プレイヤーの法律THE RULEBOOK

RULE 02.19Love & Breakups

国際結婚が終わるとき、子どもを連れて帰国していい?「ハーグ条約」では、もう一方の親の同意なく国境を越えて連れ去られた16歳未満の子は、原則として元の国へ返還。日本では2014年4月1日に発効し、2025年12月末までに外務省が受け付けた援助申請は673件

2026年10月22日 時点

ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)は、国境を越えた子の不法な連れ去りや留置について、子を元の居住国に返還する手続と、国境を越えた親子の交流を支える締約国間の協力を定めた条約です。日本では2014年4月1日に発効し、外務省が中央当局です。日本の実施法では、子が16歳未満であることなどの事由があれば裁判所は返還を命じなければならず、連れ去りから1年以上たって子が新しい環境に適応している、子に重大な危険がある、などの拒否事由も定められています。外交青書2026によると、発効から2025年12月末までに外務省は返還援助申請461件、交流援助申請212件を受け付けました。条約の実施法の条文と外務省のページで確かめました。

目次
  1. ハーグ条約とは
  2. 原則は「元の国に返す」
  3. 刑事事件になることも
  4. 外務省(中央当局)の援助
  5. 数字で見る
  6. 相談先
  7. まとめ

メル美海外で結婚した友だちが、離婚になったら子どもを連れて日本に帰りたいって言ってた。自分の子どもなんだから、連れて帰っていいんだよね?

プレ男相手の国の親からすると、子どもが急にいなくなるってことだよね。国をまたぐと、どの国のルールになるんだろう。

今回は、国際結婚・国際離婚と「ハーグ条約」です。外務省のハーグ条約のページ(条約の概要、国内実施法の概要、子を連れての国境を越えた移動に関する注意点、ファクトシート)、外交青書2026、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(実施法)の条文(e-Gov法令検索)で確かめました。国際結婚の数は国際結婚はどれくらい?にまとめています。

この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。ほかの国の法律や手続は国ごとにちがいます。具体的な相談は、外務省領事局ハーグ条約室や弁護士にしてください。

ハーグ条約とは

外務省の説明によると、ハーグ条約は、

プレ男2014年からなんだ。それまでは、国をまたいだ連れ去りを解決する共通のルールがなかったってことか。

原則は「元の国に返す」

外務省の「子を連れての国境を越えた移動に関する注意点」は、次のように説明しています。

日本の裁判所が返還を命じる条件(実施法27条)

日本に連れ去られた子について、家庭裁判所は、次のすべてにあたると認めるときは、子の返還を命じなければなりません。

  1. 子が16歳に達していないこと
  2. 子が日本国内にいること
  3. 元の国(常居所地国)の法令によれば、連れ去りまたは留置が、申立人の子についての監護の権利を侵害するものであること
  4. 連れ去り・留置の時に、元の国が条約の締約国であったこと

返還しなくてよい場合(実施法28条)

次のどれかがあると認めるときは、裁判所は返還を命じてはなりません(1・2・3・5でも、一切の事情を考えて返還が子の利益になると認めれば、返還を命じることができる)。

返還拒否事由(要約)
1 連れ去り・留置から1年を経過したあとに申し立てられ、かつ子が新しい環境に適応している
2 申立人が、その時に現実に監護の権利を行使していなかった
3 申立人が、連れ去り・留置に同意し、またはあとで承諾した
4 返還すると、子の心身に害悪を及ぼすなど、子を耐え難い状況に置く重大な危険がある
5 子の年齢・発達の程度から子の意見を考えるのが適当な場合に、子が返還を拒んでいる
6 返還が、日本の人権と基本的自由の保護の基本原則で認められない

メル美暴力のおそれがあるかどうかも、ちゃんと考えることになっているんだね。

刑事事件になることも

外務省の注意点のページは、次のようにも説明しています。

外務省(中央当局)の援助

実施法と外務省の説明によると、

ハーグ条約では、国境を越えて子が不法に連れ去られた場合、原則として子を元の居住国に返還します。日本では2014年4月1日に発効し、外務省が中央当局です。

数字で見る

外交青書2026によると、ハーグ条約の発効から2025年12月末まで(11年9か月)に、

外務省が受け付けた援助申請 日本にいる子に関する申請 外国にいる子に関する申請 合計
返還援助申請 239件 222件 461件
子との交流援助申請 159件 53件 212件

相談先

まとめ


参考文献

  1. 外務省. ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約). https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/hague/index.html (閲覧日:2026年10月22日)
  2. 外務省. ハーグ条約の締結と国内実施法の概要(令和8年6月15日). https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_000843.html (閲覧日:2026年10月22日)
  3. 外務省. 子を連れての国境を越えた移動に関する注意点(令和8年6月25日). https://www.mofa.go.jp/mofaj/fp/hr_ha/page22_000852.html (閲覧日:2026年10月22日)
  4. 外務省領事局ハーグ条約室. ファクトシート 日本におけるハーグ条約の実施状況(2025年4月1日). https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100643788.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
  5. 外務省. 外交青書2026 第4章第2節4 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約)の実施状況. https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bluebook/2026/html/chapter4_02_04.html (閲覧日:2026年10月22日)
  6. 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(平成25年法律第48号)第2条、第4条、第11条、第16条、第26条、第27条、第28条、第32条、第122条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000048 (閲覧日:2026年10月22日)
  7. 厚生労働省. その他の相談先(法テラス・サポートダイヤル). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/soudan_sonota.html (閲覧日:2026年10月22日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。