
メル美HBOCの人が、がんになる前に卵巣をとる手術があるって聞いたの。どんな手術なのかな。

プレ男手術のあとの体の変化も気になるよね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)のリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)の話です。日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)の患者・市民向けガイドブック「遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!」(2022年版)のQ41・Q44をもとにまとめました。HBOCそのものについては遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を見てください。
RRSOとは
ガイドブックによると、
- RRSOは、HBOCと診断された人の卵巣・卵管・腹膜がんのリスクを減らすため、がんになる前に卵管と卵巣をとる手術です
- これらのがんは早く見つける方法が確立されておらず、進んでから見つかることが多いため、病気になる前の対応が大切です
- RRSOは、HBOCと診断された人の死亡のリスクを確実に下げることが知られていて、最大の予防策としてすすめられています
- ふつうは腹腔鏡の手術で、入院はおよそ1週間以内です。とった卵管・卵巣は、がんがないか顕微鏡で調べます
いつ受ける?
ガイドブックによると、
- 卵巣がんは、BRCA1では35歳以降、BRCA2では45歳以降にふえるため、今後の妊娠を考えていない人は、BRCA1では35〜40歳まで、BRCA2では40〜45歳までに受けることがすすめられています
- 閉経後も卵巣がんはふえていくため、閉経後に診断された人などにも、RRSOはいつでもすすめられます
- 家族に乳がん・卵巣がんの人がいても、遺伝学的検査でHBOCと診断されていない人は、メリットがはっきりしないため受けられません

卵巣・卵管・腹膜がんは早く見つける方法が確立されていません。リスク低減卵管卵巣摘出術は、HBOCと診断された人の死亡のリスクを確実に下げる、最大の予防策としてすすめられています。
費用(保険)
ガイドブックによると、2020年4月から、乳がんになったことがあってHBOCと診断された人のRRSOに保険が使えるようになりました。乳がんになっていない人などは、自費になります。費用は担当の医師に確認する必要があります。
手術のあとの体の変化
ガイドブックによると、
- 閉経前に受けると、卵巣をとるため急に閉経になり、ほてり・冷え・イライラなどの更年期症状が出やすく、強くなることがあります。骨密度の低下、高血圧、脂質の異常など、気づきにくい変化もあります
- 乳がんになったことがある人は、再発の心配からホルモン補充療法をさけて対応します。がんになっていない人では、ホルモン補充療法を行うことがあり、5年程度なら乳がんがふえないといわれています
- 性交は、卵管・卵巣をとった場合は約3か月、子宮も同時にとった場合は約6か月が目安です。腟の乾きなどには、潤滑ゼリーなどで対応するのもよいとしています
- 手術のあとも腹膜がんのリスクはゼロではない(約1〜5%)ため、婦人科の診察、経腟超音波、腫瘍マーカーなどで経過をみます

プレ男がんを防ぐ大きなメリットがある一方で、手術のあとの体の変化も前もって知っておくことが大切なんだね。
乳がんの対策は遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の乳がん対策、妊娠との関係は遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)と妊娠、子宮の手術で卵巣もとるかどうかは子宮をとる手術のとき、卵巣もとる?を見てください。
手術を選ばない場合の卵巣がんの定期検査は、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)と卵巣がんの定期検査を見てください。
まとめ
- RRSOは、HBOCの人の卵巣・卵管・腹膜がんを防ぐため、がんになる前に卵管・卵巣をとる手術
- 死亡のリスクを確実に下げる、最大の予防策
- 目安はBRCA1で35〜40歳、BRCA2で40〜45歳まで(妊娠を考えていない人)
- 閉経前に受けると更年期症状・骨密度の低下などに注意
- 手術のあとも腹膜がんの経過観察を
参考文献
- 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構. 遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック 2022年版 Q41 リスク低減卵管卵巣摘出術について教えてください。 https://johboc.jp/guidebook_g2022/q41/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 同 Q44 リスク低減卵管卵巣摘出術を受けた後のからだの変化や生活への影響が心配です。 https://johboc.jp/guidebook_g2022/q44/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。