
メル美もし離婚したら、名字は旧姓に戻さなきゃいけないのかな。仕事でずっといまの名字を使ってるから、変わると大変そう。

プレ男子どもがいたら、子どもの名字はどうなるんだろう。親といっしょに変わるの?
今回は、離婚したあとの名字(氏)と戸籍です。民法・戸籍法の条文(e-Gov法令検索)と、裁判所の説明書面「調停離婚が成立した方へ」(令和8年4月版)で確かめました。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。届出の細かい点は、届け出る市区町村の戸籍の窓口に確認してください。
原則:結婚で名字を変えた人は、旧姓に戻る
民法767条1項:婚姻によって氏を改めた夫または妻は、協議上の離婚によって婚姻前の氏に復する。
- 裁判上の離婚にも同じ規定が使われます(771条)
- 戸籍も、原則として結婚前の戸籍に戻ります。ただし、その戸籍がすでに除かれているときや、本人が申し出たときは、自分が筆頭者の新しい戸籍をつくります(戸籍法19条1項)
- 結婚で名字を変えなかった側は、離婚しても名字は変わりません
いまの名字を続けたいときは「3か月以内」に届出
民法767条2項:旧姓に戻った人は、離婚の日から3か月以内に戸籍法の定めるところにより届け出ることで、離婚の際に称していた氏を称することができる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出の名前 | 離婚の際に称していた氏を称する届(戸籍法77条の2) |
| 期限 | 離婚の日から3か月以内(調停離婚なら調停成立の日から) |
| 出すタイミング | 離婚届と同時でもよい |
| 戸籍 | 届け出た人を筆頭者とする新しい戸籍がつくられる(戸籍法19条3項) |

プレ男名字を続けられるんだ。でも「3か月」をすぎたらどうなるの?
- 期限をすぎたあとに名字を変えたいときは、家庭裁判所で「やむを得ない事由」による氏の変更の許可を受けることになります(戸籍法107条1項)
- 裁判所の説明書面は、いったん婚姻中の名字を続ける届出をすると、旧姓に戻すには改めて家庭裁判所で「氏の変更」の許可を受ける必要があり、許可されないこともあるので、将来のことも考えて慎重に、と注意しています
子どもの名字と戸籍は、自動では変わらない
裁判所の説明書面によると、子どもの戸籍は、親権者が父母のどちらか一方でも双方でも、離婚時の筆頭者の戸籍に残ります。
- 例:戸籍の筆頭者が夫なら、妻だけが親権者になっても、子どもは夫の戸籍に残る
- 筆頭者でない親(例では妻)が子どもを自分の戸籍に入れたいときは、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、許可のあとで市区町村に「入籍届」を出します
- 離婚で婚姻中の名字を続けた場合でも、子どもを自分の戸籍に入れたいなら、子の氏の変更許可が必要です(説明書面)

メル美同じ名字を名のっていても、子どもの戸籍は勝手には移らないんだ。知らないと手続きがもれちゃいそう。
「子の氏の変更許可」の申立て
民法791条1項:子が父または母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることで、その父または母の氏を称することができる。
| 項目 | 内容(裁判所の説明書面) |
|---|---|
| 申し立てる人 | 子どもが15歳未満:法定代理人(親権者。共同親権なら原則として父と母が共同で)/15歳以上:子ども自身 |
| 申立先 | 子どもの住所地の家庭裁判所 |
| 費用 | 子ども1人につき収入印紙800円と郵便切手 |
| 添付書類 | 子どもの戸籍謄本、父・母の戸籍謄本(離婚の記載のあるもの)など |
- 15歳未満の子は法定代理人が代わって行うことは、民法791条3項にも定められています
- 名字を変えた未成年の子は、成年(18歳)になってから1年以内に届け出れば、もとの名字に戻ることもできます(791条4項)
- 裁判所のQ&Aは、共同親権のもとで子の氏を変えることは子の身分関係に関する行為で、「監護及び教育に関する日常の行為」ではない、としています。共同親権については共同親権を深掘りで

結婚で名字を変えた人は、離婚すると原則として旧姓に戻ります。いまの名字を続けたいときは、離婚の日から3か月以内に届け出ます。
手続きの順番の例
- 離婚届(調停離婚なら、成立の日から10日以内。離婚調停の記事)
- 名字を続けたいなら、3か月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」(離婚届と同時でも可)
- 子どもを自分の戸籍に入れたいなら、家庭裁判所に子の氏の変更許可の申立て → 許可のあと入籍届
- 名前が変わったあとのマイナンバーカードや運転免許証などの変更は、結婚後の名義変更の順番も参考になります
- 再婚で子どもを連れて新しい家族になるときの手続きは、子どもを連れて再婚するときの手続きで
相談先
- 届出は、本籍地または住所地の市区町村の戸籍の窓口へ
- 子の氏の変更の申立ては、子どもの住所地の家庭裁判所へ
- 離婚の条件でもめているときは、弁護士や法テラス(サポートダイヤル 0570-078374)へ
まとめ
- 結婚で名字を変えた人は、離婚で原則として旧姓に戻る(民法767条1項)
- いまの名字を続けたいなら、離婚の日から3か月以内に届出(767条2項・戸籍法77条の2)。いったん続けると、旧姓に戻すには家庭裁判所の許可が必要で、許可されないこともある
- 子どもの名字・戸籍は自動では変わらない。子の氏の変更許可(子1人につき収入印紙800円)→入籍届
- 15歳以上の子は自分で申し立てる。成年後1年以内なら、もとの名字に戻ることもできる
参考文献
- 民法(明治29年法律第89号)第767条、第771条、第790条、第791条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (閲覧日:2026年10月22日)
- 戸籍法(昭和22年法律第224号)第19条、第77条の2、第98条、第107条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 (閲覧日:2026年10月22日)
- 裁判所. 調停離婚が成立した方へ(R8.4). https://www.courts.go.jp/assets/kazi_tetsuzukisetsumei_rikon_2026.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 裁判所. 裁判手続 家事事件Q&A. https://www.courts.go.jp/saiban/qa/qa_kazi/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。