
メル美遺伝子の検査の結果に「VUS」って書いてあったらしいの。陽性なの?陰性なの?

プレ男陰性だったら、もう何も気にしなくていいのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の遺伝学的検査の結果の読み方の話です。日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)の患者・市民向けガイドブック「遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!」(2022年版)のQ17〜19をもとにまとめました。HBOCそのものについては遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を見てください。
結果は「陽性」か「陰性」
ガイドブックによると、
- 病気につながることが確実な「病的バリアント」か、その可能性が高い「病的バリアント疑い」が見つかった場合は「陽性」と判定されます。陽性なら、薬の選択やリスク低減手術などで保険が使えます
- 病気につながらない変化(遺伝子多型など)や、意義がまだわからない「VUS(臨床的意義不明のバリアント)」の場合は「陰性」と判定されます
- 報告書は治療や家族の早期診断の根拠になる大切なものなので、患者さん用のコピーをもらうようにしましょう、としています
陰性だったとき
ガイドブックによると、
- 陰性の多くの人は、特別な予防や対策は必要ないと考えられます
- ただし、ふつうの検査では見つけられない変化や、BRCA1/2以外の遺伝子が原因でがんになりやすい体質の人もいるため、自分や家族の病歴で不安があれば、担当医や遺伝の専門家に相談しましょう
- 遺伝性のがんでなくても、がんになりにくいということではなく、年齢に応じたふつうのがん検診は続けましょう、としています

遺伝学的検査が陰性でも、がんにならないわけではありません。年齢に応じたふつうのがん検診は続けましょう。
VUS(意義がまだわからない変化)だったとき
ガイドブックによると、
- VUSは、変化は見つかったものの、病気につながるかどうか、まだ判断できるだけの情報がないものです。日本人でのVUSの割合は、BRCA1/2で6.5%と報告されています
- VUSは「陰性」として扱われ、保険が使えるサーベイランス(定期検査)やリスク低減手術の対象にはなりません。ただし、自分や家族の病歴などをふまえた検査の計画を、医療者と話し合います
- 研究が進むと、のちに「陽性」や「陰性」に解釈が変わることがあります。変わったときは、検査を受けた医療機関から伝えられ、検査料金をもう一度払う必要はありません
- VUSの場合、ふつうは血縁者の検査は行いません

プレ男結果の意味がわからないときは、ひとりで悩まずに、遺伝カウンセリングで聞いてみるのがいいね。
家族に伝えるときは遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)を家族や子どもに伝えるとき、不安なときは遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)と診断されて不安なときを見てください。
まとめ
- 病的バリアントかその疑いがあれば「陽性」、なければ「陰性」
- VUSは「陰性」として扱われ、将来、解釈が変わることがある(日本人のBRCA1/2で6.5%)
- 陰性でも、ふつうのがん検診は続ける
- 報告書のコピーをもらい、わからないことは担当医や遺伝の専門家に
参考文献
- 日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構. 遺伝性乳がん卵巣がんを知ろう!みんなのためのガイドブック 2022年版 Q17 検査結果はどのように表されるのでしょうか? https://johboc.jp/guidebook_g2022/q17/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 同 Q18 遺伝学的検査の結果が「陰性(Negative)」でした。今後どのような対策が必要ですか? https://johboc.jp/guidebook_g2022/q18/ (閲覧日:2026年10月12日)
- 同 Q19 検査の結果が「臨床的意義不明の変化(VUS)」でした。今後どのような対策が必要ですか? https://johboc.jp/guidebook_g2022/q19/ (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。