大和証券グループ本社の強みとは:個人向けのウェルスマネジメント、資産運用のアセットマネジメント、法人・機関投資家向けのグローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキングの3部門。2026年3月期は純営業収益7,204億円(+11.5%)・当期純利益1,753億円(+13.5%)。配当性向50%以上、下限は年44円
大和証券グループ本社を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月27日、東証の適時開示)で分析しました。営業収益1兆4,680億円(+7.0%)、純営業収益7,204億円(+11.5%)、経常利益2,345億円(+4.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,753億円(+13.5%)、ROE10.3%。部門別の経常利益は、ウェルスマネジメント1,120億円(+38.9%、エクイティ収益の増加とラップ口座サービス)、アセットマネジメント654億円(−15.5%、オルタナティブで引当金と減損)、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング590億円(+38.0%、株式のフロー収益とM&A)。配当は半期ごとに配当性向50%以上、2025年3月期〜2027年3月期は年44円が下限で、2026年3月期は年64円。業績予想は相場環境の影響が大きいため出していません。野村ホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男大和証券と野村證券って、同じような証券会社だよね。何が違うの?

メル美大和の決算短信を見ると、利益の半分近くが個人向けの「ウェルスマネジメント部門」なんだって
企業分析の連載、109社目は大和証券グループ本社です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月27日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の野村ホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、大和証券グループ本社株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の証券会社や金融商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
個人や未上場法人に金融商品を提供するウェルスマネジメント、投資信託や不動産などの資産運用、国内外の機関投資家・企業向けの証券業務とM&Aなどを手がける証券グループ
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 1兆4,680億円 | +7.0% |
| 純営業収益 | 7,204億円 | +11.5% |
| 経常利益 | 2,345億円 | +4.4% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,753億円 | +13.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 10.3% | 前期 9.8% |
| 自己資本比率 | 4.6% | 前期 4.6% |
| 配当 | 年64円(配当性向50.8%) | 前期 56円 |
- 証券会社は、営業収益から金融費用を引いた純営業収益で本業の収益を見ます
- 資産合計は38兆776億円で、トレーディング商品や営業貸付金などが含まれます。負債には銀行業の預金などがあります
2. 何で稼いでいるか
| 部門 | 中身(決算短信の記載) | 純営業収益 | 経常利益 |
|---|---|---|---|
| ウェルスマネジメント | 個人や未上場法人に幅広い金融商品・サービス | 2,958億円(+15.6%) | 1,120億円(+38.9%) |
| アセットマネジメント | 投資信託の設定・運用、不動産・オルタナティブの運用 | 1,119億円(+9.2%) | 654億円(−15.5%) |
| グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキング | 機関投資家などへの証券業務、M&Aなど | 2,574億円(+9.9%) | 590億円(+38.0%) |
- 経常利益はウェルスマネジメントがいちばん大きく、3部門の合計2,364億円の約47%です(計算値)
- ウェルスマネジメントは、市場での投資活動の活発化でエクイティ(株式)収益が増え、ラップ口座サービスの契約額・純増額も高い水準でした(→ファンドラップのしくみとコスト)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 個人向けの増益
- ウェルスマネジメントの経常利益は+38.9%の1,120億円でした
② 資産運用の広がり
- 証券のアセットマネジメントは、公募投資信託の資金純増と株式相場の上昇で増収増益、不動産のアセットマネジメントも物件取得報酬や売却益で増収増益でした
③ はっきりした配当方針
- 半期ごとに配当性向50%以上の配当をする方針で、2025年3月期〜2027年3月期は1株当たり配当の下限を年44円としています(→配当方針の読み方)
4. 弱み・リスク
① 相場に左右される
- 会社は、有価証券関連業の業績は経済情勢や相場環境に大きく影響されるとして、業績予想を出していません
② オルタナティブ投資の損失
- オルタナティブのアセットマネジメントは、一部の投資先の再評価による引当金と減損で経常損失になりました
③ 経常利益の伸びの小ささ
- 純営業収益は+11.5%でしたが、販売費・一般管理費も+7.1%で、経常利益は+4.4%でした
5. ライバルとの比較
同じ証券大手の野村ホールディングスと比べます。会計基準(野村は米国基準)と利益の物差しが違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。
| 大和証券グループ本社 | 野村HD | |
|---|---|---|
| 収益 | 純営業収益 7,204億円(+11.5%) | 収益合計(金融費用控除後)2兆1,677億円(+14.5%) |
| 株主に帰属する当期純利益 | 1,753億円(+13.5%) | 3,621億円(+6.3%) |
| ROE | 10.3% | 10.1% |
| 配当 | 年64円 | 年51円 |
- 利益の規模は野村HDが約2倍で、ROEはほぼ同じです(→野村ホールディングスの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
大和証券グループの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 部門別の経常利益 | ウェルスマネジメント1,120億円など | 決算短信(セグメントの業績) |
| 純営業収益 | 7,204億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年64円(配当性向50%以上、下限44円) | 決算短信 |
| 業績予想 | 出していない | 決算短信のサマリー |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男個人向けがいちばん稼いでいるんだね。相場しだいで利益が変わるから、配当の下限44円も覚えておこう
個人投資家向けのネット証券の会社は松井証券の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 大和証券グループは、ウェルスマネジメント・アセットマネジメント・グローバル・マーケッツ&IBの3部門の証券グループ
- 2026年3月期は純営業収益7,204億円、当期純利益1,753億円(+13.5%)
- 経常利益の約半分が個人向けのウェルスマネジメント
- 配当は配当性向50%以上、下限は年44円(2027年3月期まで)
- 相場の影響が大きいため、業績予想は出していない
参考文献
- 大和証券グループ本社. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月27日). https://www2.jpx.co.jp/disc/86010/140120260427511323.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 野村ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年4月24日). https://www2.jpx.co.jp/disc/86040/140120260423509338.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。