「リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)」、乳がんの対策は遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の乳がん対策を見てください。
まとめ
- 卵巣がんは早く見つけるのがむずかしい。定期検査の効果は十分ではない
- リスク低減卵管卵巣摘出術を選ばない場合に、経腟超音波とCA125を(30〜35歳ごろから、3〜12か月ごと、保険適用外)
- 定期検査では卵巣がんを防げない
- 低用量ピルで卵巣がんのリスクは下がると考えられるが、予防目的で保険が使える薬はなく、手術の代わりにはならない
参考文献
- 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構. 遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック 2022年版 Q42 卵巣がんのサーベイランスとは何ですか? https://johboc.jp/guidebook_g2022/q42/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 同 Q46 卵巣がんの予防に有効な薬はありますか? https://johboc.jp/guidebook_g2022/q46/ (閲覧日:2026年10月12日)
- レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠(避妊) 添付文書(2023年7月改訂 第1版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00060612 (閲覧日:2026年10月12日)
- レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠(月経困難症) 添付文書(2023年11月改訂 第5版). KEGG MEDICUS. https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067616 (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。