アンドエスティHD(旧アダストリア)の強みとは:「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など多くのブランドと、自社EC「and ST」。会員は2,170万人。2026年2月期は売上高3,044億円(+3.8%)・営業利益165億円(+6.5%)
アンドエスティHD(2025年9月に持株会社化、旧アダストリア)を、2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月6日、東証の適時開示)で分析しました。売上高3,044億円(+3.8%)、営業利益165億円(+6.5%、営業利益率5.4%)、経常利益168億円(+5.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益95億円(−1.2%、減損などの特別損失)、ROE12.0%、自己資本比率58.3%。アパレル・雑貨関連事業は売上高2,898億円・セグメント利益173億円、店舗数1,601(うち海外157)。ブランド別の売上高は、グローバルワーク538億円、ニコアンド379億円、ローリーズファーム242億円など。ECとリアル店舗の共通ポイント「and ST」の会員は2,170万人(アクティブ780万人)。海外は台湾+25.2%・中国大陸+18.6%、米国からは撤退。年90円の配当、2027年2月期は営業利益172億円・年90円の予想。しまむら・ファーストリテイリングとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男「グローバルワーク」や「ニコアンド」って、同じ会社のブランドなの?

メル美決算短信を見ると、どちらもアンドエスティHD(旧アダストリア)のブランドなんだって。共通のポイントの会員が2,000万人以上いるみたい
企業分析の連載、223社目はアンドエスティHDです。2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月6日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のしまむらの強みとは・ファーストリテイリング(ユニクロ)の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、アンドエスティHD株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定のブランドや店をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」など多くのブランドで衣料・雑貨を売る「アパレル・雑貨関連事業」と、飲食事業をもつ会社。自社EC「and ST」が中心
| 項目(日本基準・連結) | 2026年2月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,044億円 | +3.8% |
| 営業利益 | 165億円 | +6.5% |
| 営業利益率 | 5.4% | 前期 5.3% |
| 経常利益 | 168億円 | +5.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 95億円 | −1.2% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 12.0% | 前期 13.1% |
| 自己資本比率 | 58.3% | 前期 57.9% |
| 配当 | 年90円(配当性向43.7%) | 前期 90円 |
- 2025年9月1日に、会社分割で持株会社になりました
- 当期純利益は、福岡物流センターの売却益(34億円)の一方で、のれんなどの減損損失(25億円)や店舗の減損、米国子会社の売却損を計上して、わずかに減りました
- 会社は、気候の変化への対応や主要ブランドの業績に課題があり、売上・利益とも期初の業績予想に届かなかったとしています
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | セグメント損益 |
|---|---|---|---|
| アパレル・雑貨関連 | 国内+4.0%、M&Aでブランドを拡大、店舗数1,601(うち海外157) | 2,898億円(+4.0%) | 173億円(+3.7%) |
| その他(飲食) | ゼットン、原材料・光熱費の上昇 | 148億円(+1.0%) | −5億円 |
| 主なブランド・地域 | 売上高 | 前期比 |
|---|---|---|
| グローバルワーク | 538億円 | +2.2% |
| ニコアンド | 379億円 | +5.4% |
| ローリーズファーム | 242億円 | +6.6% |
| スタディオクリップ | 239億円 | +4.5% |
| 海外合計 | 239億円 | −0.3% |
- 売上高の約87%が国内です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① マルチブランドと会員基盤
- 多くのブランドを持つマルチブランド・マルチカンパニー戦略をとり、ECとリアル店舗の共通ポイント「and ST」の会員数は2,170万人(前期末比+200万人)、アクティブ会員は780万人になりました
② ECのモール化
- 自社EC「and ST」で他社のブランドも扱う「オープン化」(モール型ビジネス)を進め、取り扱いブランド数と流通総額が伸びました
③ アジアでの成長
- 台湾は+25.2%、中国大陸は+18.6%の増収でした。一方、米国事業からは撤退しました
4. 弱み・リスク
① 天候の影響
- 気温の影響で季節衣料の動き出しが遅れた月があり、正価販売が想定を下回り、アパレル・雑貨関連の売上総利益率は下がりました
② 円安とコスト
- 円安による原価の押し上げや、人件費・広告宣伝費などの増加があります
③ 主要ブランドの伸び
- 最大のブランドのグローバルワークは+2.2%にとどまりました。会社は主要ブランドの業績を課題に挙げています
5. ライバルとの比較
衣料品の会社と並べます。会計基準(ファーストリテイリングはIFRS)・決算期・規模が違うので、おおまかな比較です。
| アンドエスティHD(2026年2月期) | しまむら(2026年2月期) | ファーストリテイリング(2025年8月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 3,044億円(+3.8%) | 7,000億円(+5.2%) | 3兆4,005億円(+9.6%) |
| 営業利益 | 165億円(+6.5%) | 615億円(+3.8%) | 5,643億円(+12.6%) |
| 営業利益率 | 5.4% | 8.8% | 16.6% |
| ROE | 12.0% | 9.0% | 20.2% |
- アンドエスティHDは、ROEがしまむらを上回る一方、利益率は低めです(→しまむらの強みとは、ファーストリテイリング(ユニクロ)の強みとは)。ファッション通販の会社はZOZOの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
アンドエスティHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年2月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| and STの会員数・アクティブ会員数 | 2,170万人・780万人 | 決算短信(経営成績) |
| 主要ブランドの売上高 | グローバルワーク538億円など | 決算短信(補足情報) |
| 売上総利益率 | 54.6% | 決算短信(経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2027年2月期 売上高3,140億円、営業利益172億円、当期純利益105億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年90円、2027年2月期予想90円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男たくさんのブランドを、共通の会員とECでつないでいるんだね。天気に左右されやすいのも見ておこう
まとめ
- アンドエスティHD(旧アダストリア)は、多くのブランドの衣料・雑貨と自社EC「and ST」の会社
- 2026年2月期は営業利益165億円(+6.5%)、ROE12.0%
- and STの会員は2,170万人、ECで他社ブランドも扱うモール化
- 台湾・中国大陸が伸び、米国からは撤退
- 2027年2月期は営業利益172億円・年90円の予想
参考文献
- アンドエスティHD. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月6日). https://www2.jpx.co.jp/disc/26850/140120260403598427.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- しまむら. 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年3月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/82270/140120260329592096.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ファーストリテイリング. 有価証券報告書 第64期(2024年9月1日〜2025年8月31日). https://www.fastretailing.com/jp/ir/library/pdf/yuho202508.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。