企業分析2026年10月12日

古河電気工業の強みとは:データセンタ向けの光ファイバ・ケーブル、ワイヤハーネスなどの自動車部品、半導体製造用テープなどの機能製品。2026年3月期は営業利益639億円(+35.8%)・当期純利益725億円(+117.4%)、ROE19.1%。2026年7月に1株→10株の分割予定

古河電気工業を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日、東証の適時開示)で分析しました。売上高1兆3,076億円(+8.8%、データセンタ関連製品の増収、ワイヤハーネスの増収、銅地金価格の高騰)、営業利益639億円(+35.8%、営業利益率4.9%)、経常利益759億円(+56.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益725億円(+117.4%、投資有価証券売却益193億円など)、ROE19.1%、自己資本比率39.1%、海外売上高比率50.6%。セグメントの営業利益は、電装エレクトロニクス339億円(ワイヤハーネス、銅合金など)、インフラ214億円(+276.1%、情報通信ソリューションとエネルギーインフラ)、機能製品154億円(放熱部品・半導体製造用テープ・電解銅箔)、サービス・開発等は67億円の損失。年210円の配当、2027年3月期は営業利益950億円(+48.8%)・当期純利益820億円の予想、2026年7月1日に1株→10株の株式分割を予定(配当予想は分割後22円)。フジクラ・住友電気工業との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男電線の会社って、データセンタで伸びているって聞くけど、古河電工もそうなの?

メル美決算短信を見ると、データセンタ向けの光ファイバケーブルなどで、インフラの営業利益が前の年の約3.8倍になったんだって

企業分析の連載、156社目は古河電気工業です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のフジクラの強みとは・住友電気工業の強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、古河電気工業株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

光ファイバ・ケーブルや電力ケーブルの「インフラ」、ワイヤハーネスなどの自動車部品と銅合金などの「電装エレクトロニクス」、放熱部品・半導体製造用テープ・電解銅箔の「機能製品」を手がける会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 1兆3,076億円 +8.8%
営業利益 639億円 +35.8%
営業利益率 4.9% 前期 3.9%
経常利益 759億円 +56.4%
親会社株主に帰属する当期純利益 725億円 +117.4%
ROE(自己資本当期純利益率) 19.1% 前期 10.0%
自己資本比率 39.1% 前期 34.6%
配当 年210円(配当性向20.4%) 前期 120円

2. 何で稼いでいるか

当期からセグメントの区分を変更しています(前期も組み替えて比較)。

セグメント 中身(決算短信の記載) 売上高 営業利益
電装エレクトロニクス 自動車部品(ワイヤハーネスなど)、無酸素銅・銅合金などの材料 7,651億円(+3.9%) 339億円
インフラ 光ファイバ・ケーブル、コネクタ部品、レーザダイオードチップ、電力ケーブル、産業電線 3,709億円(+20.0%) 214億円(+276.1%)
機能製品 放熱部品、半導体製造用テープ、高周波基板用電解銅箔など 1,611億円(+9.6%) 154億円
サービス・開発等 水力発電、研究開発、不動産の賃貸など 422億円(+21.2%) −67億円

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① データセンタ向けの光通信製品

② 電力ケーブル

③ 半導体・データセンタ向けの機能製品

4. 弱み・リスク

① 低い利益率

② 自動車部品と通商政策

③ 一度きりの利益

5. ライバルとの比較

電線大手と比べます。3社とも日本基準・2026年3月期です。

古河電気工業 フジクラ 住友電気工業
売上高 1兆3,076億円(+8.8%) 1兆1,824億円(+20.7%) 5兆1,102億円(+9.2%)
営業利益 639億円(+35.8%) 1,887億円(+39.2%) 4,182億円(+30.4%)
営業利益率 4.9% 16.0% 8.2%
ROE 19.1% 32.5% 14.7%
自己資本比率 39.1% 57.8% 56.9%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

古河電工の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
インフラの営業利益 214億円 決算短信(セグメントの業績)
電装エレクトロニクスの営業利益 339億円 決算短信(セグメントの業績)
会社の業績予想 2027年3月期 売上高1兆4,600億円、営業利益950億円、当期純利益820億円 決算短信のサマリー
配当 年210円、2027年3月期予想22円(分割後) 決算短信

プレ男データセンタ向けで伸びているけど、利益率はまだ低めなんだね。来年の営業利益950億円にどこまで近づくか見ておこう

まとめ


参考文献

  1. 古河電気工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/58010/140120260511523194.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. フジクラ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/58030/140120260514532598.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  3. 住友電気工業. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/58020/140120260511522404.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。