企業分析2026年10月10日

日本郵政の強みとは:郵便・物流、郵便局窓口、国際物流(トール)、不動産、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の6事業。2026年3月期は経常利益1兆750億円(+32.0%)の大半が銀行と生命保険で、郵便・物流は55億円の赤字

日本郵政を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で分析しました。経常収益11兆4,406億円(−0.2%)、経常利益1兆750億円(+32.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益3,746億円(+1.1%)、ROE4.0%。純利益は、ゆうちょ銀行(約49.9%)とかんぽ生命保険(約49.8%)の持分比率を前提に計算されます。セグメントの経常利益は、銀行業7,591億円(+1,747億円、外債投資信託の収益や国債利息・日銀預け金利息の増加)、生命保険業2,718億円(+1,020億円)、不動産201億円、郵便局窓口91億円、国際物流44億円、郵便・物流は−55億円(前期−322億円、料金改定で単価が改善した一方、人件費・集配運送委託費が増加)。トナミホールディングスなどを連結し、点呼業務不備事案に伴う行政処分後は他の運送会社への委託を基本にしています。年50円の配当、2027年3月期はアフラックの持分法適用も含め純利益3,800億円・年60円の予想。ヤマトホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男日本郵政って郵便局の会社だよね。手紙が減っているのに大丈夫なの?

メル美ゆうちょ銀行とかんぽ生命もグループなんだって。実はそっちで稼いでいるのかな

企業分析の連載、77社目は日本郵政です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。比較には、ヤマトホールディングスの2026年3月期 決算短信を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、日本郵政株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

郵便・物流、郵便局の窓口、海外の物流、不動産と、ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険を持つ持株会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
経常収益 11兆4,406億円 −0.2%
経常利益 1兆750億円 +32.0%
親会社株主に帰属する当期純利益 3,746億円 +1.1%
ROE(自己資本当期純利益率) 4.0% 前期 3.8%
配当 年50円(配当性向38.7%) 前期 50円

2. 何で稼いでいるか

セグメントの経常収益と経常利益(2026年3月期)です。

セグメント 中身 経常収益 経常利益
銀行業 ゆうちょ銀行 2兆8,522億円 7,591億円(+1,747億円)
生命保険業 かんぽ生命保険 5兆6,256億円 2,718億円(+1,020億円)
不動産 JPタワーなど(日本郵便・日本郵政不動産) 890億円 201億円(+77億円)
郵便局窓口 郵便局の窓口(銀行・保険の手数料、交付金など) 1兆172億円 91億円(−151億円)
国際物流 トール(Toll Holdings) 5,058億円 44億円
郵便・物流 郵便、ゆうパック、ゆうパケットなど 2兆3,084億円 −55億円(前期 −322億円)

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 金利上昇の恩恵(ゆうちょ銀行)

② 荷物の増加と料金改定

③ 物流の拡大

4. 弱み・リスク

① 郵便の赤字

② 点呼業務の不備

③ 郵便局窓口の手数料

5. ライバルとの比較

宅配の大手、ヤマトホールディングスと、物流の部分を比べます。会計の区分が違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

日本郵政(郵便・物流セグメント) ヤマトHD(全社)
収益 経常収益 2兆3,084億円 営業収益 1兆8,657億円(+5.8%)
利益 経常損益 −55億円 営業利益 283億円(+99.2%)

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

日本郵政の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
銀行業・生命保険業の経常利益 7,591億円・2,718億円 決算短信(セグメント)
郵便・物流の経常損益 −55億円 決算短信
ゆうちょ銀行・かんぽ生命の持分比率 約49.9%・約49.8% 決算短信の注記
会社の業績予想 2027年3月期 経常利益1兆1,700億円、純利益3,800億円 決算短信のサマリー
配当 年50円、2027年3月期予想60円 決算短信

メル美郵便は赤字で、稼いでいるのはゆうちょ銀行とかんぽ生命なのね。金利が上がると銀行の利益が増えるんだ

宅配の大手はヤマトホールディングスの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. 日本郵政. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS06651/276e8835/c88e/49db/a946/4e9a1dc6bcac/140120260513531522.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. ヤマトホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www.yamato-hd.co.jp/investors/pdf/4q_tansin_2026_03.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。