企業分析2026年10月12日

千代田化工建設の強みとは:LNGプラントのEPCが完成工事高の約58%。米国Golden Pass LNGの契約改定などで2026年3月期は営業利益821億円(+236.2%)。A種優先株式の償還を優先して普通株は無配、2027年3月期は営業利益100億円の予想

千代田化工建設を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で分析しました。完成工事高4,939億円(+8.1%)、営業利益821億円(+236.2%、米国Golden Pass LNG(GPX)プロジェクトの採算見直しと国内外の主要案件の順調な進捗)、経常利益925億円(+187.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益847億円(+213.7%)、自己資本比率22.2%(前期5.1%)。完成工事高のうちLNGプラント関係が2,884億円(58.4%)。受注工事高2,980億円(+41.1%、中東の石油・石油化学、出光興産の全固体電池向け固体電解質の大型パイロット装置など)、受注残高6,131億円。GPXはTrain1で2026年3月にLNGの初期生産を達成。A種優先株式(払込額700億円)を2028年6月末までに全株償還することを目指し、それまでは普通株式を無配に。2027年3月期は完成工事高3,400億円・営業利益100億円(−87.8%)の予想。日揮ホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美千代田化工建設って、2026年3月期にすごく利益が増えたんだって?

プレ男決算短信を見ると、米国のLNGプラントの採算の見直しの影響が大きいみたい。でも来期は大きく減る予想で、普通株の配当もないんだって

企業分析の連載、209社目は千代田化工建設です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で確認しました。比較には、この連載の日揮ホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、千代田化工建設株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

LNG・石油・石油化学などのプラントや、脱炭素・金属・先端素材・ライフサイエンス関連の設備の設計・調達・建設(EPC)をするエンジニアリングの会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
完成工事高(売上高) 4,939億円 +8.1%
営業利益 821億円 +236.2%
営業利益率 16.6% 前期 5.3%
経常利益 925億円 +187.2%
親会社株主に帰属する当期純利益 847億円 +213.7%
自己資本比率 22.2% 前期 5.1%
受注工事高 2,980億円 +41.1%
受注残高 6,131億円 −17.1%
配当(普通株式) 無配 前期も無配

2. 何で稼いでいるか

報告セグメントはエンジニアリング事業のみです。完成工事高の内訳(事業部門別)を見ます。

分野 完成工事高 構成比
LNGプラント関係 2,884億円(+15.2%) 58.4%
石油・石油化学関係 658億円(+98.0%) 13.3%
その他ガス関係 81億円(+69.5%) 1.6%

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① LNGプラントのEPC

② 受注の回復

③ 財務の改善

4. 弱み・リスク

① 来期の大幅な減益予想

② 優先株式と無配

③ 大型案件と中東情勢

5. ライバルとの比較

同じくプラントエンジニアリングの日揮ホールディングスと並べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。

千代田化工建設 日揮ホールディングス
売上高(完成工事高) 4,939億円(+8.1%) 7,453億円(−13.1%)
営業利益 821億円(+236.2%) 354億円
営業利益率 16.6% 4.7%
受注高 2,980億円 4,781億円
受注残高 6,131億円 1兆1,666億円
自己資本比率 22.2% 51.2%
配当 無配 年52円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

千代田化工建設の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
GPXプロジェクトの進み具合 Train1でLNGの初期生産 決算短信(経営成績)
受注工事高・受注残高 2,980億円・6,131億円 決算短信(受注実績)
A種優先株式の償還 2028年6月末までに全株償還を目指す 決算短信(利益配分)
会社の業績予想 2027年3月期 完成工事高3,400億円、営業利益100億円、当期純利益120億円 決算短信のサマリー
配当 無配、2027年3月期は未定 決算短信

メル美今期の大きな利益は採算の見直しの影響が大きいのね。優先株の償還と、来期の受注がどうなるかを見ておきたいな

まとめ


参考文献

  1. 千代田化工建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www.chiyodacorp.com/jp/ir/assets/2025Q4_Tanshin_J.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 日揮ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www.jgc.com/jp/ir/ir-library/assets/pdf/fy25_tanshin.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。