企業分析2026年10月10日

日本郵船の強みとは:コンテナ船・自動車船・ばら積み船・タンカー・LNG船・物流までの総合物流。2026年3月期は経常利益2,111億円(−57%)で、コンテナ船(持分法のONE)の運賃市況の下落が響いた。一方タンカーは中東情勢で市況が上昇

日本郵船を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で分析しました。売上高2兆4,236億円(−6.4%)、営業利益1,386億円(−34.3%)、経常利益2,111億円(−57.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,117億円(−55.7%)、ROE7.1%、自己資本比率59.1%。海運は、コンテナ船の会社ONE(Ocean Network Express、持分法適用会社)からの利益が大きく、ONEの運賃市況が下落したため、定期船事業の経常利益は2,743億円→497億円に。自動車事業979億円、エネルギー事業544億円(VLCCなどの市況が中東情勢で上昇)。航空運送は、日本貨物航空を2025年8月1日の株式交換でANAホールディングスに移しました。年間配当230円(記念配当25円を含む)、2027年3月期は経常利益1,850億円・年200円の予想。商船三井との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美海運の会社って、コロナのころすごく儲かったって聞いたよ。今はどうなんだろう

プレ男船で荷物を運ぶ会社でしょ? 中東の海峡のニュースとも関係あるのかな

企業分析の連載、30社目は日本郵船です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日)で確認しました。比較には商船三井の2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)を使っています(商船三井は5月21日に貸借対照表の勘定科目の訂正を出していますが、下の比較の数字は訂正の対象外です)。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本郵船株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

海・陸・空にまたがる総合物流の会社。コンテナ船、自動車船、ばら積み船、タンカー・LNG船などを運航し、物流も手がける

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 2兆4,236億円 −6.4%
営業利益 1,386億円 −34.3%
経常利益 2,111億円 −57.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 2,117億円 −55.7%
ROE(自己資本当期純利益率) 7.1% 前期 17.1%
自己資本比率 59.1% 前期 67.6%
配当 年230円(うち記念配当25円、配当性向45.6%) 前期 325円

2. 何で稼いでいるか

セグメントの経常利益(2026年3月期)です。

セグメント 中身 売上高 経常利益 前期
自動車 自動車船、自動車物流 5,268億円 979億円 1,133億円
エネルギー VLCC(大型原油タンカー)、LPG船、LNG船、FPSOなど 2,369億円 544億円 461億円
定期船 コンテナ船(ONE)、ターミナル 1,809億円 497億円 2,743億円
物流 航空・海上貨物の取扱い、ロジスティクス 8,047億円 102億円 212億円
ドライバルク ばら積み船 5,510億円 95億円 181億円
航空運送 (日本貨物航空、第1四半期まで) 411億円 21億円 210億円

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 事業の幅

② 長期契約のLNG船・海洋事業

③ 財務と株主還元

4. 弱み・リスク

① コンテナ船の運賃市況

② 為替

③ 中東情勢

④ 減配

5. ライバルとの比較

海運大手の商船三井と比べます(どちらも日本基準・2026年3月期)。

日本郵船 商船三井
売上高 2兆4,236億円(−6.4%) 1兆8,251億円(+2.8%)
営業利益 1,386億円 1,270億円
経常利益 2,111億円(−57.0%) 1,758億円(−58.1%)
親会社株主に帰属する当期純利益 2,117億円 2,133億円
ROE 7.1% 7.7%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

日本郵船の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
定期船の経常利益(ONEの持分法利益) 497億円(うちONE 190億円) 決算短信(セグメント別)
自動車・エネルギーの経常利益 979億円・544億円 決算短信
持分法による投資利益 850億円 決算短信
会社の業績予想 2027年3月期 経常利益1,850億円、純利益1,950億円 決算短信のサマリー
配当 年230円、2027年3月期予想200円 決算短信

プレ男コンテナ船の運賃が下がると利益が大きく減る。中東のニュースは、タンカーにはプラスになることもあるんだ

同じ海運大手は商船三井の強みとはへ。

海運大手は川崎汽船の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 日本郵船. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www.nyk.com/ir/library/highlights/2025/__icsFiles/afieldfile/2026/05/11/260511_tanshin_jp.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 商船三井. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://ir.mol.co.jp/ja/ir/library/mrsfcfh/main/01/teaserItems1/011117/linkList/03/link/%28J%292025.4Q%20Financial%20Highlights.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。