INPEXの強みとは:石油・天然ガスの開発会社で、豪州のイクシスLNGプロジェクトなど海外で生産。営業利益率は56.5%と高い一方、利益は原油価格と為替しだい。2025年12月期は原油安で営業利益1兆1,354億円(−10.7%)、税金は7,438億円
INPEXを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で分析しました。売上収益2兆114億円(−11.2%)、営業利益1兆1,354億円(−10.7%、営業利益率56.5%)、税引前利益1兆1,735億円、法人所得税費用7,438億円、親会社の所有者に帰属する当期利益3,938億円(−7.8%)、ROE8.2%。原油の平均販売価格は1バレル70.69米ドル(10.51米ドル下落)、販売数量は原油1億4,467万バレル(+4.1%)、天然ガス4,468億立方フィート(−5.7%)。売上収益の減少2,544億円のうち、単価の下落で2,693億円の減収。セグメント別の当期利益は、イクシスプロジェクト2,708億円、その他の海外プロジェクト1,317億円、国内224億円。年100円の配当、2026年12月期はブレント63米ドル・1ドル151円を前提に営業利益9,570億円・年108円の予想。石油資源開発との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男日本にも石油を掘る会社があるの? 日本で石油がとれるイメージがないよ

メル美オーストラリアの大きなガス田を持ってるって聞いたよ。原油の値段で利益が変わりそう
企業分析の連載、54社目はINPEXです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で確認しました。比較には石油資源開発(JAPEX)の2026年3月期 決算短信を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、INPEX株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
世界の油田・ガス田で原油と天然ガスを探し、生産して売る会社。最大のプロジェクトは豪州のイクシスLNG
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 2兆114億円 | −11.2% |
| 営業利益 | 1兆1,354億円 | −10.7% |
| 営業利益率 | 56.5% | 前期 56.1% |
| 税引前利益 | 1兆1,735億円 | −9.7% |
| 法人所得税費用 | 7,438億円 | −14.0% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 3,938億円 | −7.8% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 8.2% | 前期 9.5% |
| 配当 | 年100円(配当性向30.2%) | 前期 86円 |
- 営業利益率はとても高いものの、税引前利益の6割以上が法人所得税です
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | 売上収益 | 当期利益 |
|---|---|---|---|
| 海外:イクシスプロジェクト | 豪州イクシスと周辺の探鉱 | 3,150億円(−15.6%) | 2,708億円(+9.1%) |
| 海外:その他のプロジェクト | 豪州(イクシス以外)・東南アジア・欧州・アブダビなど | 1兆4,869億円(−10.3%) | 1,317億円(−20.5%) |
| 国内 | 南長岡ガス田、直江津LNG基地など | 1,921億円(−11.4%) | 224億円(+64.3%) |
- 当期利益の約3分の2がイクシスです。売上の大きい「その他のプロジェクト」は、税などを引いたあとの利益が小さくなっています
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① イクシスの安定生産
- 会社は、イクシスをはじめとする主要プロジェクトで安定生産を維持しているとしています
② 販売数量の増加
- 原油の販売数量は1億4,467万バレル(+4.1%)に増えました
③ 将来のプロジェクト
- 2030年代初頭の生産開始を目指すアバディLNGプロジェクトへの投資資金を、計画的に準備しているとしています
4. 弱み・リスク
① 原油価格
- ブレント原油は、2025年は1バレル70ドル台半ばから始まり、年末には60.85ドルに下がりました。INPEXの原油の平均販売価格は70.69ドル(10.51ドル下落)でした
- 売上収益の減少2,544億円のうち、単価の下落で2,693億円の減収でした(原油価格のしくみは原油価格を動かすものへ)
② 為替
- 売上の平均為替レートは1ドル149円60銭(1.4%の円高)で、260億円の減収要因でした
③ 探鉱費と2026年の見通し
- 2026年12月期は、ブレント63ドル・1ドル151円を前提に、営業利益9,570億円(−15.7%)の予想です。アジアでの探鉱活動の増加で探鉱費も増える見込みです
5. ライバルとの比較
国内の石油・天然ガス開発会社、石油資源開発(JAPEX)と比べます。決算期(JAPEXは3月期)・会計基準(JAPEXは日本基準)が違うので、おおまかな比較です。
| INPEX(2025年12月期) | 石油資源開発(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上 | 2兆114億円(−11.2%) | 3,403億円(−12.5%) |
| 営業利益 | 1兆1,354億円(−10.7%) | 389億円(−37.2%) |
| 親会社の所有者(株主)に帰属する当期利益 | 3,938億円(−7.8%) | 534億円(−34.2%) |
- どちらも原油・天然ガスの価格の下落で減益でした。規模はINPEXがけた違いに大きいです
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
INPEXの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 原油の平均販売価格 | 70.69ドル/バレル | 決算短信(経営成績) |
| 販売数量(原油・天然ガス) | 1億4,467万バレル、4,468億立方フィート | 決算短信 |
| 会社予想の前提(油価・為替) | ブレント63ドル、1ドル151円 | 決算短信(見通し) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益1兆8,930億円、営業利益9,570億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年100円、2026年12月期予想108円 | 決算短信 |

メル美利益率はすごく高いけど、税金も大きくて、原油の値段と為替で大きく変わるのね。会社の予想の「前提の油価」を見ておくといいんだ
石油を精製して売る会社はENEOSホールディングスの強みとはも参考にしてください。
石油製品と資源の会社は出光興産の強みとはも参考にしてください。
LNGプラントを建設する会社は日揮ホールディングスの強みとはと千代田化工建設の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- INPEXは、原油と天然ガスを探して生産する会社。最大は豪州のイクシス
- 2025年12月期は営業利益1兆1,354億円(−10.7%)、営業利益率56.5%
- 利益の大きな部分が法人所得税(7,438億円)
- 業績は原油価格と為替しだい(単価の下落で2,693億円の減収)
- 2026年12月期はブレント63ドルの前提で営業利益9,570億円の予想
参考文献
- INPEX. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www.inpex.com/ir/library/upload/result20260212.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 石油資源開発. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.japex.co.jp/news/uploads/pdf/JAPEX20260513_FY202603Result_j.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。