男性へのHPVワクチンは定期接種になる?(2026年7月の国の検討):9価ワクチンは2025年8月に男性への接種が承認。定期接種にするかは費用対効果などで検討が続いている
男性へのHPVワクチンの定期接種化について、厚生労働省の「ワクチン評価に関する小委員会」(2026年7月22日)の資料をもとにまとめました。男性への接種は、4価ワクチンが2020年、9価ワクチンが2025年8月に承認され、9価ワクチンの男性への効能は肛門がんとその前の段階の病変、尖圭コンジローマの予防です(9歳以上15歳未満は2回または3回、15歳以上は3回)。国は定期接種にするかどうかを検討していて、安全性は一定程度のエビデンスがあると整理された一方、費用対効果については、承認された病気だけを考えると課題があるとされ、検討が続いています。いまは男性は任意接種です。

プレ男HPVワクチンって、男性も無料で受けられるようになるの?

メル美ほかの国では男の子も定期接種になっているって聞いたよ。日本はどうなのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、男性へのHPVワクチンの定期接種化の検討の話です。厚生労働省の厚生科学審議会「ワクチン評価に関する小委員会」(2026年7月22日)の資料「HPVワクチンの男性への接種について」と、同じ日の池田委員の提出資料をもとにまとめました。HPVワクチンそのものについてはHPVワクチンを見てください。
男性への接種の承認
資料によると、
- 4価ワクチンは、2020年12月に、男女の肛門がん(とその前の段階の病変)と、男性の尖圭コンジローマの予防への適応が広がり、男性も接種できるようになりました
- 9価ワクチンは、2025年8月に、男女の肛門がん(とその前の段階の病変)と、男性の尖圭コンジローマの予防への適応が承認されました。男性は、9歳以上15歳未満は2回または3回、15歳以上は3回の接種です
- 2025年9月現在、男性に接種が承認されているのは、4価と9価のワクチンです
定期接種にするかどうかの検討
資料によると、
- 国の小委員会では、男性へのHPVワクチンを定期接種にするかどうかを検討しています
- 安全性については、薬事の評価やファクトシートなどをふまえ、一定程度エビデンスが蓄積されていると整理されています
- 接種回数や予防する病気は、いまのところ薬事承認の範囲(男性では尖圭コンジローマと肛門がん)を議論の対象にしています
- 費用対効果は、公的医療の立場からの分析を基本に、検討が続いています

9価HPVワクチンは、2025年8月に男性への接種が承認されました。定期接種にするかどうかは、国で検討が続いていて、いまは男性は任意接種です。
費用対効果の分析
池田委員の資料では、9価ワクチンを男性に2回接種した場合の費用対効果を試算しています。
- 承認されている病気(尖圭コンジローマ・肛門がん)の予防だけを考えると、効果がそれほど大きく見積もられず、費用対効果はよくない結果でした
- 中咽頭(のど)のがんや陰茎がんの予防効果もふくめたり、ワクチンの効果が続く期間を長く見積もったりすると、結果は大きく改善しました
- また、以前の分析(2024年3月)では、男性が接種することで女性の子宮頸がんが減る効果もふくめると、費用対効果がさらによくなるという試算も示されています

プレ男男性が受けると、自分だけじゃなくパートナーを守ることにもつながるかもしれないんだね。
尖圭コンジローマについては尖圭コンジローマってどんな病気?、女性の接種率はHPVワクチンを1回でも受けた人はどのくらい?を見てください。
男性の尖圭コンジローマの最近の動きは、尖圭コンジローマの動き(2024年、国の分析)を見てください。
東京都での男性への接種の助成の取り組みは、東京都で男性がHPVワクチンを受けるにはを見てください。
まとめ
- 男性へのHPVワクチンは、4価(2020年)・9価(2025年8月)が承認されている
- 9価の男性への効能は肛門がん・尖圭コンジローマの予防
- 国は定期接種にするかどうかを検討中。安全性は一定程度のエビデンスあり、費用対効果の検討が続いている
- いまは男性は任意接種
参考文献
- 厚生労働省. 第35回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会 資料3-1「HPVワクチンの男性への接種について」(2026年7月22日、PDF). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001726448.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 厚生労働省. 同 資料3-2 池田委員提出資料「HPVワクチンの男性接種に関する費用対効果分析について」(2026年7月22日、PDF). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001726207.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
