
メル美盗撮の犯人が捕まっても、押収されたスマホが返されたら、画像もいっしょに戻っちゃうんじゃないかって不安になる。

プレ男画像がどこかに残っていると思うだけで、ずっと怖いよね。消してもらえるしくみはあるのかな。
今回は、押収物に記録された性的な画像の消去・廃棄です。性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(性的姿態撮影等処罰法)の条文(e-Gov法令検索)、法務省の法律案のページと「改正法等の概要(詳細版)」、令和7年版犯罪白書で確かめました。撮影罪そのものは撮影罪とリベンジポルノで説明しています。
この記事は一般的な解説で、法律相談の代わりにはなりません。自分の事件の画像がどう扱われるかは、担当の検察官や検察庁の被害者支援員に相談してください。
2つの新しいしくみ
| しくみ | 内容 | 施行 |
|---|---|---|
| 複写した物の没収(第3章 8条) | 刑罰(付加刑)として、性的姿態等撮影罪・性的姿態等影像記録罪で生じた物を複写した物や、リベンジポルノ法違反の罪で使われた画像の記録物などを没収できる | 2023年7月13日 |
| 押収物の画像の消去・廃棄(第4章) | 検察官が保管している押収物の中の対象画像について、行政手続として消去・廃棄などができる | 2024年6月20日 |
(施行日は令和7年版犯罪白書、法務省「改正法等の概要(詳細版)」による)
- 法務省の資料は、没収について、原本は刑法によって没収可能で、この法律で複写物の没収も可能になったと説明しています
- 第4章は、その施行の際にすでに検察官が保管している押収物にも適用されます(附則4条)

プレ男裁判の刑罰としてだけでなく、検察官の手続でも消せるようになったんだね。
消去・廃棄の対象になる画像
法務省の資料によると、対象画像は次の3つです(法律9条・10条)。
- 性的姿態等撮影罪または性的姿態等影像記録罪にあたる行為で生じたもの
- いわゆるリベンジポルノ法の画像(私事性的画像記録)
- 児童ポルノ
検察官がとれる措置
法務省の資料と法律10条・11条によると、対象画像の存在の形に応じて、次の措置をとることができます。
| 画像の形 | 措置 |
|---|---|
| 押収物に記録された電磁的記録(データ) | 対象のデータを全て消去する。データが大量で全部の内容を確認できないなど、それが難しいときは、押収物の中のデータを全て消去。技術的な理由などでそれも難しいときは、押収物を廃棄(10条1項2号) |
| それ以外の対象画像(写真など) | 押収物の廃棄 |
| いわゆるリモートアクセス捜査のアクセス先(クラウドなど)に残っているデータ | データを消去する権限のある者に対する消去命令(11条) |

メル美スマホの中だけじゃなくて、クラウドに残ったデータにも消去命令が出せるんだ。
手続の流れ
法務省の資料は、措置をとるための手続保障として、所有者等に対する聴聞、対象画像以外のデータの複写・交付、消去の決定などに対する不服申立てなどの規定が整備されたと説明しています。
| 段階 | 内容(条文) |
|---|---|
| 領置 | 検察官は、刑事訴訟法の押収を解いたうえで、消去などのためにその物を領置する(12条) |
| 聴聞 | 消去等決定・消去命令などをするときは、聴聞を行わなければならない(17条2項)。聴聞の資料のうち性的な姿態が記録された部分は謄写を求められない(17条4項) |
| 決定 | とる措置の内容を明らかにして書面で決定し、その謄本を所有者などに送達する(16条・20条) |
| ほかのデータ | データを全て消去する・押収物を廃棄する決定をする場合に、データの帰属する人などから申出があれば、対象画像ではないと認めるデータを、実施の前に別の記録媒体に複写して交付する(18条) |
| 不服申立て | 決定などに不服がある人は、謄本の送達があった日の翌日から30日以内に、検察庁の長に審査の申立てができる(26条) |
| 実施 | 審査の申立てや取消しの訴えができる期間が過ぎたときなどに、検察官が実施する(22条・23条) |
- 所有者などを知ることができないときは、検察官が公告し、6か月たっても判明しなければ消去等の措置を実施します(21条)
- 返すべき物を、引取りを求めた日から6か月たっても受け取りに来ないときは、廃棄することができます(25条)

2024年6月20日から、検察官は、保管している押収物に記録された盗撮などの画像、リベンジポルノの画像、児童ポルノを、行政手続として消去したり、押収物を廃棄したりできるようになりました。
数字で見る(2024年)
- 令和7年版犯罪白書によると、2024年の性的姿態撮影等処罰法違反の認知件数は8,436件、検挙件数は6,867件でした
- 痴漢・盗撮の時間・場所のデータは、痴漢・盗撮で検挙されるのは、どんな時間・場所?で
ネットに広がってしまったら
- この法律の消去・廃棄は、検察官が保管している押収物などが対象です。ネットに公開された画像の削除の求め方は、リベンジポルノは犯罪やネットで誹謗中傷されたら:発信者情報開示と削除で
- AIでつくられた性的な画像については、性的ディープフェイクで
相談先
- 警察の性犯罪被害相談電話 #8103(警察庁)
- 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター #8891(内閣府男女共同参画局)
- 事件の画像の扱いは、担当の検察官や検察庁の被害者支援員へ(法務省)
まとめ
- 2024年6月20日から、検察官は、保管している押収物の中の撮影罪などの画像・リベンジポルノの画像・児童ポルノを、行政手続として消去・廃棄できる
- クラウドなどリモートアクセス先のデータには消去命令
- 所有者などへの聴聞、対象画像以外のデータの複写・交付、30日以内の審査の申立ての手続がある
- 施行の時点ですでに保管されていた押収物にも適用
- 2023年7月13日から、撮影罪などで生じた物の複写物の没収もできる
参考文献
- 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和5年法律第67号)第8条〜第12条、第16条〜第18条、第20条〜第23条、第25条、第26条、附則第1条・第4条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000067 (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省. 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律案. https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00199.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省. 改正法等の概要(詳細版). https://www.moj.go.jp/content/001417852.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省. 令和7年版犯罪白書 第2編第1章1. https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_2_1_0_1.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省. 令和7年版犯罪白書 第1編第1章第2節4. https://hakusyo1.moj.go.jp/jp/72/nfm/n72_2_1_1_2_4.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 警察庁. 性犯罪被害相談電話全国共通番号「#8103」. https://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 内閣府男女共同参画局. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター. https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html (閲覧日:2026年10月22日)
- 法務省. 犯罪被害者の方々へ 5.公判段階での被害者支援. https://www.moj.go.jp/keiji1/keiji_keiji11-4.html (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。