みずほフィナンシャルグループの強みとは:個人・中小企業、大企業、海外の企業、市場、資産運用の5つのカンパニー。2026年3月期は純利益1兆2,486億円(+41.0%)。円金利の上昇と非金利ビジネスで連結業務純益1兆4,227億円
みずほフィナンシャルグループを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で分析しました。経常収益9兆854億円(+0.6%)、経常利益1兆5,731億円(+34.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益1兆2,486億円(+41.0%)、ROE11.4%。連結粗利益は国内外の非金利ビジネスの好調と、円安・円金利の上昇の取り込みで3兆4,772億円(+5,568億円)、連結業務純益は1兆4,227億円(+3,238億円)。与信関係費用は中東情勢などを踏まえた引当で1,330億円、株式等関係損益は政策保有株式の売却益などで3,251億円。カンパニー別の業務純益(ETF関係損益等を含む)は、大企業向けのCIBC4,998億円、海外のGCIBC3,677億円、市場のGMC2,600億円、個人・中小企業のRBC2,375億円、資産運用のAMC197億円。年145円の配当、2027年3月期は純利益1兆3,000億円・年150円の予想。MUFG・三井住友FGとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男3メガバンクの最後、みずほだね。MUFGと三井住友とは、どこが違うんだろう

メル美みずほも純利益が1兆円をこえたってニュースで見たよ
企業分析の連載、72社目はみずほフィナンシャルグループです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。比較には、この連載の三菱UFJフィナンシャル・グループの強みとはと三井住友フィナンシャルグループの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、みずほフィナンシャルグループ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
みずほ銀行・みずほ信託銀行・みずほ証券などを持ち、個人・中小企業から大企業・海外企業まで、銀行・信託・証券のサービスを提供する金融グループ
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 9兆854億円 | +0.6% |
| 連結粗利益 | 3兆4,772億円 | +5,568億円 |
| 連結業務純益(本業のもうけ) | 1兆4,227億円 | +3,238億円 |
| 与信関係費用 | 1,330億円 | +814億円 |
| 経常利益 | 1兆5,731億円 | +34.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1兆2,486億円 | +41.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 11.4% | 前期 8.5% |
| 配当 | 年145円(配当性向28.8%) | 前期 140円 |
- 連結粗利益が増えたのは、国内外の非金利ビジネス(手数料など)が好調だったことと、円安や円金利の上昇を取り込んだことなどによります(→日銀の政策金利と投資)
- 与信関係費用は、国内外の一部の企業向けの費用と、中東情勢などを踏まえたフォワード・ルッキングな引当で増えました
- 株式等関係損益は、政策保有株式の売却益の増加などで3,251億円の利益でした
2. 何で稼いでいるか
カンパニー別の業務純益(信託勘定償却前・一般貸倒引当金繰入前、ETF関係損益等を含む)です。
| カンパニー | 中身 | 業務粗利益など | 業務純益 |
|---|---|---|---|
| CIBC | 国内の大企業など(コーポレート&インベストメントバンキング) | 7,393億円 | 4,998億円 |
| GCIBC | 海外の企業など(グローバルコーポレート&インベストメントバンキング) | 8,570億円 | 3,677億円 |
| GMC | 市場(グローバルマーケッツ) | 6,649億円 | 2,600億円 |
| RBC | 個人・中小企業など(リテール・事業法人) | 9,846億円 | 2,375億円 |
| AMC | 資産運用(アセットマネジメント) | 736億円 | 197億円 |
- いちばん稼いでいるのは国内の大企業向け(CIBC)、次が海外(GCIBC)です
- 個人・中小企業向け(RBC)は粗利益は最大ですが、経費(7,567億円)も大きくなっています
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 国内の大企業との取引
- CIBCの業務純益は4,998億円で、5つのカンパニーで最大です
② 非金利ビジネスと金利上昇
- 決算短信は、増益の理由に国内外の非金利ビジネスの好調と、円金利の上昇の取り込みを挙げています
③ 株主還元と政策保有株式の売却
- 配当は年145円、2027年3月期は年150円の予想。政策保有株式の売却を進め、自己株式の取得(4,043億円)もしています(→自社株買いのしくみ)
4. 弱み・リスク
① 貸し倒れと景気
- 与信関係費用は1,330億円(+814億円)。景気や中東情勢が悪くなると増える可能性があります
② 費用の増加
- 営業経費は2兆1,034億円(+2,627億円)。為替・インフレによる増加に加え、成長分野やガバナンスなどの経営基盤の強化への投資で増えました
③ 株価・金利・為替
- 決算短信は、リスクの原因として、与信関係費用の増加、株価の下落、金利・為替の変動、法令違反などを挙げています
5. ライバルとの比較
3メガバンクを比べます(すべて日本基準・2026年3月期)。
| みずほFG | MUFG | 三井住友FG | |
|---|---|---|---|
| 連結業務純益 | 1兆4,227億円 | 2兆3,772億円 | 2兆3,309億円 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1兆2,486億円(+41.0%) | 2兆4,272億円(+30.3%) | 1兆5,830億円(+34.4%) |
| ROE | 11.4% | 11.3% | 10.4% |
- 本業のもうけの規模は3社で最も小さい一方、純利益の伸び率とROEは3社の中で最も高くなりました(→三菱UFJフィナンシャル・グループの強みとは、三井住友フィナンシャルグループの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
みずほFGの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 連結業務純益 | 1兆4,227億円 | 決算短信(経営成績) |
| カンパニー別の業務純益 | CIBC4,998億円など | 決算短信(セグメント情報) |
| 与信関係費用・株式等関係損益 | 1,330億円・3,251億円 | 決算短信 |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 純利益1兆3,000億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年145円、2027年3月期予想150円 | 決算短信 |
- 銀行は「売上高」ではなく、連結業務純益と与信関係費用を見るのがポイントです
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美3メガバンクとも金利の上昇で利益が増えたのね。みずほは規模は3番目でも、伸び率が大きかったんだ
まとめ
- みずほFGは、5つのカンパニーで銀行・信託・証券のサービスを提供する金融グループ
- 2026年3月期は純利益1兆2,486億円(+41.0%)、連結業務純益1兆4,227億円
- 増益は非金利ビジネスと円金利の上昇、政策保有株式の売却益など
- 稼ぎ頭は国内の大企業向け(CIBC)
- リスクは貸し倒れ、費用の増加、株価・金利・為替
参考文献
- みずほフィナンシャルグループ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www.mizuho-fg.co.jp/investors/financial/tanshin/pdf/data2603_fy.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www.mufg.jp/dam/ir/fs/2025/pdf/summary2603_ja.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 三井住友フィナンシャルグループ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.smfg.co.jp/investor/financial/latest_statement/2026_3/2026_fy_01.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。