企業分析2026年10月12日

ENEOSホールディングスの強みとは:ガソリンなどの石油製品が売上高の9割近く。2026年3月期は売上高11兆7,655億円、営業利益4,666億円(前期の4倍以上)。原油価格で動く「在庫影響」を除くと4,744億円。中東情勢の緊迫化で原油調達にも影響

ENEOSホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高11兆7,655億円(−4.5%)、営業利益4,666億円(+339.8%)、在庫影響を除いた営業利益相当額4,744億円、親会社の所有者に帰属する当期利益2,587億円(+14.4%)、ROE8.0%、親会社所有者帰属持分比率37.1%。セグメントは、石油製品ほか(売上高10兆3,953億円、営業利益2,924億円、ENEOSオーシャンの海運事業の一部を日本郵船へ譲渡した売却益を含む)、石油・天然ガス開発(508億円)、電気(220億円、五井火力発電所の全基運開)、機能材(111億円)など。ドバイ原油は期平均72ドル、3月の中東情勢の緊迫化で期末121ドル。JX金属は前期に上場し持分法適用会社に。年34円の配当、500億円を上限とする自己株式の取得と消却。2027年3月期はドバイ原油85ドル・155円/ドルの前提で営業利益6,100億円の予想。INPEXとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男ガソリンスタンドのENEOSだよね。原油が上がるともうかるの? 損するの?

メル美決算短信には「在庫影響」っていう言葉が出てくるよ。原油の値段で、会計上の利益が動くんだって

企業分析の連載、90社目はENEOSホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のINPEXの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、ENEOSホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

原油から石油製品をつくって売る石油精製販売を中心に、石油・天然ガスの開発、合成ゴムなどの機能材、電気・再生可能エネルギーも手がける会社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 11兆7,655億円 −4.5%
営業利益 4,666億円 +339.8%
在庫影響を除いた営業利益相当額 4,744億円 +3,107億円
親会社の所有者に帰属する当期利益 2,587億円 +14.4%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 8.0% 前期 7.1%
親会社所有者帰属持分比率 37.1% 前期 35.3%
配当 年34円(配当性向35.4%) 前期 26円

2. 何で稼いでいるか

セグメント 中身(決算短信の記載) 売上高 営業利益
石油製品ほか 石油精製販売、基礎化学品、潤滑油、ガス、水素 10兆3,953億円(−5.3%) 2,924億円(+3,431億円)
石油・天然ガス開発 石油・天然ガスの探鉱・開発、CCS/CCUS 2,167億円(−10.7%) 508億円(−366億円)
電気 発電、電力の調達・販売、都市ガス、VPP 3,492億円(+9.2%) 220億円(+10億円)
機能材 合成ゴム、二次電池材料、熱可塑性エラストマーなど 3,390億円(−2.3%) 111億円(−66億円)

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 国内の燃料油販売

② 製油所の稼働率の改善

③ 株主への還元

4. 弱み・リスク

① 原油の調達

② 原油価格と為替

③ 国内需要の減少

5. ライバルとの比較

石油・天然ガスの開発会社のINPEXと並べます。INPEXは原油・ガスを掘って売る会社(上流)、ENEOSは精製して売る会社(下流が中心)で、決算期(INPEXは12月期)も違うので、おおまかな比較です。

ENEOS(2026年3月期) INPEX(2025年12月期)
売上高(売上収益) 11兆7,655億円 2兆114億円
営業利益 4,666億円 1兆1,354億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

ENEOSの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
在庫影響を除いた営業利益相当額 4,744億円 決算短信(経営成績)
石油製品ほかの営業利益 2,924億円 決算短信(セグメント)
原油価格・為替の前提 2027年3月期 ドバイ原油85ドル、155円/ドル 決算短信(次期の見通し)
会社の業績予想 2027年3月期 営業利益6,100億円、在庫影響を除くと5,900億円 決算短信
配当 年34円、2027年3月期予想34円 決算短信

メル美原油の値段で会計上の利益が動くから、「在庫影響を除いた利益」も見るのね。中東情勢で原油の調達がどうなるかも気になるな

石油元売りの会社は出光興産の強みとはも参考にしてください。

ほかの石油元売りの会社はコスモエネルギーホールディングスの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. ENEOSホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/50200/140120260512526455.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. INPEX. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www.inpex.com/ir/library/upload/result20260212.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。