企業分析2026年10月10日

商船三井の強みとは:鉄鉱石などを運ぶドライバルク、原油・LNGのエネルギー輸送、コンテナ船(ONE)・自動車船の製品輸送、ダイビルの不動産まで。2026年3月期はコンテナ船の運賃下落で経常利益1,758億円(−58.1%)

商船三井を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日、5月21日に貸借対照表の勘定科目を訂正)で分析しました。売上高1兆8,250億円(+2.8%)、営業利益1,270億円(−15.8%)、経常利益1,758億円(−58.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益2,133億円(−49.9%)、ROE7.7%、自己資本比率48.2%。セグメントの経常損益は、製品輸送959億円(うちコンテナ船266億円、持分法適用会社ONEの運賃市況の下落で−87.7%)、エネルギー555億円(前期の三井海洋開発の持分法適用化に伴う再評価益の剥落など)、ドライバルク108億円、ウェルビーイングライフ−27億円(不動産は67億円)。純利益には固定資産・投資有価証券の売却益などの特別利益817億円も。年200円の配当、2027年3月期は経常利益1,450億円・年205円の予想。日本郵船との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男海運会社って、コロナのあとにすごくもうかってたよね。今はどうなってるの?

メル美商船三井って、クルーズ船やフェリーもやってるんだって。ビルも持っているらしいよ

企業分析の連載、67社目は商船三井です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。この決算短信は5月21日に貸借対照表の勘定科目が訂正されていますが、この記事の損益の数字は訂正の対象外です。比較には、この連載の日本郵船の強みとはで確認した日本郵船の数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、商船三井株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

鉄鉱石・穀物などのばら積み船、原油・LNGなどのエネルギー船、コンテナ船・自動車船を運航し、不動産やフェリー・クルーズも手がける海運会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 1兆8,250億円 +2.8%
営業利益 1,270億円 −15.8%
経常利益 1,758億円 −58.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 2,133億円 −49.9%
ROE(自己資本当期純利益率) 7.7% 前期 16.9%
自己資本比率 48.2% 前期 53.9%
配当 年200円(配当性向32.3%) 前期 360円

2. 何で稼いでいるか

セグメントの売上高と経常損益(2026年3月期)です。

セグメント 中身(決算短信の記載から) 売上高 経常損益 前期
製品輸送 コンテナ船(ONE)、自動車輸送、港湾・ロジスティクス 6,415億円 959億円 3,029億円
(うちコンテナ船) 536億円 266億円 2,176億円
エネルギー タンカー、FPSO、LNG・エタン船 5,257億円 555億円 1,021億円
ドライバルク ケープサイズなどのばら積み船 4,557億円 108億円 154億円
ウェルビーイングライフ 不動産(ダイビル)、フェリー、クルーズ 1,222億円 −27億円 81億円

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① いろいろな船の組み合わせ

② 長期契約の事業

③ 不動産

4. 弱み・リスク

① コンテナ船の市況

② 中東情勢

③ 一度きりの利益の反動

5. ライバルとの比較

海運大手の日本郵船と比べます(どちらも日本基準・2026年3月期)。

商船三井 日本郵船
売上高 1兆8,250億円(+2.8%) 2兆4,236億円(−6.4%)
経常利益 1,758億円(−58.1%) 2,111億円(−57.0%)
親会社株主に帰属する当期純利益 2,133億円(−49.9%) 2,117億円(−55.7%)
ROE 7.7% 7.1%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

商船三井の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
セグメント別の経常損益 製品輸送959億円(うちコンテナ船266億円)など 決算短信(セグメント)
持分法による投資損益 417億円 決算短信のサマリー
特別利益 817億円 決算短信(損益計算書)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高2兆400億円、経常利益1,450億円、純利益1,700億円 決算短信のサマリー
配当 年200円、2027年3月期予想205円 決算短信

プレ男コンテナ船の運賃が下がると、海運会社の利益は大きく減るんだね。経常利益と持分法の利益を見るのがコツなんだ

海運大手は川崎汽船の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 商船三井. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://ir.mol.co.jp/ja/ir/library/mrsfcfh/main/01/teaserItems1/011117/linkList/03/link/%28J%292025.4Q%20Financial%20Highlights.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 日本郵船. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www.nyk.com/ir/library/highlights/2025/__icsFiles/afieldfile/2026/05/11/260511_tanshin_jp.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。