企業分析2026年10月12日

NIPPON EXPRESSホールディングスの強みとは:日本通運の国内物流がセグメント利益の約半分、米州・欧州・アジアの国際物流、警備輸送・重量品建設も。2025年12月期は土地売却益と欧州ののれん減損が重なり、当期利益26億円(−91.5%)

NIPPON EXPRESSホールディングスを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日)で分析しました。売上収益2兆5,748億円(−0.1%)、営業利益514億円(+4.9%、営業利益率2.0%)、税引前利益417億円(−19.5%、為替の影響など)、親会社の所有者に帰属する当期利益26億円(−91.5%)、ROE0.3%、親会社所有者帰属持分比率34.3%。営業利益には、東京都江東区の土地・建物の譲渡益743億円と、欧州セグメントに配分したのれんの減損損失595億円が含まれます。セグメント利益は、日本(ロジスティクス)445億円(+9.8%、料金改定とコスト削減)、物流サポート161億円(+31.8%)、米州57億円、東アジア57億円、重量品建設53億円、欧州47億円(−57.4%)、南アジア・オセアニア32億円、警備輸送24億円。2025年2月にドイツのSimon Hegele社を買収。年100円の配当(2025年1月に1株→3株の分割)、2026年12月期は営業利益1,000億円・当期利益600億円・年100円の予想。ヤマトホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美日本通運の親会社って、利益が9割も減ったの?

プレ男決算短信を見ると、土地を売った利益と、欧州の会社ののれんの減損が同じ年に出たんだって。数字を分けて見てみよう

企業分析の連載、153社目はNIPPON EXPRESSホールディングスです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、同じ決算短信のPDF(IR資料の配信サービスに掲載)を使っています。比較には、この連載のヤマトホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、NIPPON EXPRESSホールディングス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

日本通運などのグループで、航空・海運・鉄道の貨物の取扱い、倉庫・流通加工、引越などのロジスティクスを日本と世界で手がけ、警備輸送・重量品建設・物流サポートももつ会社

項目(IFRS・連結) 2025年12月期 前期比
売上収益 2兆5,748億円 −0.1%
営業利益 514億円 +4.9%
営業利益率 2.0% 前期 1.9%
税引前利益 417億円 −19.5%
親会社の所有者に帰属する当期利益 26億円 −91.5%
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 0.3% 前期 3.8%
親会社所有者帰属持分比率 34.3% 前期 37.2%
配当 年100円(配当性向926.7%) 前期 300円(分割前)

2. 何で稼いでいるか

セグメント 主な動き(決算短信の記載) 売上収益 セグメント利益
日本(ロジスティクス) 料金改定の効果、取扱いは減少、コスト削減 1兆2,603億円(−0.1%) 445億円(+9.8%)
物流サポート 物流商品・整備製作・不動産の取扱い増加 4,467億円(+6.2%) 161億円(+31.8%)
欧州(ロジスティクス) Simon Hegele社の連結、コスト増 5,279億円(+5.2%) 47億円(−57.4%)
米州(ロジスティクス) 航空・海運貨物の取扱いが減少 1,380億円(−9.8%) 57億円
東アジア(ロジスティクス) 事業再編・機能統合のコスト削減 1,658億円(−4.7%) 57億円(+25.9%)
南アジア・オセアニア(ロジスティクス) 航空貨物の減少、販売単価の下落 1,554億円(−1.4%) 32億円(−40.5%)
重量品建設 シャットダウンメンテナンス工事は増加、風力工事関連は減少 485億円(−2.9%) 53億円
警備輸送 料金改定の効果、コスト増 695億円(+1.4%) 24億円

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 国内物流の収益性改善

② 世界の物流網と買収

③ 資産の見直し

4. 弱み・リスク

① 欧州事業

② 低い利益率と配当性向

③ 一度きりの損益

5. ライバルとの比較

物流大手のヤマトホールディングスと並べます。会計基準(ヤマトは日本基準)と決算期(ヤマトは3月期)、事業の中身(ヤマトは宅急便が中心)が違うので、おおまかな比較です。

NXHD(2025年12月期) ヤマトHD(2026年3月期)
売上(営業収益) 2兆5,748億円(−0.1%) 1兆8,657億円(+5.8%)
営業利益 514億円(+4.9%) 283億円(+99.2%)
営業利益率 2.0% 1.5%
ROE 0.3% 2.4%
自己資本(帰属持分)比率 34.3% 44.6%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

NXHDの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2025年12月期 どこに書いてある
日本(ロジスティクス)のセグメント利益 445億円 決算短信(セグメント別の業績概況)
欧州のセグメント利益 47億円 決算短信(セグメント別の業績概況)
一度きりの収益・費用 土地譲渡益743億円、のれん減損595億円 決算短信(注記)
会社の業績予想 2026年12月期 売上収益2兆7,000億円、営業利益1,000億円、当期利益600億円 決算短信のサマリー
配当 年100円、2026年12月期予想100円 決算短信

メル美土地の売却益と減損が重なって、当期利益だけを見るとわかりにくいのね。セグメント利益で本業を見るようにしよう

倉庫と国際輸送の会社は三井倉庫ホールディングスの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. NIPPON EXPRESSホールディングス. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月13日). https://pdf.irpocket.com/C9147/YpwX/xR9Z/nTUC.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. ヤマトホールディングス. 2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www.yamato-hd.co.jp/investors/pdf/4q_tansin_2026_03.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。