企業分析2026年10月12日

日揮ホールディングスの強みとは:LNGなどのプラントを設計・調達・建設する「総合エンジニアリング」が売上の約9割、触媒・ファインセラミックスの「機能材製造」も。2026年3月期は営業利益354億円で黒字化、受注残高は1兆1,666億円

日揮ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で分析しました。売上高7,453億円(−13.1%)、営業利益354億円(前期は115億円の損失、海外大型プロジェクトの完工などで採算が改善)、経常利益582億円(+414.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益418億円、ROE10.2%、自己資本比率51.2%。受注高4,781億円(海外57%)、受注残高1兆1,666億円。セグメントは、総合エンジニアリング(売上高6,796億円、営業利益336億円、LNG・石油精製などのプラントのEPC)、機能材製造(売上高570億円、営業利益77億円、FCC触媒、半導体・ハードディスク向けのシリカゾル、窒化ケイ素基板)。一部顧客で設備投資の最終決定を先送りする動き、中東のプロジェクトへの影響も。年52円の配当、2027年3月期は売上高6,700億円・営業利益400億円・受注高1兆7,400億円の予想。千代田化工建設との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男日揮って、何をつくっている会社なの?

メル美決算短信を見ると、世界でLNG(液化天然ガス)などの大きなプラントを設計して、資材を調達して、建設する会社なんだって。触媒などの材料もつくっているみたい

企業分析の連載、208社目は日揮ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。比較には、この連載の千代田化工建設の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、日揮ホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

LNG・石油精製・石油化学・ガス処理などのプラントや、半導体・データセンターなどの施設の設計・調達・建設(EPC)をする「総合エンジニアリング」と、触媒・ファインケミカル・ファインセラミックスの「機能材製造」の会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 7,453億円 −13.1%
営業利益 354億円 前期は115億円の損失
営業利益率 4.7% 前期 −1.3%
経常利益 582億円 +414.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 418億円 前期は4億円の損失
ROE(自己資本当期純利益率) 10.2% 前期 −0.1%
自己資本比率 51.2% 前期 49.8%
受注高 4,781億円(海外57%・国内43%)
受注残高 1兆1,666億円
配当 年52円(配当性向30.1%) 前期 40円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 売上高 営業利益
総合エンジニアリング 海外のLNG・石油・ガス、一般産業(半導体・データセンターなど)、国内の化学・食品などのEPC 6,796億円(−14.5%) 336億円(前期は損失)
機能材製造 アジア向けのFCC触媒(石油精製触媒)、半導体・ハードディスク向けのシリカゾル、窒化ケイ素基板などのファインセラミックス 570億円(+4.3%) 77億円(−6.4%)
その他 87億円(+2.8%) 21億円(−12.2%)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① LNGプラントの案件

② 大きな受注残高

③ 機能材製造

4. 弱み・リスク

① 大型プロジェクトの採算

② 投資判断の先送り

③ 中東情勢

5. ライバルとの比較

同じくプラントエンジニアリングの千代田化工建設と並べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。

日揮ホールディングス 千代田化工建設
売上高(完成工事高) 7,453億円(−13.1%) 4,939億円(+8.1%)
営業利益 354億円 821億円(+236.2%)
営業利益率 4.7% 16.6%
受注高 4,781億円 2,980億円
受注残高 1兆1,666億円 6,131億円
自己資本比率 51.2% 22.2%
配当 年52円 無配

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

日揮の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
受注高・受注残高 4,781億円・1兆1,666億円 決算短信(経営成績)
総合エンジニアリングの営業利益 336億円 決算短信(セグメント別)
中東情勢の影響 影響額を業績に反映 決算短信(経営成績)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高6,700億円、営業利益400億円、当期純利益460億円、受注高1兆7,400億円 決算短信
配当 年52円、2027年3月期予想52円 決算短信

プレ男大きなプラントの会社は、受注と採算がカギなんだね。来期の受注高の予想が大きいから、本当に受注できるかを見ておこう

まとめ


参考文献

  1. 日揮ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www.jgc.com/jp/ir/ir-library/assets/pdf/fy25_tanshin.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 千代田化工建設. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www.chiyodacorp.com/jp/ir/assets/2025Q4_Tanshin_J.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。