企業分析2026年10月12日

ヤマトホールディングスの強みとは:「宅急便」のエクスプレス事業が営業収益の8割以上。2026年3月期は営業収益1兆8,657億円(+5.8%)、営業利益283億円(前期の約2倍)で営業利益率は1.5%。人への投資や調達単価の上昇の中、運賃の改定と大口法人の価格の見直しを進める

ヤマトホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で分析しました。営業収益1兆8,657億円(+5.8%)、営業利益283億円(+99.2%、営業利益率1.5%)、経常利益263億円(+34.1%)、親会社株主に帰属する当期純利益137億円(−64.0%、前期の本社ビルなどのセール・アンド・リースバックの特別利益の反動)、ROE2.4%、自己資本比率44.6%。エクスプレス事業(宅急便)は外部顧客への営業収益1兆5,580億円(+1.5%)、営業利益23億円(前期より152億円の改善)。宅急便・宅急便コンパクト・EAZYは19億4,100万個(−1.0%)、ネコポス・クロネコゆうパケットは4億5,100万個(+15.4%)。2025年10月に宅急便の届出運賃を改定。コントラクト・ロジスティクス(ナカノ商会の連結子会社化で+69.6%)、グローバル、モビリティも。配当は年46円で配当性向106.8%、2027年3月期は営業利益420億円の予想。日本郵政の郵便・物流との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男ネットで買った物は、だいたいクロネコヤマトで届くよ。もうかっているんだろうね

メル美決算短信を見ると、営業利益率は1.5%なんだって。荷物が多くても、利益はとても薄いみたい

企業分析の連載、89社目はヤマトホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。比較には、この連載の日本郵政の強みとはで確認した郵便・物流セグメントの数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、ヤマトホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

「宅急便」を中心に、個人・法人の荷物を運び、企業の物流センターの運営、国際輸送、車両整備なども手がける物流の会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
営業収益 1兆8,657億円 +5.8%
営業利益 283億円 +99.2%
営業利益率 1.5% 前期 0.8%
経常利益 263億円 +34.1%
親会社株主に帰属する当期純利益 137億円 −64.0%
ROE(自己資本当期純利益率) 2.4% 前期 6.5%
自己資本比率 44.6% 前期 46.5%
配当 年46円(配当性向106.8%) 前期 46円

2. 何で稼いでいるか

事業 中身(決算短信の記載) 外部顧客への営業収益 営業利益
エクスプレス 宅急便を中心とした国内の輸配送 1兆5,580億円(+1.5%) 23億円(前期より152億円改善)
コントラクト・ロジスティクス 企業の在庫・配送拠点やEC事業者の物流センターの運営 1,646億円(+69.6%) 62億円
グローバル 国際フォワーディング、海外のコントラクト・ロジスティクス 976億円(+13.5%) 82億円(−9億円)
モビリティ 車両整備、「EVライフサイクルサービス」 220億円(+7.5%) 52億円(+14億円)
その他 IT、コールセンター、金融サービスなど 235億円(−3.9%) 66億円

宅急便などの取扱数量

区分 2026年3月期 前期比
宅急便・宅急便コンパクト・EAZY 19億4,100万個 −1.0%
ネコポス・クロネコゆうパケット 4億5,100万個 +15.4%
クロネコゆうメール 9,500万冊 −13.6%

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 価格の見直し

② 法人向けビジネスの拡大

③ 宅急便のネットワーク

4. 弱み・リスク

① とても薄い利益

② 配当性向が100%超

③ 上期の赤字の見通し

5. ライバルとの比較

宅配の大手、日本郵政の郵便・物流セグメントと比べます。会計の区分が違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。

ヤマトHD(全社) 日本郵政(郵便・物流セグメント)
収益 営業収益 1兆8,657億円(+5.8%) 経常収益 2兆3,084億円
利益 営業利益 283億円 経常損益 −55億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

ヤマトHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
宅急便などの取扱数量 19億4,100万個(−1.0%) 決算短信(エクスプレス事業)
エクスプレス事業の営業利益 23億円 決算短信(セグメント)
営業利益率 1.5% 決算短信のサマリー
会社の業績予想 2027年3月期 営業収益1兆9,200億円、営業利益420億円 決算短信のサマリー
配当 年46円、2027年3月期予想46円 決算短信

プレ男毎日たくさんの荷物を運んでいても、人件費などが増えて利益は少しなんだね。運賃の見直しがどこまで効くか見ておこう

国内外の物流の会社はNIPPON EXPRESSホールディングスの強みとはも参考にしてください。

ほかの宅配便の会社はSGホールディングスの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. ヤマトホールディングス. 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www.yamato-hd.co.jp/investors/pdf/4q_tansin_2026_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 日本郵政. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS06651/276e8835/c88e/49db/a946/4e9a1dc6bcac/140120260513531522.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。