HIVと骨:HIVのある人は骨密度が低くなりやすく、骨折のリスクも高い。治療を始めて1〜2年に進みやすく、薬によって影響がちがう。骨頭壊死にも注意
HIVと骨の健康について、研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)の「骨壊死、骨減少症」の項をもとにまとめました。HIVのある人は、HIVのない人にくらべて骨密度の低下が多く、もろくなった骨の骨折のリスクも高いとされます。骨減少症は20〜54%、骨粗しょう症は2〜27%と報告されていて、治療をしていないときや、治療を始めて1〜2年に進みやすいとされます。テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は骨密度を下げやすく、テノホビル アラフェナミドなどに切り替えると骨密度がよくなることが試験で示されています。また、大腿骨頭などの骨壊死にも注意が必要です。

メル美HIVのある人は、骨が弱くなりやすいって聞いたけど、本当?

プレ男薬の影響もあるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、HIVと骨の健康の話です。研究班の「抗HIV治療ガイドライン」(2026年3月)の「骨壊死、骨減少症」の項をもとにまとめました。
骨密度が低くなりやすい
ガイドラインによると、
- HIVのある人は、HIVのない人にくらべて骨密度の低下が多く、もろくなった骨の骨折(脆弱性骨折)のリスクも高いとされています
- 報告では、骨減少症は20〜54%、骨粗しょう症は2〜27%でした
- 骨密度は、治療をしていない(HIVがふえている)ときと、治療を始めて1〜2年の時期に下がりやすいとされています
- 年齢、閉経、やせ、たばこ・お酒、ビタミンDの不足、ステロイドの薬などの一般的なリスクに加えて、HIVそのものの影響、CD4数の低さ、HIVに感染している期間、抗HIV薬が関係するとされています
薬によって影響がちがう
ガイドラインによると、
- 研究のまとめでは、抗HIV療法を受けている人は、受けていない人にくらべて骨密度が下がるリスクが2.5倍でした
- テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は、腎臓の尿細管への影響を通して、骨密度を下げやすいとされています
- テノホビル アラフェナミドは骨密度への影響が小さい可能性があり、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩から切り替えると、腰の骨や大腿骨のつけ根の骨密度がよくなったことが試験で示されています
- 欧州のガイドラインは、骨粗しょう症、進行する骨減少、病的な骨折がある場合を、テノホビルをふくまない薬への切り替えを考える目安にあげています

HIVのある人は骨密度が低くなりやすく、とくに治療を始めて1〜2年に進みやすいとされています。抗HIV薬の種類によって、骨への影響はちがうとされています。
骨壊死(骨頭壊死)にも注意
ガイドラインによると、骨に血が通わなくなる骨壊死は、CD4数が低い、ステロイドの薬、脂質異常症、お酒などがリスクとされ、大腿骨頭(太ももの骨のつけ根)に起こることが多いとされています。

プレ男たばこやお酒をへらすことや、ビタミンDのことも、骨を守るのに関係しそうだね。
HIVのある人のほかの病気はHIVと「エイズ以外の病気」、薬と体重はHIVの薬で体重がふえることがあるを見てください。腎臓への影響はHIVと腎臓を見てください。
まとめ
- HIVのある人は骨密度が低くなりやすく、骨折のリスクも高い
- 治療をしていないときと治療開始後1〜2年に下がりやすい
- テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩は骨密度を下げやすく、アラフェナミドへの切り替えで改善した報告
- 大腿骨頭の骨壊死にも注意
参考文献
- HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班. 抗HIV治療ガイドライン(2026年3月) 骨壊死、骨減少症. https://hiv-guidelines.jp/2026/part09-5.htm (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
